こんにちは。スタッフのひのです。

5月といえば連休がありますね。4月、新しくはじまった環境からひと息。お出かけを楽しむぞ!という方も多いと思いますが、ちょっと気が抜けて体調を崩しがちな時期でもあります。わたしの場合は、季節の変わり目であったからか、一足先に4月に体調を少し崩してしまいました。汗 みなさんもお休み期間、お出かけを楽しみつつも、どうぞ心もからだも養生してくださいね。

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さて、てならい堂では、自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、3ヶ月ごとにテーマを決めて、取り組むことにしています。

2023年 5月のテーマは「自分で手を加える」です。

「手を加える」という言葉には、直したり補ったり加工したり・・・といった意味ありますね。今回のテーマでは、そんな言葉に着目して身の回りの生活を見つめてみましょう。

ぜひ、実際に「手」をつかってみることを意識しながら、今回のテーマに向き合ってみてくださいね。みなさんのこころよい生活に、少しでも近づけますように。

  「自分で手を加える」を考えるために、
    てならいに参加してみる。
    てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
    自身の生活の中で見つめ直してみる。

それぞれのやり方で、みなさんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。

 「自分で手を加える」5月の話題。

1)「手を加える」さじ加減の難しさ。

2)実際に“自分で手を加える”を生活に取り入れてみる

 ・包丁研ぎ直し&診断会

 ・自然由来の原料だけ。和蝋燭(わろうそく)をつくるワークショップ

 ・初めての「多肉植物を育ててみる」ワークショップ。夏超え編。

3)てならい365日のススメ

1)「手を加える」さじ加減の難しさ。 

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先日、一参加者として、成田で行われた包丁づくりのワークショップに参加してきました!

叩く前は単なる鉄の棒だったものが、熱せられて叩いていくことでみるみる形が変わっていく。まるで生き物のようでした。それに応じて、ハンマーで叩いた自分の腕や手も筋肉がどんどんこわばっていきました。笑 次の日腕をあげるのが重かったです。 でも、これこそ、自分で手を加える体験。手を加えた証のような勲章のようなものを感じて、その疲労感ごと持ち帰りました。

基本的には、叩くタイミングは親方役の職人さんが合わせてくれていましたが、それでも叩く力加減もリズムも微妙にひとりひとり違う。こんな形にしたいなというのを想像しながら親方に導かれ叩きます。

また、包丁の持ち手部分もどんなふうにするか自分で選び、それも含めて参加者みんな十人十色で、同じ包丁が一つとしてなく、実に個性の出る包丁たちが形作られていきました。ワークショップ終了時点ではまだ完成ではなく(まだ全工程の半分もいってないのだとか・・!)、このあと職人さんが仕上げをして数ヶ月後に包丁が手元に届くそうなので、実際に使ってみるのが今から楽しみです。

今回の体験では、シンプルなものこそ、個性が出る、そんなことをあらためて強く感じました。手を加えていくことで滲み出ていくその人らしさ。だからこそ、手を加えられる”余白”があるということも、時には大事なんじゃないかなと思いました。

一方で、余白があるからといって、なんでもかんでも手を加えればいいわけではないことも。あえて手を加えない方がいいことも時にはあるんだと思います。たとえば、自然にできた風景、人の手が加わらないからこその美しく壮大な風景。はたまた、シンプルな素材の味をいかした料理など。

そうしてまた浮かんでくる疑問が、「完全に手を加えていないことというのは存在するのか」ということ。何も手を加えていないようにみえて、実際は良さを引き立てるためのほんのひと工夫などはあるかもしれません。手を加えてることって、目に見えることとそうでないことがあるのかもしれない。明らかなものと、あとからわかるもの。

自然の美しさを保つためにその周辺の整備を人々が一生懸命やってるだとか、ちょっとした下ごしらえを先にしているだとか。一見矛盾してますが、余計な手を加えない代わりに、手を加えるみたいな。

そのさじ加減って、本当に難しい。どこまで手を加えたらいいか、ここから先は余計なのか。“完璧”というのも、どこから判断するのか難しい。これ以上は手の加えようがない、余地がない、とはどの段階でいえるのか・・・。そう、難しいことだらけなんです。だからこそ、やってみることでみえてくる。

・・・こんなふうに、「自分で手を加える」をテーマに考えてみると、結局手を加えた方がいいの?そうじゃない方がいいの?どっちがいいんだ!?とわからなくもなりますが、そのわからなさが自分の判断軸と向き合うタネなんだと思います。

白黒はっきりしないストレスを感じちゃうかもしれませんが、そのグレーなところを行き来するのが、今回のテーマの本質かもしれませんね。だって、人の手が入らない原生林だって、人の手が入った里山だって、どちらもそれぞれに美しさがある。

今回のテーマでは、いきなり答えをだすのではなく、ぜひそんなグレーなところの行き来含めて、ご自身の身の回りのものに向き合うことを楽しんでみてくださいね。

2)実際に“自分で手を加える”を生活に取り入れてみる 

・包丁研ぎ直し&診断会 

研ぎ方を学ぶワークショップは好評につき満席となりましたが、ご愛用の包丁やハサミの状態をみてもらえる診断会はまだ空きがあります!包丁ならその場で研ぎ直しも可能です。

種類や状態によってはお預かりさせていただくこともありますが、まずは気になる刃物がある方はぜひ持ってきてみてくださいね。診断会なので、プロに状態をチェックしてもらうだけでもOKですし、当日は打刃物工房の六代目職人石塚さんが作った包丁や裁ち鋏の展示販売も行う予定なので、見にくるだけでもOKですよ!

■【てならい】包丁、ハサミの”診断会”開催します。

■【てならい】研ぎ直したい包丁やハサミをお預かりします。

・自然由来の原料だけ。和蝋燭(わろうそく)をつくるワークショップ 

石油系の原料が用いられる西洋蝋燭と異なり、和蝋燭に使用される蝋の原料には櫨(はぜ)の木や米ぬか、芯の部分にはい草や和紙など自然由来のものが使われているため、煙を吸っても喉が痛くならず煙・ススが出にくいのだとか。

ワークショップでは溶けた蝋を手ですくって一層一層肉付けしていくのですが、教えてくれる和ろうそくYagi- の青柳さんによると、蝋の中に手を入れる感触は「形が変わる温泉のよう」とのこと。どんな感じなのかとても気になりますね。笑  ぜひ、素朴な風合いが美しい和蝋燭を、五感をたっぷり使ってつくってみてくださいね。

■【てならい】自然由来の原料だけ。和蝋燭(わろうそく)をつくるワークショップ

・初めての「多肉植物を育ててみる」ワークショップ。夏超え編。 

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植えることだけでなく、育てることまでもが愉しくなる2回連続コースのワークショップ。教えてくれるのは多肉植物のアレンジメントを手がけるTOKIIROさんです。

春に寄せ植えをし、半年経った冬には、変化が生まれた自分やみんなの寄せ植えを観ながら多肉それぞれの特性をより深く教わり、1年後3年後にどんな景色がみたいかを想像して手を加えていきますよ。うつわに植えたときの姿を完成形とするのではなく、そこから多肉がどう育ち新たな表情を見せていくか、そんなことをぜひ楽しんでくださいね。

■【てならい】初めての「多肉植物を育ててみる」ワークショップ。夏超え編。

3)てならい365日のススメ

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いかがでしたか。みなさんもぜひこの機会に、手を加えるということについて考えてみませんか?てならい堂では、今月であれば「自分で手を加える」といったように、こういったテーマをもとに自分の生活を見つめ直してみる機会を「てならい365日」と名付け、お家でのセルフジャーナリングをみなさんにオススメしています。

やり方はとっても簡単。ノートを用意して、今回のテーマについて書き出してみる、以上です。どんなことでも結構ですし、関連することを実践してみたり、てならいに参加してみたり、やってみたいなと思うものがあればやってみて、それについて書いてみるのでも大丈夫です。騙されたと思って書いてみると、書き出された文字を見て、不思議とどんどん新しい考えが思い浮かぶもの。書き出すノートはどんなものでも構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。(ノートの購入はこちら

ノート

そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思います。そして、もし気づきがあれば、ぜひ心のうちにとどめておいてください。また、よろしかったら、てならいに参加した時やひみつの小店に来た時に、そっとてならい堂のスタッフへ伝えてみてください。なにかさらに新たな発見があるかもしれませんよ。 

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 「てならい365日」では、3ヶ月ごとに同じテーマに取り組み、毎月それについてお知らせしていきます。今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にてこのテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからご登録くださいね。

ということで、まずは春のテーマとして、今月は「自分で手を加える」ということに目を向けながら過ごしてみませんか?「自分で手を加える」を考えるにあたり何から始めようかなと思った方は、まずは本ページを参考にしてみてくださいね。これまでのページもよろしければご覧ください!

テーマへの取り組みに際し、ぜひみなさんのご感想もお聞かせてくださいね。また、「こんなことも知りたいよ」などご要望もありましたら遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください。

今月もみなさまのご参加をお待ちしています!てならいの会場で、ひみつの小店(神楽坂)で、色々とお話ししましょう!


余白があるから手を加えられる
そうして良さを引き立てる
あえて手を加えない選択もある
人の手の入らない美しさがある
今日はどちらを選ぼうか