座布団って、わたを詰めて作られるんですよね。京都の座布団屋さんを舞台に、この綿入れから自分で縫うところまでやって、座布団を完成させるワークショップです。

昔は一家に五枚、そして自分達で「打ち直し」もしていた座布団ですが、座布団の無い家も増えていますよね。

洛中高岡屋の職人さんに教わりながら、座布団に自分でわたを詰めてみるという体験を通じて、改めて日本の文化を見つめ直してみませんか。気づくことはたくさんあると思いますよ。

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一枚の座布団にこれだけの量のわたが入ってるとは!!

こちらのワークショップでは、座布団のわた入れをやってみます。が、これがやってみると思ってるよりも難しいー!

選べる座布団の生地は厳選した13種類から。今回はダイニングチェアやスツールの上にも敷ける、40㎝角もしくはφ40㎝(円形)の座布団を作ります。少し小さめなのがかわいいですよね。

生地は日本の伝統色を使ったシンプルな10色の織物、もしくはテキスタイルデザイナー・安原ちひろさんによるファブリック3柄からお好きなものを選んでください。

さらにオプションとして、同じ色柄の座布団を、高岡屋の職人に仕立てもらうことができます。自分が作ったものとプロが作ったものの違いは、私たち自身もびっくりするくらい分かっちゃいます(笑)。その違いを知ることで、両方の座布団にあなた自身の価値や愛着を見つけて欲しいと思います。

ワタ入れを終えた後は、「絎(く)け」と呼ばれる、ワタ入れ口の手縫いの工程もご自身でやってもらいます。これまた実際にはなかなか大変な作業。和裁の心得があっても簡単ではないようです。(どうしても苦手な人は、、、職人さんが助けてくれるかも?)

「絎け」が終わると、中心の「綴じ」をつける工程へ。この三方綴じは京座布団ならではなのですが、ぐっと座布団らしい可愛らしさが出てきます。

こうして見事、マイ座布団は完成です。自分でつくった座布団、座るのがもったいないなんて言わないでくださいね。

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こちらは丸いパターン。かわいいです。

座布団はうちには無いよー、という方も増えていると思います。てならい堂が知りたいことの一つは、なくなりかけているその道具は、本当に無くなっちゃってもいいのかな、ということです。

座布団はわたを詰めて作られるんですが、その良し悪しは、詰めた最初の段階ではなくて、座って潰れた後にバランスが良く座り易い座布団こそが良い座布団だとして、職人はその座り心地のために技を競っています。

つくり手が座り心地を考えてくれているということに、私たちは、普段なかなか思いは及びません。自分でつくってみることで、気づける物語があるんですよね。

やがてわたは潰れ、徐々に減ってきますが、この中のわたを足したり、ほぐしたりして再度ふっくらさせることを「打ち直す」と言います。

かつては、多くのおうちで布団や座布団の打ち直しがなされていましたが、今では家庭でそうした打ち直しの作業を見ることは、とても稀なことだと思います。

座布団にわたを詰めるという行為を通じて、使い捨てではなく、使い続けることができること、いや、使い続けることが当たり前であったということを、私たちは実体験として、思い出すことができるはずです。

そしてその体験があるからこそ、子どもの世代に伝えていけるのではないでしょうか。

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座布団に綿を詰める。昔、お母さんが、おばあちゃんが家でやってた!という方もいらっしゃると思います。そういう時代があったわけです。

このワークショップ、教えてくれるのは京都で100年続く洛中高岡屋さんです。東京で開催して欲しいという声も頂きますが、京都であることにも意味があると思っています。

実は座布団屋さんというのは新しい商売です。かつて座布団は、どこの町でもある布団屋さんで、布団と一緒に作られているものでした。しかし、布団の需要減などの理由で、町の布団屋さんは姿を消していきます。

高岡屋さんも元々は布団の製造をしていましたが、需要が減る中である時、商売を座布団一本に絞りました。その判断は、お寺や旅館など座布団をたくさん使う、おもてなしの文化が多く残る京都という土地ならではの判断だったのでしょう。

そして京都は職人の街でもあります。初めて高岡屋さんを訪れた時、こんなところで作ってるんだと、つくり手とつかい手の距離感に驚きました。普段観光ではなかなかみられない、京都の裏側を覗けることも、この体験の醍醐味です。

高岡屋さんといえば、こちらのおじゃみ座布団。伝統をモダンにアップデートしていくのも、つくり手さんの魅力ですね。

高岡屋さんといえば、こちらのおじゃみ座布団。伝統をモダンにアップデートしていくのも、つくり手さんの魅力ですね。

てならい堂店主の家に、数年前に自分で作った座布団が一枚あります。

ふと何気無くソファをおりて、床に座布団を敷いて座り、本を読んでいることがあります。なぜわざわざ座布団に座るの?と聞かれても困るくらいに何気無く、たまに座布団に座っている自分に気付きます。

足の位置を感じ、背筋を感じて、座る位置を直すとき、自分の体はいつもより身近にあります。ただ、そこに座る。座布団とは、とてもシンプルな道具ですね。

思い返せば、実家や祖父母の家には座布団があり、子供の頃はそこに座る機会がたくさんありました。だから、無意識のうちにわざわざ座布団を敷いて座っているのかもしれません。

座布団の意味を次の世代につなぐのかどうか、それは是非、あなたも現場で自分の五感を使って体験して決めてもらいたいと思います。 

何よりもその体験は、楽しい!ってのがまた、いいですよね。

今回作るのは、40×40cmの四角いお座布団。
チェアやスツールの座面にちょうどいいサイズ。

もしくは、直径40㎝の丸いお座布団も選べます。
コロンと可愛いいかたち。


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座布団は13柄からお選びください。

ベーシックな和色10色。左上から,とりのこ,うらはいろ,
もえぎ,かみやがみ,わすれなくさ。右上から,なのはな,
さとざくら,しょうび,ふじむらさき,きからちゃ。

色彩豊かな花のモチーフ。安原ちひろさんの3柄から。左から,Flower garden ,Sunny place ,barbara。
こちらの柄が選べるのはてならい堂だけです。