【てならい後記】はじめての金継ぎ教室2020秋〜4回目〜
こんにちは、てならい堂スタッフの加茂です。
11月ももう後半ですが、例年よりずいぶん暖かい気がします。冬のつき刺さるような寒さが待ち遠しい気持ちと、もう少しこのまま暖かくてもいいような気持ちがせめぎあっている今日この頃です。
今回は、染の里・おちあいで開催している秋の金継ぎ教室の4回目です(前回までの後記:1回目・2回目・3回目)。「埋め」の作業がようやく終わり、今回からは「塗り」の作業に入っていきます。
まずは、前回までの埋めの過程ではみ出てしまっていた漆を彫刻刀とやすりを使って削り取っていきます。
彫刻刀は、けっこうガリっと削れてしまうので、大まかに彫刻刀で形を整えたら、あとはやすりに水を少し付けて、磨くように綺麗にしていきます。
これがけっこう力と集中力のいる作業。固まった漆はけっこうガッシリこびりついているのです。そして、器の形に綺麗に馴染むような形を目指しながら、削っていく必要があります。漆の面積の大きい欠けなどは特に、削り加減が難しそうでした。
器ごとに、先生がアドバイスしてくれるので、それに沿って少しずつ慎重に削り進めていきます。「手がとても疲れる…!」と休憩やストレッチをはさみながら、進めていく方も。
削りの作業が終わったら、いよいよ塗りの作業に入っていきます。
まずは、筆の練習から。アクリル版に図案を貼ってそれをなぞることで、手ならしをします。筆はゆっくりと動かし、一筆書きというよりも少しずつ対象を動かしながら、線を引いていきます。漆が厚すぎると、きれいに乾燥せずガビガビとした表面になってしまうので、ちょっと薄いかな、くらいがちょうどいいそうです。
こちらもかなり集中力と神経を使う作業。ふーっと息を整えてから、作業に入っていく姿が印象的でした。
図案で筆に慣れてきたら、いよいよ本番。器に漆を塗っていきます。
「緊張する…!」「手が震えそう」と、練習してもやっぱり本番はドキドキしますよね。
「内側すごく難しい!」と、深めのお椀やカップを修理している方は、さらに苦戦しているようでした。
「ちょっと太くなっちゃった…」「あ!はみ出しちゃった!」との声も。でも、先生から「修正できますよ!」と頼もしい声が。綿棒にベンジンという液体を染み込ませて、余計な漆を拭き取ります。
厚くなってしまったところや、はみ出たところは綿棒&ベンジンで修正しながら、少しずつ慎重に塗り進めていきます。みなさんのものすごい集中力が教室全体に満ちていました。
今回はこれで、1回目の塗りは終了。乾燥させた後に、さらにもう2回塗り重ね、最後の塗りが乾かないうちに金属粉で仕上げていきます。
やっと、金継ぎっぽさが、見た目に現れてきた今回。全7回の教室も折り返し地点です。作業中は、黙々とすごい集中力で取り組まれていましたが、空き時間には、乾燥・保管のためのフロや湿度のことなど、今後お家で修理する場合のこともいろいろ質問が飛び交っていました。
「前は捨ててしまっていたけど、これは捨てないで、修理できてよかった。」「それに、これからはもう捨てなくていいですしね。」というお話をしてくれた方も。
器は使ってこそですが、使う頻度が高いほど、割れたり欠けてしまう頻度も上がるというジレンマ。でも、自分で修理できると思えば、お気に入りの器もどんどん使っていけそうです。
「割れちゃっても、まあ私直せるし!と思えるから(だいじょうぶ)。」と、梅澤先生。なんてかっこいい姿勢だろうか…!私も思いたい。笑
「私直せるし!」まで、あと3回。次回からは本格的に寒くなってきそうなので、参加者のみなさんは暖かくしてお越しくださいね。
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