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東京都北区にある、小さな傘店「日傘工房パラソラ」伊藤ノブコさんがつくる、和柄の日傘。
下の写真は、浴衣の生地をほどいて、つくられたものです。

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浴衣の生地のほかにも手ぬぐいや着物からつくることも多い伊藤さんは、反物は幅がないので、生地を切ってみてつなぎ合わせると、どんなふうに柄がでるか分からない不安もあるけど、思いも寄らない仕上がりが楽しいといいます。

三角に切った生地8枚をつなぎ合わせて、骨にひとつひとつ丁寧に留め、仕上げていく。見事な手さばきに思わず「すごい」と声をあげると、「私にとってはふつうのこと」と伊藤さんは笑います。

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1日に1〜2本つくるのが精一杯だといいますが、それもそのはず。

傘に生地を張るのはきつくてもゆるくてもダメで、まっすぐの骨に緩やかなカーブをつけるには職人の勘が必要。さらにタッセルの代わりに傘の生地とお揃いの生地のボンボンをつけたりと、手間のかかる手しごとを丁寧に仕上げているのです。

妥協のない手しごとでつくられた日傘は、大人の女性にこそ似合うもの。

にっぽん てならい堂では現在、日傘づくりの工程を知るワークショップや、まず傘骨を選び、次に生地を選んでつくってもらう日傘職人ラリーなどの企画を検討中。

ぜひ自分だけの1本を見つけてくださいね。

 

<店舗DATA>
日傘工房パラソラ
HP:http://parasola.net

 

文 / 増村江利子
国立音楽大学卒。Web制作、広告制作、編集を経て現在はフリーランスエディター、ライター。一児の母。主なテーマは、暮らし、子育て、食、地域、エネルギー。暮らしの工作家。毎日を、ちょっぴり丁寧に暮らしたいと思っています。