こんにちは。てならい堂スタッフのなこです。

夏の終わりのような、秋の始まりのような、そんな日々が続いていますね。
みなさま体調など崩されていないでしょうか。わたしは秋が大好きなので、訪れを今か今かと待っております。
のんびり過ごして参りましょう。

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さて今回は、全7回の金継ぎ教室の2回目。金継ぎの「埋め」の工程に入ります。
「刻苧(こくそ)」というパテ状のものを使って、欠けの部分を埋めていきます。

1回目の様子もぜひご覧ください。)

割れた器の本体と破片は、上新粉でできた糊と生漆を混ぜ合わせた、「糊漆(のりうるし)」で接着します。
欠けた部分は、糊漆にコクソ綿(麻の繊維)と、地の粉を混ぜ合わせた「刻苧」で欠けた部分を埋めます。

なんだかチョコレートのテンパリングみたいでだんだんと美味しそうに見えてきませんか?(笑)

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接着の際、割れた箇所には全て「糊漆」を塗ります。塗る量は薄すぎず、厚すぎず。
梅澤先生がわかりやすく見本を示してくださいました。

「塗りすぎですか?」、「薄すぎますか?」と、先生に確認していただきながら塗っていきます。
塗れていないような気がして不安にもなりますが、塗りすぎるとあとで行う「削り」の作業が大変になってしまいます。
教室だと、先生が事前に不安や大変な部分を掬いあげてくれるので、安心ですね。

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そしていざ接着の時は、一度「ここだ!」という場所に接着後、ジリジリと微調整します。
漆は瞬間接着剤のようにすぐに固まるわけではないので、小さなズレが無いかを指先で確かめたり、絵柄のズレも目で確認しながらここでしっかりと時間をかけて合わせておきましょう。

これが意外と難しく、割れたパーツが大きかったり、複数だと調節も難しくなるようです。
教室で割れのパーツを3つまで、とさせていただいているのはここの難易度をあげすぎないためでした。

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漆も生き物と同じように、呼吸をしています。そして、呼吸できる状態だと、固まって接着剤としての役割を果たしてくれるそう。
なので、最初に空気を含ませながらコクソ綿と混ぜ合わせたり、マスキングテープに隙間を作ってあげます。
そうすることで、漆が「固まるぞ!」と、やる気を出してくれるみたいですよ(笑)

欠けを埋める作業は、一気に埋めてしまうと「刻苧」が中まで乾かなくなってしまうために、焦らず、数回に分けて行います。
そして水分が蒸発すると少し凹むそうですので、その分はまた次回、埋めていきましょう。

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そしててならい堂では、おまけの可愛いタイルでちょっとお遊びもしちゃいます!
お好きな2色を選んで、こちらも「糊漆」を塗って接着しておきましょう。
何ができるのかはお楽しみに。

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今日塗った漆は3週間~1か月かけてゆっくりと固まっていくそうで、器たちは「漆風呂」に戻り、皆さんとの再会を待ちます。

次回は今日の内容をちょうど忘れかけた頃の開催ですが、また埋めの工程をおさらいできますので、ご安心くださいね。
少し間が空きますが、また次回みなさまお会いできるのが楽しみです。