3月25日に「初めてのダーニング教室」を開催いたしました!

大切に使ってきた思い出のつまったお洋服。できれば捨てたくないですよね。

大切なものを繕う技術があれば、それを捨てずにすみます。

捨てずに長く使い続ける技術を身に付けたい、そんな人のためのてならい体験のレポートを、お届けいたします。

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ダーニングは、穴の空いた服や擦り切れた生地を、針と糸だけで補修する、欧州の伝統的な暮らしの技術。職人技術ではなく、あくまで家庭的な技術ですね。

てならい堂でダーニング教室を開催するのは初めてだったのですが、イベント告知当初から反響が大きく、ダーニングに対するみなさんの関心が高いことを窺い知ることができました。こういった生活の技術が今とても求められているのだなぁと感じました。

さて、今回講師としてお招きしたのは、自身も作家として活動していらっしゃる、クロシェター(かぎ針編み作家)の赤星さん。

赤星さん自身が着ているセーターやジーンズにも所々にダーニングが施してあり、衣服を長く愛着をもって着ている方なのだなぁと改めて感じ、素敵だなぁと思いました。

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今回は、”初めての”ということで、ゆっくり丁寧に、ダーニングのやり方を教わっていきました。また、針や糸や練習用の布はこちらで用意しているので、安心して手ぶらで参加できるのがこの教室の良いところ。

まず最初に、一番やりやすい靴下を使ってみんなで練習していきました。わかりやすいように、縦糸と横糸の色を変えて、縦と横、順々に繕っていきました。糸で繕っていくときに、針で繕う範囲を、穴に近づけすぎないのがポイントだそうです。つい、なるべく穴の近くを縫いたくなりますが、穴よりも二回りくらい大きめに、四角く縫っていく方がやりやすいのだとか。

そんな風に教えてもらいながら、みなさん黙々と集中して針を動かしておりました。

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また、やるからには細かくやらなきゃ、と神経質になっちゃいがちですが、赤星さん曰く、案外、失敗しても可愛くなりますよ、と。それを聞いてなんだか気楽な気分に。

例えば和裁の場合、もちろん和裁は和裁でその良さはありますが、やはり着物などの出来上がりにはまっすぐを求められます。でも、ダーニングの良さは、”まっすぐじゃなくてもいい”というところ。そうやって肩に力を入れすぎずにできるのがダーニングのいいところなんだとか。

さて、縦と横の糸が綺麗に通ってくると、織物っぽくなりました。

出来上がりをみて、みんなで可愛いー!!と盛り上がり。

いや実際可愛いんですよね、ほんと 笑

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最初はみんなで一緒に進めていきましたが、二つ目の穴の繕いからは、みなさん各自のペースで進めていきました。

中には、持参したセーターの小さい穴を繕っている参加者の方もいました。

まさにこれを直したい!と思っていた矢先に、今回の教室の存在を知って、申し込んでくれたそうです。最後まで楽しんで繕っていただいていたようなので、何よりでした。

みなさんの様子を見ていて、二つ穴を繕ってみると、やり方に慣れてくるのではないかなと思いました。これで、みなさんもおうちで自信を持って、ダーニングができるようになったのではないでしょうか。

糸の組み合わせ等でも、また見た目の雰囲気は変わってきますし、これは、考えるのも楽しそう。今後、服の穴が待ち遠しくなるかも。

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ちなみに、最後の糸の処理やおすすめの糸の太さなどは、繕う衣服によっても違ってくるそう。

靴下、セーター、ジーンズ・・・。一通り繕えるようになりたいですよね。

最後に糸はお土産でもらえるので、今後生活の中で色々と繕っていくことができます。みなさんどんなものをこれから繕っていくのか気になりますね!

ちなみにこの教室では、参加者用にダーニングマッシュルームをご用意していますが、おうちでやる際には、ガチャガチャのケースや電球、こけしなどでも代用ができるそうな。

海外では、大きいものでダチョウの卵を使っている人もいるのだとか。

とはいえ、やはりマッシュは、やりやすい上にフォルムがかわいい。今後のお供として、一つはあってもいいかもしれません。てならい堂でも今後、キットを販売予定ですので、サイトをまたチェックしてみてくださいね。

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今だから、手に入れたいと思う、古くも新しい技術。

“直して使う”という選択肢。

目立たない様に直すのではなく、好きな柄として縫い上げ、あえて目立たせる「装飾ダーニング」ともいわれるこの手法。繕うことで、捨てずに済むし、自分だけの新しい柄を追加して、この先ももっと大切に使っていけるようになりますよね。

新しいものに生まれ変わらせるアップサイクル的で、きっと今までよりも愛着が増すんじゃないかなと思います。

このところ、おうちにいる時間が長いからこそ、こういった生活の技術を身につけておくと、ちょっとした楽しみが増えてくるのではないかなと思いました。

直すという技術を身につけることで、私たちの生活の選択肢が増えるんだということを、感じていただけたら嬉しい限りです。

今回のようなダーニング教室は、今後も毎月やっていく予定ですので、今回予定が合わなかった方も、ぜひぜひ次回ご参加くださいませ!

それではまた。