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今回「だし」について教えてくださるのは、株式会社ミカコーポレーションから野中 美香さん、山平水産から野中 晃広さんのお二人です。

静岡県沼津市で70年続くだしの原料となる節の生産をはじめ、水産加工業を営んでいる有限会社 山平水産。昭和21年創業です。

野中 美香さんは、平成5年から山平水産にてだしの原料の節の製造に携わり、本当においしいだしの魅力をもっと多くの人に伝えたいという思いで、2014年に株式会社ミカコーポレーションを設立しました。

「おだしカクテル」「だしっぷす」など、天然のだしのおいしさを最大限にひきだした製品の企画・開発・販売をしています。

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沼津の港では以前は年間さばだけで数万トンという漁獲量がありました。しかし、ここ510年の間で顕著に魚がとれなくなったそうです。

それは10年くらい前から海外の缶詰業者の参入が増えたことや、漁船の性能が大幅に向上したことによる乱獲などが大きな理由に挙げられます。

そして0.5℃水温が変わると魚の種類・プランクトンも変化するそうです。北海道では今イカが獲れなくなりスルメがつくれなくなったり、小笠原諸島では熱帯地域で見るようなカラフルな色の魚が獲れたり、日本の海も日々変化が起きています。

沼津の漁港では昔、四季により獲れる魚が変化していたのだと言います。春は「真鰯」、夏は「宗田鰹」「室鯵」、秋冬は「サバ」などさまざまです。しかし今では1年中サバやいわししか獲れない年もあるのだとか。

そのような中、水産加工業を続けられなくなる会社も多くあり、300社程度あった水産加工業者も今では50社弱になってしまったと、晃広さんは話をしてくれました。

この事実に直面したタイミングで、野中さんご夫婦は大量生産をやめ、素材と向き合い、素材を丁寧に扱い、製法にとことんこだわるため、株式会社ミカコーポレーションを設立し商品企画・開発を行う方向へ転換していきました。