【てならい後記】深める金継ぎと初めての蒔絵教室(割れ編)第六回
こんにちは。にっぽんてならい堂の松本です。
虚空庵さんでは、季節の移ろいを感じさせてくれる設えが皆さまをお出迎え。
さて、6回目の「深める金継ぎと初めての蒔絵教室(割れ編)」は、前回の「粉蒔き」の上に、漆を塗る「粉固め」の工程に入っていきます。
粉蒔き後の器は「蒔きっぱなし」と言われる状態。
この上に薄く均一に漆を塗り、研ぎ出すことで「平蒔絵」という金属粉が輝きを放つ状態にしていきます。
まずは、毛棒を使い余分な粉を掃き出します。周りについている不要な粉はホワイトガソリンで取っておきましょう。
竹串で粉が固まっているか確認して、慎重にはみ出した上塗りの漆を取り除きます。(下地は取らないように注意!)。
そして、丸筆を使って黒漆を粉の上に薄く均一に伸ばすように塗っていきます。
塗り終えたら、ティッシュを押さえやすいように折って、塗った線の上を軽く押さえます。面を替えてまた置き直し指で撫でる。この作業をもう一度繰り返します。
せっかく薄く塗り伸ばした漆を取ってしまうの?と思ってしまいますが、ちゃんと漆はついているので安心して良い、と行庵先生。
一方のブローチとお箸には、螺鈿はどこへ?と思うほど黒漆がしっかり塗られて乾いた状態。ここから丁寧に研ぎ、磨くことでさらに輝きをました姿で現れるというから不思議です!
ペーパーやすりで貝の上の出っ張りを乾研ぎし、次にスポンジやすりで水研ぎを全体に。
埋もれた貝は1粒ずつ丁寧にカッターで出してから研ぐと研ぎ破りにくいので、チェックしていきます。
コンパウンドで磨きをかけていくと、細かい夜光貝の透明感ある輝きを放ち始めました。どんどん輝きを増す様子に、磨く手が止まりません。楽しそう!
こちらのブローチは螺鈿と銀箔仕上げ。
次回はついに最終回。皆さんの「金継ぎ」と「螺鈿」の完成が今から楽しみです!