こんにちは。スタッフのひとみです。

大阪発祥・堺の「注染手ぬぐい専門店 にじゆら」の伝統技法をフルコースで楽しむ体験。
てならい堂で数年前に開催していた注染ワークショップが、この度復活しました!

開催されたのは「注染手ぬぐいにじゆら 染めこうば東京店」。ものづくりの街『2k540 AKI-OKA ARTISAN』 の一角。秋葉原~御徒町駅間高架下にある素敵な空間にお店があります。

2k540 AKI-OKA ARTISAN

伝統の技法に触れて、注染の世界を楽しみました。初めての体験に皆さんワクワクが止まらない感じでした。教えてくれたのは、にじゆらで注染の経験を重ねてこられた小島さんです。

まずはどんな柄に仕上げるか網の型選びから。このあと染めない部分に糊を置くマスキングのような作業を施していきます。この糊の事を防染糊といって、注染の作業の要となる大事なパート。「糊置き10年、染め5年」と言われているそうです。

さっそく糊置きの作業からスタートです。左官職人のように網の型の上に糊を置いていきます。ここで使う糊は『ふのり』といって海藻から作られており、磯の香りが漂っていました。まるで海辺にいる様!なんて声も。てぬぐいの生地に型を当てて糊を置き、外して生地を畳んで叩いて、また型を当てて糊を置く、を繰り返し、蛇腹に折り畳まれ幾重にもかさなった生地にしっかり糊をつけていきます。注染のクライマックスはまだまだ先!ここ、地味~に大事な工程です!がんばりましょう。

ふのりは磯の香りがしました。今日は状態がいい!と小島さん。

ふのりを木べらで型に乗せてのばしていきます。

さあ、いよいよ注染の醍醐味。にじみを計算しながら染める部分に土手を作っていきます。今度は糊を絞り袋に入れて染めたい部分を糊で囲って部屋を作り、2色にするときはさらに部屋を仕切るイメージ。糊置きは無心でやっていましたが今度はどんな色にしていくかデザインを考えながら土手の糊を絞り出していく、あれやこれやと悩みながらパティシエのように絞り袋を使って楽しい時間は過ぎていきました。

そしてやっと、染料の出番です!じょうろのような専用の器具を使ってを注いでいきます。こうやって染料を注ぐから『注染』。しっかりと型で糊を置いて重ねた生地に染料を注ぐと、糊のついていない部分に染料が染み込んで上から下まで一気に染まっていきます。

最初の型で糊を置いたところがずれてると、ここでにじみが出来てしまいます。万が一、そうなってもそれはそれとして味のひとつとなって素敵な作品になります。今回は皆さんとても上手に糊置きが出来ていたので、そんな心配は不要でした。しっかりと選んだ型の柄が出て、色分けの部分も面白いにじみが出ていてグラデーションが綺麗。唯一無二の作品に仕上がりました。

やってみて、初めてわかった注染の世界。最後の染料を注ぐ前の土手を作る作業、こうやればよかったとか、こうするにはどうしたら?など終わってからも質問が尽きず、もう一回、やりたい!今度は要領がわかったからこうしたい!という声も多く、またお会いできることを楽しみに、今回のワークショップは終了です。最後に頑張った自分にみんなで拍手!

脱水したてでシワ シワですが、色はバッチリ入りましたね。丸い模様が宇宙の惑星のよう。注染の道具柄もPOPな仕上がりに。

カラーチップは七夕の短冊のよう。カラフルなパンダの色分けも可愛く仕上がりました。笹の細かい所もバッチリ!

最後に小島さんが染めたてぬぐいのお土産がありました。糊付きの状態なので、スペースの関係で体験できなかった、糊の水洗いをお家で体験してもらおうという粋なはからいでした。柄が2種類あるのでお好きな方をどうぞ~。

生地がグレーなのは糊がついているから。ふのりの色です、水洗いで真っ白な生地に戻り、染めた柄もくっきり浮かび上がります。

てならい堂神楽坂ストアに飾ってあるので見に来てくださいね!

次回の開催は10/22(水)です。注染の世界を覗いてみませんか?ハマること間違いなしです。

にじみ、ゆらぐ『にじゆら』の手ぬぐい注染フルコース体験 – てならい堂