こんにちは。てならい堂スタッフの松本です。

日差しがまた暑く照りつける中、木陰の風はちょっとだけ涼しく感じられ、ほんの少し秋の気配を感じました。

今日は粉蒔きの工程。全7回の教室の中でもドキドキとワクワク感のある日です!初参加の方にはもちろん、行庵先生が丁寧に蒔き方を教えてくれます。毛棒蒔き、粉筒蒔きの話の中で、生徒さんから「毛棒って何の毛ですか?」と質問があり、「これはイタチの毛ですよ。」と、道具が何で出来ているのか、毛棒に漆が付いてしまった時の対処方法なども交えて教えていただきました。

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【割れ編の工程】中塗りを研ぎ、上塗りと粉蒔きをする。ブローチの螺鈿と卵殻を仕上げる。

仕上げ前の最後の研ぎ作業。真剣にそして慎重に研ぎ進めます。フチを研ぐときは減りやすいので気をつけつつ、丸く研げるように意識します。

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きれいに研いであるのをチェックしてもらい、これから上塗りしていきます。

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漆を塗る際のルールは、縦横と漆を伸ばすように塗り、仕上げの刷毛は横に通して終わるようにするのがお約束。これを「漆を配る」と表現するそう。

これから初めての金継ぎで金仕上げをされる生徒さんは、金箔と金継ぎで使う丸粉の違いや、金粉が日本の専売特許という話を行庵先生に教えてもらいながら平蒔絵の知識と技術を体験しながら理解を深めていらっしゃいました。

金粉仕上げの上塗りは、朱漆で線を書いていきます。少しはみ出してしまいましたが、先生から薄く塗れているかを確認してもらいつつ、金が出来るだけ沈まないように漆を薄くしていきます。

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錫粉仕上げは黒漆で上塗りをしていきます。少し太めに入ってしまった…と拭き取り。気を取り直して再度線を引きます。

ヒビの線が細くて難しいんです!

ヒビの線が細くて難しいんです!

いよいよ、粉蒔きです。まずは道具の説明から。毛棒・粉筒・粉鎮・粉匙…。普段聞き慣れない言葉ばかりですね。。

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錫粉を粉筒で蒔いていくとマグカップの内側に少し塗り残しがあり、「あぁ。。」と声が出てしまいました。そのまま放置してしまうと、中でダマになって固まってしまうので粉を蒔いたら必ず毛棒で払うことが大切です。

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塗り残してしまったフチや中塗りの線のキワを再度塗り重ね、粉が蒔いた後にまだら模様に沈んできたら、再度蒔いて仕上げます。漆は1〜2時間は乾かないので漆が滲んできたら固まる前に蒔いておきましょう。

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蒔くまでの上塗りがとても大変だったので、粉蒔きに入ったところで私も感動してしまいました。

本当に…お疲れ様です!

本当に…お疲れ様です!

そして螺鈿のブローチも大粒と微細な粒の絶妙な配置でこの輝きに。

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【欠け編の工程】中塗りを研ぎ、上塗りと粉蒔きをする。

午後の欠け編も工程は同様です。

教室で使用する錫粉は、行庵先生の焼き錫丸粉と極細錫粉を混ぜたものを蒔くのですが、仕上げで研ぎ出した時に、均一な粉の中に異なる粒子が入っていることでよりきらめくのだそう。

私は錫粉を蒔いた後の、金色に近い落ち着いた色味がとても好きですが、粉固めをして磨き上げるとまた違った色合いになっていく。そんなところも魅力だと思います。

粉筒蒔きでは「蒔きたい箇所をうまく狙えない。。」という生徒さんに、「狙って飛ばせるようになったら凄いこと!」と先生。その通りですね!!

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金粉仕上げでお直しする器は少量の金粉ながらも、やっぱり緊張感が漂います。。粉筒を使うのは初めての方でしたが、トントンッと上手に指を使って蒔いていました。

朱漆を薄く塗れたので、少し金が余り今日の工程大成功です!

朱漆を薄く塗れたので、少し金が余り今日の工程大成功です!

前回の色漆仕上げで朱漆を塗った器が、一度の塗りでとても綺麗な艶感のある仕上がりとなりました。

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色漆と卵殻に挑戦するこちらのブローチ、「ケロッ」と鳴き声が聞こえてきそう?!

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今日の作業はここまで。

次回も、蒔いた器がどう変化していくか楽しみです!

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