【てならい後記】町の染め屋が育てる、藍の生葉染めワークショップ。8月
みなさん、こんにちは。てならい堂のリムです。
今日は一日そんなに暑くない気がします。もちろん今日私はずっとおうち時間だったからかもしれないですが 笑。とはいえ、先週までは本当に朝10時からもう部屋の中もサウナのように蒸し暑かったのに、今日はクーラーもつけていないのになんだかんだ過ごしやすかったです。(もちろんすごく汗はかいたんですけどね 笑)
さて、8月29日には「染の里おちあい」さんの工房で染めのワークショップがありました。
てならい堂(ひみつの小店)がある神楽坂からそんなに離れていないところに「染の里おちあい」さんの工房がありますが、私は落合という町に行ったのが今回が初めてでした。川が流れる静かな住宅街のような印象が強くて、「こんなところに100年歴史の工房がある?!」と思いながら歩いたんですが、すみません。本当にありました!笑
さらに落合の周りは「染の里おちあい」さんだけではなく、染めの歴史が長いようで、毎年染めのイベントとかも多いみたいです。
マンションとマンションの間に少し低い建物が「染の里おちあい」さんの工房なんですが、なんか周りと違う時間が流れてうような感じでした。さらに中に入ってみたらなんと美しい模様が染められている長い布(反物ですね)が飾られていて、たくさん写真を撮ってしまいました。
あとで聞いてみると、なかなか外にでれない世の中ですし、今年の夏は花火大会も全て中止になったから、ここにきてくださる方々に少しでも夏を楽しく楽しめるようにしたかったという「染の里おちあい」さんのスタッフの皆さんの配慮でした。浴衣を着て、布と布の間で写真を撮るとすごい映えるらしいですよ。皆さんもぜひ!夕方には線香花火もできるみたい…浴衣着て行きたくなりますね。
ここからはワークショップの話に入りたいと思います。ではワークショップ始めますよ!
今回は「絞り染め」という技術で柄を作って、藍の生葉だけを使用してスートルを染めました。普段の藍染めの色といえばとても濃い目の紺色ですが、生葉だけだと水色に近い、みるだけでも涼しさを感じられる色に染めれるんです。
そして絞り染めは輪ゴムとかビー玉を使って生地を絞って柄をつける技法なんですが、今回のスートルには元々少しデザインが加えられているので、生地に特に模様を入れずに藍の生葉色で染めるのもOKです。ですが、せっかくなのでやはり絞り染めの味もアクセントとして入れた方が、より楽しいですもんね!
輪ゴムを引っ張ってしっかりと結ぶとそこには染料が入れないので、染められないで生地の色のままになります。逆にゆるく結ぶとその分だけ少しずつ染料が浸透しやすくなり、薄く水色に染まります。しっかりと色の差をつけたい時には、糸を布に通してもっとギュッとさせて色が全く浸透させないようにするようです。
そしてもう一個、ビー玉でも柄を作ることができますが、生地の中にビー玉を入れて輪ゴムで絞ると円の形の柄ができます。これも先お話したようにきれいにドレープを作りながらしっかりと絞らないと円形じゃなく四角になってしまうのでよく絞るのがコツですかね。
余談ですが、特に今回はお子連れのお客さんもいらっしゃいました。難しかったり危ない過程は一切ないので、藍染めのワークショップはお子様でも楽しめると思います!
にっぽん てならい堂は次の世代にもいいモノを贈りたいというビジョンも持っていますが、この可愛らしいお客さんにお越しいただけて、とても嬉しかったです。お二人はこの日、何を感じられたんでしょうかね。どうかいい思い出になりますように。
ワークショップの話に戻りますと、いよいよ染めの段階に入ります!好きなだけ絞った生地をまずは水に寝かしておきましょう。こうすることによって布に色がちゃんと入り込んでいきます。
その間、染料を用意しなくちゃですが、なんと、藍の生葉を100枚!とります。あらら、結構多いでんすね。「染の里おちあい」さんには藍の鉢がたくさんあって、そこで気に入りの葉を選んでひたすら摘みます。今年は梅雨が大変長くて「藍の枝が異常に伸びたりしてしまった」とおっしゃいました。普段はこんなに伸びないようですね。
皆さんは生葉採集に夢中ですね。後ろでその姿をじっとみていましたが、とても楽しそうに見えて私も一緒に盛り上がりました。
いよいよ集めた生葉を水を少しいれ、ミキサーにかけて液状にします!かけた後に網袋に入れ搾るんですが、これがなかなか力作業だと。最後の最後まで力入れて搾っていきます!
その藍の染料に薬品をいれて、10分くらい生地を寝かします。全体的にちゃんと染まるように動かしながら染めていきます。それが終わったらようやく柄の正体がみれます!ドキドキしますね。本当に絞り染めは染めて開けてみないとどうなっているか想像できないですよ。
お!いい感じに染まりましたよ!同じ輪ゴムを使って結んでも縛られている生地の範囲や輪ゴムのテンションなどによって全然違う柄になるんです。そこがやはり絞り染めの醍醐味ではないかなーと。
全部出来上がって最後は干すだけです!今はまだ緑緑なんですね。今回は参加者二組に分けて染めたんですが、色の違いに気づきましたか?真ん中の2枚と外側の2枚がそれぞれ別の組なんです。
どの鉢から葉を撮ったのかにもよるし、それぞれの葉の栄養分とか、天気とかいろんなところから影響を受けてそれぞれの色になるんですって!自然素材からの染めの技法ですし、やはり一枚一枚全部違うモノになるわけですね。すごい。
さらに2〜3日くらい時間が経つともっと青色になるんですって!本当に面白いし、不思議ですね!ちょうど、この記事を書いているのがワークショップの2日後なんですが、もう色変わったんでしょうかね。こんな暑い夏には室内と外の温度が全く違いますから、このストールが役に立つといいですね。
これで藍染のワークショップの後記はおしまい。ご参加してくださった皆さん、そして染の里おちあいさん、お疲れ様でした。ありがとうございます!