隅田川の花火直前。着付けと街歩きの日曜日

浴衣の季節到来!

浴衣の季節到来!

普段、なかなか着る機会の無い和服は、粋に着こなすには、ちょっとした知識と技術と経験、そして少しの勇気が必要かもしれませんね。

浴衣シーズン入りに際し、もう一度大人として身につけておきたい、着付けのアレコレを確認しておきましょう、というのが今回のテーマ。

そして着付けた後は、せっかく浴衣を着た女性が集まるのですから、そのまま街歩き。

会場となる新宿の和裁所から、ちょいと近くの神社まで、散歩と、和装での所作をみんなで楽しみましょう!という企画です。

浴衣と帯と、選ぶところも最高の楽しみ

浴衣と帯と、選ぶところも最高の楽しみ

世の中には色んな着付け教室が存在し、それぞれの楽しみ方があると思いますが、今回、てならい堂がご用意したのは、着物作りのプロである仕立て屋さんに着付けをならう機会です。

何か、権威や作法といった堅苦しいことことではなく、シンプルに、それを作った人に使い方を教えてもらうことが、着物に限らずあらゆるモノにおいて、豊かなストーリーを育むきっかけとなることがありますよね。

とはいえ、今回の仕立て屋さんの中には、着付師の資格を持っている人もいますので、全く初めてという初心者の方から、以前に教わったことはあるけどちょっと記憶の方が、、、という人まで、レベルに応じて教えてくれますので、安心してご参加ください。

仕立て屋さんならではの、浴衣の縫い方などの(簡単にですが)紹介に始まり、その後は実際に各自、浴衣を着てみるということを2回ほどやってみる予定です。

なによりも、作る人と使う人が、それぞれの立場で、好きなものについてワイワイ楽しむ!そんな機会と捉えてもらったら嬉しいです。

尚、意外に男性のお客さんも多い「てならい堂」ですが、今回は女性限定ということで、悪しからず。

仕立て屋さんに着付けを習うということ。

人生の節目と和装

人生の節目と和装

仕立て屋さん、和裁士、和裁技能士、、、

着物を作る人にも色んな呼び名がありますが、中身は変わらず、業界の長く、そして複雑な歴史によるものの様です。

洋服を作る洋裁に対して、和服を作る和裁。

普段着の9割以上が洋服となっても、七五三に始まり、成人式や卒業式、結婚式など節目の正装には和装を選ぶ、私たち日本人。

花火大会や夏祭りで浴衣を着られることにテンションが上がるのも、本当は普段着としても和服を取り入れたいという潜在的な欲求が残っているからかもしれません。

果たして、仕立て屋さんの仕事とは。

果たして、仕立て屋さんの仕事とは。

見た目も大きく違う、洋服と和服ですが、そもそもモノづくりに対する理念からして違います。

形とサイズに応じたパターンに沿って生地を裁断する洋服に対し、和服は一枚の反物を余すこと無く縫い合わせ、更にはほどいて縫い直し、使用者や用途を変えながら、ずっと使い続けるものでした。

「型にはめること」と「その場に合わせること」、「余分を切り捨てること」と「余すこと無く使い続けること」、色んな解釈があるとは思いますが、やっぱり外の文化と対比したときに際立つ、日本の心を感じずにはいられないのです。

そんな日本の和装を支えているのが、仕立て屋さん。

そもそも和服は何度も縫い直すことを前提としていますので、手縫いは後でほどき易く、また、ミシンの様に細かく強い針目では無いので、ほどいた際に針穴が目立ちません。

もちろん、手縫いならではのふんわりとした縫い上がりは、着心地にそのまま影響し、一流の仕立て屋さんによる着物は、体に吸い付くとも表現されるほどに、馴染むそうです。

一枚の反物が着物に。それが日本が誇る和裁マジック

一枚の反物が着物に。それが日本が誇る和裁マジック

1日に1枚の着物を縫い上げることができるプロの仕立て屋さんは、日々、着物を着る人のことを考え、着物の未来を考え続けています。

そんなつくり手に習うからこそ見えてくる、日本人である私たちがもっと知った方がいいことが、きっとある様な気がしています。

今回の会場は、仕立て屋さんが実際に仕事をする和裁所をご厚意でお借りしますので、普段なかなか見ることの無いモノづくりの現場の空気も、一緒に感じてもらえたらと思います。

仕立て屋ユニット”ツヅクキモノ”と着物の世界への入口

和裁による小物作りなど。そんな手ならい。

今回、着付けを教えてくれるのは、”ツヅクキモノ”という名で活動する仕立て屋ユニット。

てならい堂の運営会社も奇しくも「続(つづく)」という名前ですので、打ち合わせの中で多くの価値観を共有できたのは、想像通りの結果でした。

きっかけは様々ながら、着物への興味が高じて、仕立て屋の道へと進んだ”ツヅクキモノ”の皆さん。

確かに、着物の需要は減っているし、ミシンや海外縫製による着物も増えて、仕立て屋さんの数も減り続けているそう。

そして最後は、みんな組紐フェチに、、、

そして最後は、みんな組紐フェチに、、、

それでも、「着物を続けよう」ということではなく、「着物は決して無くならない。続いて行く」という信念をユニット名に託した彼女達は、だからこそ、大好きな着物に触れる機会をもっと増やして欲しい、もっと気軽なものにしたいと願い、活動しています。

今後は、和裁の基礎である運針や、和裁による小物作り、あるいは浴衣や着物を誂えるということへの入口なども、彼女たちと一緒に紹介していければと思っています。

さらには、”織り”や”染め”といった反物をつくる技術に触れる機会も、もちろんご紹介したいと思っています。

そして、改めて今回は、和服、着物を纏う機会を今後増やしていく、その入口としての「浴衣の着付け」です。

翌週には、隅田川の花火を控えるこのタイミング。

1週間であれば、教わったことを忘れずに実践できるはず。

今後も続いていく着物と私たちの未来に思いを馳せつつ、まずは一度、入口をくぐってみませんか。

歴史も、そして未来も、ここ和裁所から

歴史も、そして未来も、ここ和裁所から