皆さま、こんにちは。アマノです。連載2回目となる今回は、「金継ぎ」の始まりのお話です。金継ぎって、そもそもいつ頃から始まったものなのかご存じでしょうか。

そのはじまりは14世紀~16世紀の室町時代。お茶の世界で始まったとされています。割れてしまった器の金継ぎをした箇所のことを「景色(けしき)」と呼び、本当は割れてしまってマイナスになりがちなところに美を見出し、愛でて楽しんでいました。

現代でも一般的に、人はどうしても悪い部分を良い部分と捉えることはなかなか出来ないと思うので(ことわざで言うと「あばたもえくぼ」でしょうか)、何百年も昔にそんな感覚で物を見ていたとは、とても粋な文化ですよね。茶道の世界では、お茶を美味しくいただくためのあらゆる茶道具が存在し、丁寧な所作で扱います。そういった道具を大切にするところと、日本人独自の美意識が融合して自然に発生したものなのかもしれません。

西洋でも陶器の修復技術はありますが、いかに元通りに見せるかという部分に重きを置かれており、海外では金継ぎのような修復方法は見当たりません。西洋の修復技術は、あくまで見た目の復元を目的とし、実際の使用には耐えられないものが多いようです。修復に使用する材料も、エポキシ樹脂など化学的なものが中心です。

その一方、日本の金継ぎ、特に本漆を使って接着したものはがっちりくっついて取れませんし、漆という素材自体、一度乾くと酸やアルカリなどにも強く、実用には十分耐えうる素材です。それに器は食事中口を付けたり手で触れることも多いので、天然の素材を使って直した方が体も気持ちも良いものです。(特にお子さんがいる方は安心ですよね)

自分で直した器の「景色」を楽しみながら頂く、食事はなんとも言えず楽しいものです。

3か月という長丁場にはなりますが、「この器に何を盛って食べようかな…?」と考えながら、金継ぎに取り組むのもワクワクして楽しいかもしれません。(私はよくやります…)

みなさんも金継ぎの基本、いっしょに探しませんか?

よく使う道具たち。まだまだあります。

よく使う道具たち。まだまだあります。

漆と糊。

漆と糊。


漆は空気にふれるとドンドン色が濃くなっていきます。

漆は空気にふれるとドンドン色が濃くなっていきます。

細いヘラで押しこむように刻苧を付けて。

細いヘラで押しこむように刻苧を付けて。