こんにちは。にっぽんてならい堂の松本です。

草木が喜ぶ梅雨ですね。虚空庵さんの入り口ではqivacoさんの鮮やかな緑がいきいきと迎えてくれます。

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4ヶ月間、訪れる度に季節の移ろいを感じさせてくれました!

さて、最終回の「深める金継ぎと初めての蒔絵教室(割れ編)」。
(前回までの工程はこちらから→第1回第2回第3回第4回第5回第6回

これまで共に学んだ生徒さん同士、金継ぎの状態を見せ合ったり、ご自宅で金継ぎを復習しながら使ってみた道具の共有などのお話しされる様子に、仲の深まりを感じられとても嬉しく思いました。

黙々と作業する中でも、生徒さん同士が作業の失敗や成功を共有できるのは教室の良いところ◎

黙々と作業する中でも、生徒さん同士が作業の失敗や成功を共有できるのは教室の良いところ◎

さて、今日の作業工程は、最終仕上げの「胴摺り・磨き」です。

まずは、粉を固めた上を、スポンジやすりで段階的に乾研ぎしていきます。ライトに当てて、キラッと光るところは山のトップ。全体にやすりがあたってないところが無い様に研いでいきます。

番手の荒い1200番→1500番と研ぎ破りに注意しながら磨きます。

番手の荒い1200番→1500番と研ぎ破りに注意しながら磨きます。

スポンジやすりで磨いただけでこの輝き!この後、磨き粉でさらに磨き上げていきます。

スポンジやすりで磨いただけでこの輝き!この後、磨き粉でさらに磨き上げていきます。

漆がはみ出した余分な線は竹串で取り除きます。下地と間違えて削らないよう気をつけます。

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「磨くのは簡単」なんとなくそんな気持ちになりそうですが、初めてこの作業をされた方の中には、「研ぎ破り」を経験した方も案外多いのです。。

線の真ん中を研ぎ破り下地の黒が見えてしまいました。。

線の真ん中を研ぎ破り下地の黒が見えてしまいました。。

最後の最後まで気を抜けない、金継ぎの奥深さを感じました。けれどその難しさを身をもって感じられた経験こそ、とても重要なのだと思います。

そして最後の仕上げ、「磨き粉(コンパウンド)」を指で塗りつける様にしっかりと磨いていきます。ここでも、必ず下から支えながらバキッと割れないように注意が必要です。

脱脂綿で拭きながら、最後に余分な粉をティッシュで拭き取ります。

脱脂綿で拭きながら、余分な粉をティッシュで拭き取ります。

磨き上げると金属粉が輝きました!

磨き上げると金属粉が輝きました!

器は錫粉の蒔絵、螺鈿に金箔仕上げのブローチが仕上がりました!

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これまで沢山の工程を経てついに完成を迎えた、皆さんの金継ぎの器とブローチをご紹介します!

割れが細かく大変な作業でしたが、無事に完成したマグカップと器。感慨深いです…!

割れが細かく大変な作業でしたが、無事に完成したマグカップと器。感慨深いです…!ブローチの螺鈿も素敵です。

花器と湯呑みの金継ぎ。

錫の渋さが加わった花器と、娘さんの湯呑みの銀粉仕上げ。モノとヒトを大切に思う気持ちが感じられます。

「これは見事な仕上がり!」と行庵先生からお褒めの言葉が。

「これは見事な仕上がり!」と行庵先生からお褒めの言葉が。白地に金継ぎの線が映えますね。

同じく螺鈿のブローチも磨いて、それぞれご希望の仕上げを施しました。生徒さん同士で、一緒に並べて完成を喜んでいらっしゃいました♪

同じカメリアの螺鈿でも、銀粉や漆の仕上げ方で印象がガラッと変わりますね。

同じカメリアの螺鈿でも、銀粉の蒔き方や漆の仕上げ方で印象がガラッと変わりますね。

4ヶ月間ご参加いただいた皆さん、行庵先生ありがとうございました。

皆さんの生活に金継ぎの技術を取り入れることで、日常に彩りがまた一つ加わったのならば嬉しく思います。