みなさん、こんにちは。てならい堂スタッフのリムです。
いつの間にか10月の後半ですね。ハロウィンが近づいてきて街中でカボチャがたくさん見えてます。てならい堂のひみつの小店がある神楽坂もカボチャ色に染まっていますね。なにか、小店でトリックオアトリートでもしようかなーとふと思ったりしました。笑

メガネ屋さんの二階にあるてならい堂にようこそ!やっとのれんもできて、店っぽくなりましたよ!

メガネ屋さんの二階にあるてならい堂にようこそ!やっとのれんもできて、店っぽくなりましたよ!

普段は水・土・日曜の13時から19時までひみつの小店は営業していますが、毎月2週目の火曜日の夜19時からは運針教室が開かれていますよ。

「ここ、秘密基地感すごいですね!位置が名前とぴったり!近くまで来て、めちゃ迷いましたよ!」と、笑いながらおっしゃった方もいました。そうなんですよね。本当に神楽坂でこっそりとやってます。

もし、まだ来ていない方はぜひ遊びに来てくださいね。では早速運針教室の様子を紹介します。

和裁スターターキットの箱をデコしています。かわいいですね、消しゴムスタンプ笑

和裁スターターキットの箱をデコしています。かわいいですね、消しゴムスタンプ笑

和裁の入門といえば、運針ですね。私も始めて経験しましたが、運針は名前通り、針を布の上でだんだんと運ぶような作業でした。ひたすら手を動かして右にあった針を左まで走らせるとかわいいステッチの跡が布の上に描かれるのです。とてもかわいいし、どんな色の組み合わせにするのかによって表情が全然変わります。

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そういえば、これも…ハロウィンっぽい!笑

今夜、運針のことを教えてくださるのは、仕立て屋ユニット「ツヅクキモノ」の林さんです。和裁歴がなんと16年、呼吸するように運針をしてる姿でもう圧倒されました。針と手が一体になったような感じで、すごいと思いました。では、今から運針の世界に入り込んでみましょう!

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最初は白い生地の上で何回か練習します。和裁・洋裁とわけますけど、和裁はそもそも解きやすくする縫い方なのです。昔の人たちは貴重な着物を長く使い、古くなったらその形を変えながら使い続けていきました。まっすぐな生地を直線で縫うことだけなので、使えないかたちのハギレが残ることもなかったのです。今回はその和裁の基礎である運針の技術を習い、小さいふきんを作りました!

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今回参加してくださった方々の参加動機は人それぞれでした。「学生時代には続けたけど忘れてしまって、またやりたいな」と思って参加した方とか「コロナで外に出るのも難しくなったから、なんなら運針習って、何か作ってみよう!」という意気込みで参加してくださった方もいました。

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最初、やり方をちゃんと覚えておけば、その後はもう”手に任せる”のがいいみたいです。茶道と似てるなと思いました。形が大事だと言われる茶道のように、運針も姿勢とか針の動かし方とかそういう形に慣れると頭で考えなくてもスムーズに行けるだろうなーと。

実際に縫う先に、和裁で使う針やゆびぬきなど、道具の説明から始めます。そして先生のデモンストレーションを見ながらまずは糸なしの針だけで練習します。人差し指と親指の動かし方とか、布の張り方とか。

林先生のをみていると簡単なようにみえるけど、実際にやってみると…結構難しいのです 笑。「思い通りに手が動かない!」と皆さんかなり戸惑いましたよね。

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色とりどりの糸が横に並んでるだけなのに、こんなかわいいなんて!

すこしずつ慣れてきたら、その次は糸を通して実際に白い生地の上に縫ってみます。でも、またしてもピンチです。真っ直ぐにぬえないし、ステッチも全然均等にならないし。自分で縫ったものをみて笑っちゃっいました。それでも、「かわいい!!!」という言葉が絶えなかった運針教室の夜でした。自分が作ったなのはかわいくみえてくるもの!

先生のものと見比べてしまうとどうしても縫い目が気になりますが、時間かけて練習するしかないので、とにかく手の動きに馴染ませるのが大事なんです。白い生地の上を三周くらい行き来したら、今からは本番です。

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かわいい柄のふきんづくりに入りましょう!いつもふきんづくりに使われるてぬぐいは「にじゆら」さんで注染で作られたものです。こちらのてぬぐいは、柄のズレなどちょっとした不具合があって、にじゆらさんで商品として販売できないもの。そのまま廃棄するのももったいないので、にじゆらさんではこれを、”注染育”として学校などに注染を伝えるための素材として提供しています。てならい堂でもこの生地を分けていただいて、運針教室で使ってもらっています。

それにしても、とてもかわいい柄の布がたくさんあって、悩ましい瞬間なのです。どの布にしようか、みなんさん結構迷いました。さすがにこれは迷うしかない可愛さなのです!

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ちくちくと、みなさんの手つきや縫い目がずいぶん安定してきましたね。最後に端の始末の仕方まで学んだらひとまず完成です。和裁は「解きやすいように縫っていく」のだと言いましたが、さらに「裏も美しく処理する」こともポイントです。三つ折りに折りこんで見えるか見えないかくらいで縫っていきます。

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運針教室は2時間程度で開催されてますが、運針の仕方を学んで、本番のふきんに3〜5周くらいまで針を進められる程度の時間です。ふきんが全部埋まるくらいまで縫うころには、もう運針の技術が身についているはずですよね。体を動かして覚えたのは一生のものになるから、何年後でも手が勝手に動いたりとかするかもですよ。

「白い生地の方も頑張って完成させて、コースターにしたい!」とか「みるだけでかわいいし、とても楽しかったです!」とおっしゃっていただきました。夜、知らない人同士で集まって、ひたすら手を動かし、なにかを作る時間。

茶道で使われる言葉に「一期一会」という言葉がありますよね。二度と繰り返されることのない、一生に一度の出会いであるということ。私には今回の運針教室がそんなふうにみえました。教わったことを大事にして、同じ場所に集まった仲間たちと話し合いながら、笑いながら、共感しながら、熱心になにか作っていく。「温かくて、いいなー」と思いました。

参加者のみなさん、林さん、ありがとうございました!

次回の運針教室は11月10日(火)開催予定です。気になった方はこちらからぜひチェックしてみてくださいね。