突然ですが、使い捨てのレジ袋はもう卒業したらいいと思うんです。
 
代わりに持ちたい、使い捨てないお買い物袋、忘れずにいつもカバンに忍ばせておけるお買い物袋を想像してみると、やっぱりそれは持つと気分が上がるもの、いつも持ちたくなるものがいいですね。
 
それでは、自分で染めてしまう、というのはいかがでしょう。
 
教えてくれるのは、100年目を迎えた染め工房と、着物を続けることを目指す仕立屋さんユニット。
 
この着物にまつわる二組の力をお借りして、自分で染めてお買い物袋を作る、新しいてならいができあがりました。
 

 

 使い捨てのレジ袋が話題になることが増えました。
 
今まで意識することはあっても、なかなか踏み出す人は多くなかったかもしれません。
 
さてと、レジ袋をやめよう。となった時に最初に思いつくのはエコバックです。
 
けれどそのエコバックも、安い金額での大量生産を前提に、どこか遠い国で別の負荷をかけて作られていたり、、、
 
使い捨てストローもしかりですが、使い捨てる素材が何かという問題ではなく、使い捨てそのものをやめた方がいいのでは、とにっぽん てならい堂は考えます。 
 
環境問題は一筋縄でいかない問題ですが、あまり難しく考えずに、シンプルに自分のできる範囲で良い方を選べたらなーと思います。
 
なるべく捨てないこと、たくさん買わないことを考えると、自分でつくるという選択肢がひとつ思い浮かびました。
 
自分で作ったものならば、気分も上がるし、きっと忘れずに持ち歩きますよね。
 
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さて、ではどんなお買い物袋をつくりましょうか。
 
日本には、なるべく捨てずに、直しながら人から人へ受けつがれながら、使い続けられているモノがあります。
 
それは着物です。
 
着物は、職人がその技術の粋をあつめて織ったり染めたりした反物を、何度もほどいて縫い直すことを前提とした、和裁の技術で作られています。
 
着なくなった着物をほどいてサイズを直して子供の着物に、古くなってきたらまた解いて今度は布団に仕立て直す。余った端切れは巾着にする。
 
そうやって形を変えながら、なるべく捨てずに、長く長く使い込む、それが日本の着物のあり方でした。
 
今、私たちが使い捨てを見直そうと思う時、着物に学ぶことはとても多いのではないでしょうか。
 
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今回はこの写真より、ひと回り大きくなります!(幅約40cmの反物を使用します)

 
今回のワークショップの会場は、新宿区落合にある染め工房。
 
着物の反物を自分で染めて、その反物を使ってお買い物袋を縫い上げようと思います。
 
いわゆる「あずま袋」と呼ばれるもの。これをお買い物袋として使ってみませんか。
 
着物の反物を染めるには、一言で染めといっても、実にたくさんの技法があります。
 
今回は、長い反物の両端を張って染めるための引き場と呼ばれる工房で、着物づくりを感じられる引き初めの技法を習って、反物を染めてみましょう。
 
そこでは、自分で刷毛を動かして、色を刷り込む、その楽しさを五感を動員して知ってほしいと思います。
 
さらに、染めるだけで飽き足らない人は、着物を縫うプロである仕立屋さんに和裁を習って、自分であずま袋を縫う事もできます。
 
自分で染めて、縫って、作ったあずま袋はきっと思い入れも二倍に。けれど、縫うのはイマイチ苦手、、、という方にはお仕立てのサービスもあります。なんて親切!
 
さらには、縫わずにそのままてぬぐいや、包み布として、あるいは切ってハンカチに使ってもOK。その変幻自在さも着物の心ですからね。
 
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さて、こちらの染め屋さん。名を「染めの里おちあい」といいますが、創業100年の歴史を誇ります。
 
実はこの「染めの里おちあい」は、以前、てならい堂と一緒に型染め体験「染め屋塾」を開催していた「二葉苑」が、100周年を機に組織を株式会社から一般社団法人にリニューアルした工房なんです。
 
率直に言って、着物産業は斜陽の産業です。
 
需要が減り続ける中で、けれども着物の文化と、そしてそこに連なる染めの技術を次世代につないでいこうと考えた時、先代の小林さんは、今まで通りの利益を追及する会社のカタチでは、もう成り立たないのではないかと考えました。
 
そんな時、かつてこの土地で栄えた染色産業を「地域の宝」と呼んでくれる、地元の人たちとの繋がりに小林さんは改めて気づき、この染め屋を「地域の染め工房」として譲り渡し、地域の人たちの手で次世代につないでいくことを思いついたのです。
 
失いたくない技術をつないでいくために、外に討って出るのではなく、改めて地域に根ざすことを選ぶ。
 
てならい堂もこのおちあいの取り組みを、ずっと応援し続けたいと思っています。
 
一方のあずま袋を縫う体験も、「染め夜塾」以来ずっと和裁教室をご一緒している、現役の仕立屋さんによる和裁ユニット「ツヅクキモノ」にお願いします。
 
彼女たちも、職業として着物をつくる傍ら、その着物がずっと続くことを願って、和裁教室や着物を広める取り組みを、長く続けています。
 
着物の未来を考える人たちと、いつかは着物そのもののてならいを、とも考えていますが、まずは身近な道具を染めるところから始めることにします。
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 今年、てならい堂は、買う、使う、捨てるのサイクルから脱したいと思います。
 
そのための第一歩として、使い捨てをやめて、捨てないお買い物袋を持つ。
 
それは、手作りを奨励して、つくり手を否定することを意味していません。
 
着物をつくる工房を借りて自分で染めることによって、私たちは「使い捨てない着物の精神」を生活に取り入れることができるのではないでしょうか。
 
そして、その精神を学ぶのに、日頃ものづくりに打ち込むプロのつくり手の力が必要だと思うのです。
 
染めの体験でも、手作り体験でもなく、これは着物の精神を体験するてならいです。
 
なんてこと言ってますが、参加したみなさんの感想は多分、いや、間違いなく「楽しかった!」だと思います。笑
 
創業100年を迎える染め工房で、染めの技術の現代の生活への新しい活用を、楽しみながら体感してみませんか。

今回は色も柄もみなさんの自由に。 写真上段の6色から
好きな地色を選び、下段の8色を差し色として、お好きな
柄をつけてください。

サンプル。奥は2色に染め分けて、真ん中をぼかした感じに
縫わずにてぬぐい状のまま。手前2つは地色を引き、差し色
を自由に入れてあずま袋にしたてたもの。


今回はこちらの生地を染めます。40cm×120cmです。

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あずま袋を縫うときは和裁の基本、 運針で。初めての人でも
優しく叩き込んでくれますよ。代わりに縫ってもくれます。


内容 :

・幅約40cmの反物生地を、お好きな色と柄で染めます。仕上がった生地は洗いと乾燥を経て、1週間後の発送(もしくはお引き取り)となります。

・ご希望の方は、染め上げた生地を、和裁であずま袋へ縫い上げるワークショップに参加できます。

・また、自分で縫いたくない!という方は、講師であるツヅクキモノさんにオーダーすることもできます。

・縫わずにそのままの形でのお渡しもできます。

日時 :

染め体験:2020年3月14日(土)10時〜11時半目安(作業進捗によって前後します)
和裁体験:2020年4月5日(日)10時〜12時半目安(作業進捗によって前後します)

価格 :

・染め体験:サポート会員4,500円/ゲスト5,500円(共に税抜)

・(オプション1)和裁体験:4,000円(税抜)
・(オプション2)あずま袋お仕立て:3,000円(税抜)

・配送日は別途実費(370円)。現地でお支払いください。

持ち物 : 

・染め物体験へはエプロンをお持ちください。
・和裁へご参加の方は、裁縫セットをお持ちください。裁縫道具をお持ちでない方に、「和裁スターターキット」(1,600円+税)もご用意しております。こちらは会場でのお渡しとなります。

定員 :  8名
場所 : 

染め体験:染めの里おちあい 東京都新宿区上落合2-3-6
和裁体験:にっぽん てならい堂 ひみつの小店
東京都新宿区横寺町30(眼鏡屋さんの2F)

その他注意事項:

※現地までの交通費等はお客様ご自身でのご手配、ご負担となります。
※準備の都合上、キャンセルは1週間前迄とさせていただきます。
※スマホからお申込いただく際に、クレジットカード決済通信中に通信が途切れてエラーとなるケースがあります。カード決済をする際は、電波の安定した状況で行って下さい。