【てならい後記】深める金継ぎと初めての蒔絵教室(欠け編・割れ編)22年春。第5回
こんにちは。てならい堂スタッフの松本です。
東京梅雨入り宣言翌日。しとしと雨の降る神楽坂「ひみつの小店」では紫陽花がお出迎え。
第五回目の今日は、前回作業した中塗りを研ぎ、薄く均一に黒漆を塗る地塗りをした後、いよいよ「粉蒔き」です。
教室では、蒔絵用とされる「焼き錫粉」、錫粉の粒の大きさが異なる「細粒」と「極細粒」を、行庵先生がブレンドした錫粉を使います。仕上げで研ぎ出した時の輝きが綺麗に出る配合とのこと!より一層、仕上がりへの期待が膨らみます。
【欠け編】器とブローチの中塗りをやすりで研ぎ、黒漆で地塗りをした後「粉蒔き」に。
まずは、中塗りがしっかり乾いているか確認するところからスタート。
乾いた状態を確認できたら、研ぎ破らないようにスポンジやすりで乾研ぎをしていきます。ブローチはクリスタルやすりで水研ぎをし、乾かしておきます。
そして、粉を蒔くための地塗りに入っていきます。下地を残さないように、でもはみ出さず…がベストなのですが、髪の毛1本分の線が仕上がりの明暗を分ける、気の抜けない作業。
作業が難しい縁も丁寧に漆を塗っていきます。
何度か漆を塗ってきて、今日初めて「漆を引っ張る」という感覚が分かるようになりました。とおっしゃっる方も。
同じく、ブローチにも地塗りを。
先生から粉蒔きの道具の説明と使い方を教わり、これまで丁寧に漆を塗り重ねてきた器に、実際に金属粉を蒔いていきます。地塗りがとても上手だったので、ほぼ下地が見えずにきれいに蒔けていました。
「フチが少し残ってしまった。。」という事もありましたが、次回への学びになったと前向きな生徒さん。
欠け編はここまで。
【割れ編】器の中塗りをやすりで研ぎ、黒漆で地塗りをした後「粉蒔き」に。
欠け編と同様、次の漆がつきやすくする為にまずはスポンジやすりで乾研ぎの作業から。
続いて、黒漆の地塗りへ。割れの場合は接着した箇所の線が多くて地塗り作業はとても大変。今回は厚さは気にせず、塗り残しが無いように気をつけて塗っていきましょう。と行案先生。
粉の蒔き方を教わり実際にやってみてはじめて、先生の見本の様には指が思うように動かなかったり、粉の量もどのくらいが適切かなど、苦戦しながらも皆さん無事に蒔き終えることが出来ました。
一方、こちらのマグカップ。白漆で仕上げた飾り取手にフリーハンドで模様を描いていきます。
さらに、銀の細かな消粉を真綿で蒔きながら磨く仕上げに挑戦。摩耗には弱いけれど、ふわりと細やかな輝きが魅力的!
器物の大きさ・形・素材・割れ方…皆さん異なる条件で金継ぎを学んでいるので、きっとそれぞれに難しさや疑問があるはずです。教室という枠はありますが、行庵先生はいつも一人ひとり、一つひとつの器に適したアドバイスをしてくださいます。
相談しながら理解と経験を深めて、これからも金継ぎを楽しんでいきましょう!
次回は、「粉固め」です。“漆”ともっと仲良くなれますよ。