こんにちは。にっぽんてならい堂の松本です。

9月も半ば。ふと見上げたこの日の夜空には、中秋の名月が輝いていました!

そんな季節の変わり目に折り返しの4回目を迎えた教室では、仕上げに向けて本来2回目の漆を塗る作業を進めていくのですが、前回の錆研ぎと下塗りが上手に仕上がって、盛り上げ漆(行庵先生ならではの漆)を使った効果もあり、縮まずにとても綺麗で先生も驚く程でした。

「とても綺麗な下地なので、全体にツヤ消しになる様に塗った漆を軽〜く研ぐくらいで大丈夫ですよ」と、行庵先生。

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研いだあとは中塗り無しで上塗りの工程にスキップし、粉蒔きへと進めていきます。 色漆で仕上げる場合は、今日と次の2回漆を塗っていきます。

仕上げに朱漆を選ぶ生徒さんが今回は多く、鮮やかな赤に気持ちも明るくなりました!

柿のマグカップに差した朱色はとても器に似合ってました。

柿右衛門のマグカップに差した朱色はとても器に似合ってました。

こちらは白漆で仕上げる湯呑み。ベージュに近い色味で、上品な印象もあり素敵です。色漆で仕上げる場合は少し厚めに盛るイメージで塗っていきます。

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一方、錫粉で仕上げる方は黒漆で上塗りをして、粉筒を使って蒔いていきます。粉筒から錫粉が出てきているか不安になりながら、普段は使わない中指の筋肉を駆使し…一生懸命蒔いていきました。

無事に蒔き終えることが出来ました!

無事に蒔き終えることが出来ました!

髪の毛一本分塗り残してしまった線が粉蒔きで現れてしまい、そこに再度漆を塗ることの難しさに心が折れそうになる生徒さん。 もちろん、一回で綺麗に塗り残しなく上塗りできれば嬉しいことなのですが、頑張って引いて残った微かな線だからこそ、難易度が上がってしまうんですよね。 やはり技術のいる作業だと改めて感じます。

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本来は銀粉仕上げの予定だったところ、黒漆ではなく朱漆を塗ってしまったことから、押し箔仕上げで金箔を次回貼ることになった金縁の器。新たな提案が生まれました!

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行庵先生の教室では、「絶対こうしなくてはいけない」ということはあまりなく、作業と器の状態を都度確認しながら「こういう方法もありますよ」や「案外この方がきれいに仕上がりそうですね」とアドバイスくださるので、どんどん質問したり挑戦してみてほしいと思います。

粉の陰影がグラデーションのように表現できる蒔きぼかしの「研ぎ出し蒔絵」という技法もあるそう。

粉の陰影がグラデーションのように表現できる蒔きぼかしの「研ぎ出し蒔絵」という技法もあるそう。

ブローチとお揃いのピアスにも黒漆を塗っています。さらに小さく細い木地に繊細な漆の線がキラッと光って綺麗です。

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次回は粉固めと色漆の2回目。アクセサリーの蒔絵もどんな表情になるか楽しみです!

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