【金継ぎ】今日が初めましての金継ぎです。
春からスタートする全6回金継ぎワークショップ。「みんなの金継ぎ」と名前をつけました。
てならい堂はみなさんより一足お先にアマノさんから金継ぎを学んでみなさんにご紹介していきます。みんな金継ぎは初めてなので、「割れ」と「欠け」で挑戦していきます。
金継ぎのベースは漆。だから漆のことを知る事はとても大切なのです。
漆は、漆の木の幹に傷をつけて樹液を採取します。人間でいうところの血液をいただいているようなもの。固まるとすごく接着力があり、水や熱にも負けない自然界に存在する美しく強い素材なのです。そのことを知ると、金継ぎのベースに漆が使用される理由がわかります。
今日は主に「割れ」のおはなしを。
下準備として金継ぎする器は、綺麗にしてよく乾燥させておいてください。それから漆は器の材質や仕上げによっては一度ついてしまうと落ちないので、器の表面に漆がしみ込む可能性がありそうな器はサランラップとマスキングテープで養生をします。下準備が完成したら、本日の工程のメインになる糊漆(のりうるし)を作っていきます。
この糊漆の糊の正体は、実は上新粉を水で煮て作られたもの。お団子をつくる粉ですよ!その糊をヘラで練り、粘り気をだしていきます。(※糊は水を入れて煮ておかゆ状にしたご飯でもOKです)ヘラの使い方のポイントは船をこぐように滑らかに前後に動かすことだそうです。粘り気がでてきたところに、生漆を同量混ぜさらに約10分程練ってゆきます。こうして糊漆が完成します。
この糊漆を器の断面に縁取るようにつけていきます。本体にも欠片にも両方つけます。
糊漆をつけてから20分から30分ほどおき、糊漆が乾くか乾かない状態で器を一気に接着します。(最初はヘーゼルナッツ色だった糊漆の表面がチョコレート色まで濃くなってきていました。)
その後、目打ちなど先が尖ったもので接着した器のずれがないか確認。さらにずれないようにマスキングテープで固定して漆風呂にいれます。そして約3週間ほど動かさないようにして乾燥させます。
漆風呂とはムロとも呼ばれ、漆を乾かす(硬化させる)ための工程に必要な道具です。乾く前の漆に埃は厳禁!埃除けの機能もあります。漆風呂は大体20度くらい、湿度70%~80%くらいが好ましいので、お水を張ったバットを入れたり、ぬれたタオルを入れるなどして、湿気を与える必要があります。
今日の工程はここまです。
約2時間あっと言う間でした。「漆はいきものです」とアマノさん。こうしている間にも漆が一生懸命欠片と欠片とくっつけてくれているのです。3週間後が楽しみです。
次回は「欠け」の下地調整から。お楽しみに!
みなさんも金継ぎの基本、いっしょに探しませんか?
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てならい堂では、本漆をつかった本格的な金継ぎを楽しんでいただくための道具がすべて揃ったアマノさん監修の「金継ぎキット」を販売しております。ご興味お持ちの方はぜひこちらもご覧になってみてくださいね。