神楽坂の路地奥でひっそり開店している、てならい堂 ひみつの小店。

ひみつの小店は、私たちがモノを手に入れることを見直す”きっかけ”のお店。そして、日本の地域のモノづくりにつながるの”入り口”お店でありたいと思っています。

ふらっと立ち寄った際に気軽に体験してもらえる「有田焼の豆皿づくり」のワークショップを開催します。感染症対策のため、8月は各回1組限定(1組最大4名まで)での開催です。

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体験内容は、とても簡単。けれど実際の現場で使われているのと全く同じ技法です。

有田焼のお皿に、自分の好きなよーに、水で濡らした転写紙を、滑らせながらお好みの場所に貼っていくだけ。

失敗したら貼り直せば良いし、一度の体験で二枚のお皿が作れますので、小さなお子さんでも、危険なことは何もなく、お気軽に参加していただけます。

あとはこちらでお預かりして、有田の窯元へ送って焼き上げてもらって完成!焼き上げることで、洗っても引っ掻いても落ちない柄として定着します。

商品としてお店で売られているお皿と全く同じく、二度の焼成でしっかりお皿としての強度が保たれますので、焼き上がりまで1ヶ月程度お待ちいただきますが、自分自身がものづくりに携わってる期間として、待ってる期間ごと楽しんでいただければと思います。

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数ある日本の焼き物産地の中でも、ひときわ有名な有田焼。みなさんはどんなイメージをお持ちでしょうか。

白っぽいイメージ、高級なイメージ、、、うん、きっとそんな感じと思います。笑

やきものには陶器と磁器がありますが、てならい堂のざっくりとした理解は、陶器が陶土と呼ばれる粘土を使った”土っぽい”ものであるのに対して、磁器は陶石と呼ばれる石を使った”ガラス質”のやきもの、といったイメージです。

有田焼は佐賀県有田あたりで焼かれる磁器のこと。

1616年に、磁器の原料となる陶石が発見され、日本で初めて磁器が焼かれた産地となりました。以来400年を超えて続く伝統技術なんです。

この天然の陶石の特徴が透き通る様な白!かつて伊万里港から出荷された有田焼はヨーロッパを席巻し、数々の名ブランドに育ちました。

この白さ、歴史、実績が有田焼の高級感の所以なのだと思います。

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今回のてならいは、有田町の産地商社「KIHARA」さんにご協力いただいて開催しています。

「KIHARA」さんは、400年の伝統技術と先人の想いを大事にしつつ、現代にあった様々なスタイルの器を制作されています。

転写紙の柄も、KIHARAさんのオリジナル。人気のHANAシリーズの花模様と、2016年の有田焼400年を記念して、有田の名所と風景や焼き物の道具をアイコン化して作られたArita Iconのシリーズから、お好きな柄を好きなだけ組み合わせて、豆皿をつくることができます。

なお、今回の体験はおひとり2枚ですが、オプションで豆皿の追加や、もうちょっと大きい直径14.5cmの取り皿サイズへの交換や追加もできますよ。(豆皿の直径は10.8cmです。)

何かと自由度が高い体験なのです。

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さて、実は。KIHARAさんとはてならい堂店主は長いおつきあいなのですが、出会った頃からずっと変わらず、有田焼の伝統を次世代につなぎ、町の産業を守るために、本当に積極的に、そして本質的な活動を続けてらっしゃるつくり手さんです。

早いうちからのネットへの対応、海外展開、東京でのアンテナショップ「KIHRA TOKYO」の開設やワークショップを通じて生活者の声を聴くことなど、商売の大小ではなく、続けていくことにつながるかどうかという視点で取り組まれるその姿勢に、「ああ伝統って変えていくことなんだな」ということを、てならい堂はKIHARAさんから学んだのでした。

そして、有田焼とともに地元有田という土地を愛するKIHARAさんたちは、やはり有田に来てもらいたいと願っています。

思えば、てならい堂が2013年にオープンした際、最初に募集した”てならい”のひとつがこの有田の地で開催されたものでした。

モノを作っている現地を訪れ、つくり手と話し、その土地の空気ごと五感で感じて、その物語ごと生活に持ち帰る、というのがてならい堂が思う理想のモノの手に入れ方。

近いうちにいつかまた有田でてならいを開催したいという野望を抱きつつ、ご一緒してくれる仲間を少しずつ集めたいな、と。その意味でも、まずはたくさんの人に、神楽坂の小店で手軽に、けれども本格的なモノづくりの一端にどうか触れてみてもらいたいと思います。

 

過去に開催した際の体験レポート「てならい後記」を記載しています。気になる方は是非ご覧ください。

【てならい後記】ひみつの小店で有田焼の豆皿づくり。1月。