こんにちは。にっぽんてならい堂の松本です。

皆さんは花粉は大丈夫でしょうか?!何を突然?と思われた方。今回は“くしゃみ”が大敵な螺鈿の会なんです! マスクはしているのですが、突然の「ハックション!」にはご注意を。細かな螺鈿飛んで行きます。。

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室内でこの枝振りの桜を堪能できる、贅沢な空間。

さて、3回目の「深める金継ぎと初めての蒔絵教室(割れ編)」は、前回錆漆で埋めて接着した器を磨くところから始めます。

接着したとはいえ、まだまだ脆い状態であることを念頭に置いて、水をつけたスポンジ研磨材で優しく磨きます。

磨き具合は、真っ直ぐもしくはちょっとふっくら目に。

磨き具合は、真っ直ぐもしくはちょっとふっくら目に。

器の凹面は特にへこんで見えるので磨きすぎに注意。凸面は逆にふくらんで見えるという違いを知っておくと磨き加減の調整もしやすいかもしれません。磨き終えたらティッシュで表面を拭き、きれいに整えておきます。

その後、黒呂色漆を細い筆でさしていきます。2回漆を塗るため、今回の作業は「下塗り」。 今の器の状態は例えるなら砂利道で、これから漆を重ねることで平らなアスファルトの道に近づける作業をしていくイメージです。漆が縮むというのは、作業の中で一番の大敵。できる限り漆を厚く塗るのですが、厚すぎても縮む現象が起こってしまう。。この加減が漆芸作家の腕の見せ所なんだとか。漆は天然の素材ですので、採れた地域により個性も様々。それぞれの特性を知って経験を重ねてこそ、しっかりとした下塗りが出来るんですね、深いです「漆の世界」。

漆の線は“かまぼこ型”のアーチを描く線を意識するようにと、行庵先生。

漆の線は“かまぼこ型”のアーチを描く線を意識するようにと、行庵先生。

上から下へゆっくりと細い線を書く練習。

上から下へゆっくりと細い線を書く練習。

ここでのポイントは、漆の厚みを持たせつつ少しずつ線を書くこと。そうすることで、“かまぼこ型”の線に。 この“かまぼこ型”の線が書けたかどうやって分かるの?と疑問に思うはず。 そこで、光の反射を利用し厚みのある線かを確認します。上手な“かまぼこ型”になっている線はキラッと光るのでわかるとの事!

特別な「根朱替わり筆」を使って、綺麗な線が書けています。

特別な「根朱替わり筆」を使って、綺麗な線が書けています。

皆さんこの筆の書きやすさに驚いた様子。

皆さんこの筆の書きやすさに驚いた様子。

次は、いよいよブローチやお箸に螺鈿を施す工程に入っていきます。 黒呂色漆を螺鈿を施したい箇所に塗ります。木のブローチは漆を吸って乾くので少し厚めに塗り、お箸は下塗りがあるため適度に塗って竹串の先に水を付け、螺鈿一粒一粒を選び取ります。

今日一番の黙々タイム。集中力が素晴らしいです!

今日一番の黙々タイム。集中力が素晴らしいです!

螺鈿の粒を置く時のポイントは、

①施したいもの(ここでは箸やブローチ)の正面を決める。

②夜光貝に光を当てて上から光る貝の粒を見つける。

③大きい粒・小さい粒をおり混ぜつつ、輝きを生かすように置いていく。(塵のような小さな粒を効果的に使うことが重要!)

スクエア型のブローチに夜光貝の螺鈿。

スクエア型のブローチに夜光貝の螺鈿。

完成イメージを落とし込むセンスが試されます!輝きが絶妙!!

完成イメージを落とし込むセンスが試されます!輝きが絶妙!!

難易度高めの桜柄ブローチ。こちらはアワビ貝の螺鈿。

難易度高めの桜柄ブローチ。こちらはアワビ貝の螺鈿。

今週はここまで。次回も引き続き漆の線書き、螺鈿の粒と向き合います…!