こんにちは。てならい堂スタッフの村上です。

気が付けば9月も後半。ほんのりと秋の風を感じられるようになってきましたね。

てならい堂では9月の12日と19日の土曜日に、おうちにいながら身近にある植物を使って楽しめる、オンライン草木染めワークショップを開催しました。

%e8%8d%89%e6%9c%a81

草木染めとは、天然の植物を染料にして染めていく染めの手法のことです。古くから世界各地で行われてきました。植物を使って染められた布は、とっても優しい色合いで、私達をほっとさせてくれます。

今回のワークショップで使用した植物は「よもぎ」です。よもぎは古くからその高い効能から和製ハーブとして親しまれてきました。春にはよもぎ団子やてんぷらとしても楽しまれていますね。(私は、通っていた小学校の授業で校庭に生えていたよもぎをみんなで採って、よもぎ団子を作りました。)実はよもぎは秋にも収穫することができ、よもぎ風呂などで使用できます。

講師は岐阜県と福井県の県境に位置する縄文時代からある石徹白(いとしろ)という集落で、そこに伝わる服の形をベースとした服づくりをしている「石徹白洋品店」さん。「植物そのものの色に喜びを感じる」と話してくれた石徹白洋品店さんにならう草木染めのなかで、自然との調和や、植物の不思議さや面白さを沢山知ることができました。

画面越しからでも、植物や草木染めに対する想いが伝わってきます!笑顔の素敵なお二人です。

%e8%8d%89%e6%9c%a813

今回は下準備として、ワークショップの前に各自でよもぎを煮ていただきました。草木染めは染めている最中もいい香りがして、染め工程を楽しむことができます。リラックスできるし、冬に染めると暖かったり。

%e8%8d%89%e6%9c%a810

まずは、参加者の皆さまと自己紹介をして実演に入っていきます。今回は模様をつけるので、お送りしたオーガニックコットンハンカチをじゃばらに折って、ビニール紐で巻いていきます。

%e8%8d%89%e6%9c%a88

この時の折り方や紐の巻き方の加減で、模様に個性がでるそうです。「こんな感じで大丈夫ですか?」と折ったハンカチを見せ合いながら進んでいきます。ビニール紐を巻き終わったら、いよいよ染め作業に入っていきます。下準備で作ったよもぎの染料の中に、ハンカチを入れてゆっくりと泳がしていきます。

%e8%8d%89%e6%9c%a87

「自分の生活のサイクルにあった染めを大切にしている。」と石徹白洋品店さん。草木染めの材料には有害なものは使われていないので、キッチン道具と染め道具に同じものを使う事もあるとか。なんとおうちでお芋さんを煮ながら、その横で草木染めを行うことも!そう言われると、なんだかこのハンカチが餅巾着のように見えてきました。笑

たっぷり染め液に泳がせたあとは、媒染液であるミョウバンを薄めた液に、ハンカチをつけます。

%e8%8d%89%e6%9c%a86

この工程を繰り返していくと、ハンカチがしっかり染まっていきます。最後は洗って干して完成です。

工程はそんなに難しくない草木染めですが、奥がとっても深いのです。使用する植物によって扱い方が違ってきたり、同じ植物でもその植物の状態や染め方や季節で染まり方が変わるそう。桜の木は花が咲く前後、スギは花粉の出る前後で、染まる色が変わってくるそうです。植物の花の色と本来持っている色は違う事も多いそうで、全く違う色に染まることも。

参加者の皆さまが質問をするたびに、どんどんびっくりする答えが返ってきて。「えー不思議ー!」と、とっても盛り上がりました。

その時の植物に合わせて染め方を変えながら染めていく。なんだか植物と対話しているみたいです。

今回のワークショップでは、皆さまにしっかりと染めていただきたかったので、ワークショップのあとも染め続けていただき、各自で完成させてもらいました。皆さんどんな風に完成したんだろう…とドキドキしていたのですが、素敵に染まりました!と写真を送っていただきました。

模様もしっかりでていて、とっても素敵な仕上がりです!

%e8%8d%89%e6%9c%a83

石徹白洋品店の近くにはとても綺麗な川が流れています。その事もあり薬剤を使わない染めを大切にしているそうです。薬剤を使わずに色を出して落ちにくくするために、とにかく時間をかけて丁寧に染めている、とお話してくれました。

「よもぎのいい匂いがずっとしていて幸せでした」「また違う植物でワークショップがあれば参加します」と参加者の皆さま。

石徹白洋品店さん、参加者の皆さま、素敵な時間をありがとうございました。