こんにちは。

てならい堂スタッフの大石です。

気づいたらもう年末にさしかかってきましたが、みなさん変わらずお過ごしでしょうか。

新年を迎えるタイミングで、新しいことを始める方も多いのではないでしょうか。

ちょっとフライング気味ですが、てならい堂ではこの12月から「初めてのしっかり金継ぎ教室」がスタートしました!

 

講師は、てならい堂の金継ぎの監修をしてくださったアマノさん(日曜日)と、金継ぎ修理でご協力をいただいている梅澤さん(金曜日・土曜日)。会場は染めの教室でもおなじみ、染の里 おちあいさんでの開催です。

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初回ということで、まずはみなさんの自己紹介から。それぞれが金継ぎに興味をもったきっかけを話していただきました。

「自分で作った器がたくさん割れてしまって、捨てられなくて」

「旅先で購入したお気に入りの器ばかり割ってしまって悲しくて」

「前にも教室に通ったけど、今回は磨きを学べると聞いて」

そうなんです!実は今シーズンからは、「初めての金継ぎ」の内容を少し増量して、最後の磨き仕上げまでしっかり取り組んでいただきます。

1回分増えて、全8回の金継ぎ教室は約4か月と結構長い期間になりますが、みなさまどうぞよろしくお願いいたします。

 

自己紹介が終わったら作業を始める前に、”漆とは何ぞや”というところからご紹介。

漆の採り方や漆工芸に使用する道具、漆の性質など、気になるかぶれについても原因と対策をしっかり教えていただきました。

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こちらの刷毛、なんの毛が使われていると思いますか?

実はこれ、人間の髪の毛だそうです。アジア人の女性の、真っすぐでコシのある髪が適しているそうですよ。ちょっとびっくりですよね。

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それでは、早速作業を始めていきましょう!

初回の今回は、今後の作業のための下準備をしていきます。

釉薬のついていない高台や、薄い色の器に漆がついてしまうと取れないことがあるので、

欠けや割れの部分以外で心配なところはしっかりと養生しましょう。 

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養生が済んだら、いよいよ漆の登場です。初めての漆、ちょっと緊張しますね、、

今回は欠けの部分に、テレピンで薄めた生漆を塗っていきます。

漆を中に浸透させることで、ペーストで埋めていく際に接着しやすくなる効果があるそうです。

漆を塗るポイントは、「塗りすぎず、かすれるほどでもなく。」です。

今回はあまり神経質にならずとも大丈夫ですが、今後どのくらい塗ったらいいのかわからない!という工程がたくさん出てきます。迷ったらすぐ先生に聞いていきましょう。

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こちらはなんと昔の枕だそうです!初めて見ました。

ヒビも塗っておくのですが、黒い器はわかりづらそうです。

ヒビも塗っておくのですが、黒い器はわかりづらそうです。

漆を浸透させている間に、道具のお掃除をしていきます。

このお掃除の時間が結構かかるのですが、とっても重要なんです。漆が残っていると固まって道具が使えなくなってしまいますし、手袋を外した際に触ってかぶれる原因となるので、しっかりやっていきましょう。

掃除が終わったら、最後に表面に残っている漆はウエスで拭き取って、今回は終了です。塗ったことがわからないくらい、しっかりと拭き取るのですが、1日ほど置くと色が変わるので、漆が浸透していることがわかるそうですよ。

さて、次回は割れをくっつける・欠けを埋める作業です。漆をたくさん使いますので、くれぐれもかぶれには注意してくださいね。