新潟のお味噌屋さんと。米どころの味噌が美味しいのは必然でしょ。

雪深い新潟、団四郎味噌の佇まい。

雪深い新潟、団四郎味噌の佇まい。

辺りも真っ暗な早朝5時。団四郎味噌の仕込みが始まりました。

辺りも真っ暗な早朝5時。団四郎味噌の仕込みが始まりました。

ひとくちに味噌といっても、その種類は様々。八丁味噌など、中京地区を中心に作られている、豆麹を使った豆味噌があれば、九州、四国で作られる田舎味噌とも呼ばれる、麦麹を使った麦味噌もあります。でも、やっぱり一般的なのは、米麹を使った米味噌。

日本の味噌の8割はこの米味噌だそうで、よく知られているところでは信州味噌、西京味噌、仙台味噌など、全国各地で作られています。

今回はこの米味噌を仕込みますが、お招きする糀屋団四郎味噌さんは、新潟は新飯田地区で80年続く味噌屋さん。

米味噌の原料は、大豆、米、塩ですから、米どころのお味噌が美味しいのは自明の理ですよね。

古くはこの地区の農家でも、手前味噌の言葉のとおり、自宅で味噌を作るのが一般的だったそうです。

やがて時代は移り変わり、近隣の味噌を団四郎が一手に引き受ける様になりましたが、変わらず昔ながらのやり方にこだわり、その製法を家族で守ってきました。

あるいは、規模を拡大することを追わず、家族で続けてきた小さな味噌蔵だからこそ、守れるやり方なのかもしれません。

 

味噌蔵4代目当主の想い。一度は知ってほしい本当の味噌の味。

神聖とすら思う、味噌を仕込んでいる最中の団四郎の味噌蔵

神聖とすら思う、味噌を仕込んでいる最中の団四郎の味噌蔵

講師を務めてくれる団四郎4代目の藤井康代さんに会いに、てならい堂は新潟の団四郎味噌を訪ねました。

雰囲気ある商店街から、ナビでは追いきれない様な小道を辿って、ようやく見つけた団四郎さんの味噌蔵。

現当主(3代目)が割と最近、改築した味噌蔵は、広くて清潔感のある空間です。

けれど新しいとは言え、使われている道具や設備が持つ、素朴で雄大な雰囲気はピリッとしていて、やはり歴史を帯びた神聖さを感じずにはいられませんでした。

あ、味噌蔵がひんやりしているということもあるかもしれませんが。。

味噌の本当の姿を知るために、いつか、この味噌蔵を訪れてもらえる機会を紹介したいと思っています。

今回は、より多くの人が参加し易い、東京での出張ワークショップとなりますが、そこで4代目が伝えたい想いとは何なのか、聞いてみました。

「今、みなさんが日常手にするお味噌は、スーパーで1kgのパックに入ったお味噌。

スーパーなど現代の流通形態に合わせるために、お味噌には色んな添加物が入れられたり、その製法も工夫されてきました。

けれど、そもそもお味噌は古来より保存食でした。

冷蔵庫にいれる必要も無いし、カビが生えるのも当たり前なのが、本来の味噌なんです。

現代になって、大きく変わってしまった味噌ですが、昔ながらの製法の味噌の美味しさや本来持っていた魅力といったものが、私が今回一番伝えたいことです。」

てならい堂も、古いものや古いやり方であれば全て良いことなんだ、とは思っていません。

ただ、古来からの歴史や、そこに含まれる先人の知恵を学ぶことは、私たちが変化の時代を暮らすにあたって、とても大切なことの様な気がしています。

それを知った上で、次の世代に何を残して、伝えていくのかを考えなくてはならないのかもしれません。

だから今回、藤井さんのお話を聞き、そして一緒に手を動かす体験を、より多くの方に経験してもらいたいと思っています。