「和食」は2013年にユネスコの無形文化遺産に登録されたことは記憶にも新しく、世界的にブームにもなっているほど人気だそうです。その背景には、素材を活かした調理方法や行事・季節などとの関わりがあることが評価されているほか、栄養バランスがとれて「健康的」「ヘルシー」という印象がもたれていることが関係しているようです。

その和食、馴染み深い定食にも、ちょっとかしこまった雰囲気の会席料理にも、世界的に人気なお寿司にも、決まって「お味噌汁」がついてくると思います。

日本人ならば和食を食べるとき、汁物を一番先にたべる、という作法を一度は耳にしたことがある、もしくは実践したことはあるのではないでしょうか。では、その理由を知っていますか?

理由は諸説ありますが、お箸の先を最初に湿らせお米の粒がこびりつくのを防ぐためという事などがあります。その理由の1つに、汁物に入っているだしが人間の満腹中枢を刺激して、主食・副菜と適度なところで満腹を脳に知らせし、過食を防ぐ役割もあるのだとか!

過食を防ぐということは、食べ過ぎを抑えて太りにくくしてくれるということです。こんな身近なところにダイエットの知恵があっただなんて驚きです…!

汁物を一番先に食べる、というのは昔の人がつくった作法で現代では関係がない、思い理由もちゃんと考えたことなかったですが、身体のことを考えて実践されていた食事の仕方だと知り、「一汁三菜」は大切なことかな、と思い始めました。

20170426_002-2

また、だしには”塩分のとりすぎを抑えてくれる”効果もあるそうです。健康的なイメージがある和食の一番のデメリットは塩分過剰なところだと思います。塩分のとりすぎは腎臓の負担となり、高血圧や脳卒中などの病気のリスクも引き起こしやすくなるそうです。

野中さんのもとを訪ねた際、天然の羅臼昆布と削りたてのかつお節を使ってひいただしを試飲させていただきました。そのだしはまだ塩を入れる前だったのですが、しっかり味がするのです。

普段つかっている粉末だしは塩や味噌を入れないと薄いな、と感じるのですが、その場で頂いただしは昆布と鰹の味がしっかり立っていて、それだけでスープのような美味しさを感じました。

天然の素材をつかってだしをひく、ということが減塩に繋がるという理由がよくわかる体験でした。だしは美味しいだけではなく、身体にもいい影響を与えてくれるなんて、ますます興味がでます。

20170310_110