こんにちは。てならい堂スタッフの松本です。

神楽坂の小店に隣接している、登録有形文化財「一水寮」。今回はこちらで初めてのダーニング教室を開催いたしました。

国民的財産の建造物「一水寮」。趣のある空間で穏やかな午後の時間。

ほつれた毛糸の靴下や、穴のあいたニット、ついてしまった染みなどの上から、織物の様に縫い上げることで繕う「ダーニング」。 目立たない様に直すのではなく、好きな柄として縫い上げ、あえて目立たせる“装飾”ダーニングとも言われる手法を、講師のクロシェター(かぎ針編み作家)の赤星友香さんに教えていただきます。

はじめに、みなさんの自己紹介から。

ご参加いただいた皆さまに理由を伺うと、「“ダーニング”という言葉を知って興味を持った」という方や、「マッシュルーム(キノコの型)をどうやって使うのか気になって」という方、「何度かお家でやったことがあり、真四角で目が詰まってしまう」というお悩みも聞かれました。

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まずは、赤星さんにダーニングの説明をしてもらい、ダーニングマッシュルームを使って、軍手にダーニングを施していきます。
初めに織物のように縦糸を通していきます。皆さん、案外最初のひと針目の刺す位置が心配のようで、一人ずつ先生に見てもらいながら確認していました。

縦糸を縫い終えたら、次に横糸を縦糸を拾うように交互にすくいながら通していきます。

上下上下と交互に横糸をくぐらせます。

上下上下と交互に横糸をくぐらせます。

横糸をちょっとずつ針でグイッと押しながら目を詰めて縫い、綺麗な四角になっています!

横糸をちょっとずつ針でグイッと押しながら目を詰めて縫い、綺麗な四角になっています!

皆さんのそれぞれのペースで練習しダーニングに慣れていきます。 ひと通り穴を塞ぎ終わった後は糸始末。

糸端を裏の糸に割り入れる留め方や肌に当たらないのであれば玉結びで留める方法も可。

糸端を裏の糸に割り入れる留め方や、肌に当たらないのであれば玉結びで留める方法も可。

2回目は、持参されたセーターやTシャツにチャレンジする方も! なんとなく手順が分かって、やってみてわからないことの質問タイムに。「Tシャツを繕うのはどんな糸がいいですか?」という質問には、「糸は繕いたいものとなるべく材質を合わせて選ぶといいですよ」と赤星さん。Tシャツの様な布帛の綿素材には、刺繍糸の6本取りをあえて3本取りにして細めに糸を調整することで、馴染みがよく仕上がるとの事!

繕いたいと持参されたTシャツ。小さな穴が。。

繕いたいと持参されたTシャツ。小さな穴が。。

穴を3箇所繕うとカラフルな糸と洋服のデザインが馴染んで素敵な仕上がりに!

3箇所繕うとカラフルな糸と洋服のデザインが馴染んで
素敵な仕上がりに!


参加者の方から、「ダーニングしたことはありますか?」と私にご質問いただいたので、子供のズボンの穴を初めてダーニングしたこと、糸の種類によって横糸を通すことがとても難しかったことを思い出しお伝えしました。

子供は「真似したがりの教えたがり」。例えば折り紙は、どうやって折るのか上手な人を見てすぐやってみる。そしてまるで自分ができていたかの様に「これはね、ここを折るでしょ〜、ほら…完成!」と自信たっぷりに伝えます。笑

子供の学びはこの繰り返しですが、覚えるスピードも速いんですよね。
私も先生の手作業を真似てみるという“てならい”を通じて、皆さんに私自身の経験も含め手仕事の楽しさ難しさをお伝えしていけたらと本能的に(?)感じているのかもしれません。大人になってずいぶんと経ってますが…!

皆さんも、今回学んだダーニングを誰かに伝えてみたり、繕いながら身につけ続けることで、より思い出深いものになれば素敵だな、と思います。

ご参加いただいた皆さま、赤星さん、ありがとうございました!