こんにちは、てならい堂スタッフの加茂です。

雨ばかりでジメジメした日が続いておりますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。

てならい堂では、お久しぶりの「和裁教室~はじめての運針~」を7月14日に行いました。密集を避けるため、限定2名での開催です。

「運針に始まり、運針に終わる」とまで言われる、和裁では基礎中の基礎となる技術である運針。
正直、縫うだけなのだし簡単そう・・・と、思っていたのですが(すみません)、やってみるとこれがなかなかむずかしいのです!

そんな和裁教室の様子をお届けいたします。

教えてくださったのは、仕立て屋ユニット「ツヅクキモノ」の林さん。和裁歴16年とのことで、空き時間にも、呼吸をするようになめらかな運針をされていました。見ている限りでは簡単そうなんですよね・・・

和裁で使う針やゆびぬきなど道具の説明を受けたあと、運針の手つきや針の運びのレクチャーをしてもらい、はじめは糸なしの針だけで、運針の動きを練習します。

布を張ること、ゆびぬきの使い方、人差し指と親指の動かし方、が大事なポイントなのですが、仕組みは理解できても、実際に手を動かすのが大変なのです。

「自分の手なのに、全然思ったように動かない!」と、はじめはお2人とも四苦八苦。あまりに手がうまく動かなくて、笑ってしまう場面も。

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手が少し慣れてきたら、次は針に糸を通して練習。糸があると縫い目が気になりはじめますが、最初はとにかく手の動きを覚えるのが大事!とのこと。
林さんの通っていた和裁学校では、毎朝必ず運針の時間があり、みんなで一枚の布を回しながら運針をしていたのだとか。意外と体育会系!

そんなお話をしながら、どんどん針を進めていきます。自分の中でリズムをとりながら進めるのも上手になるコツだそうです。

手つきがスムーズになってきたところで、いよいよふきんづくりです。

ここで糸こきの仕方を教わります。和裁では布の張りも大事なポイント。道具を使って、糸や布のたるみをぴしっととっていきます。

男仕立て・関西仕立てと呼ばれる、足指で布を引っぱって縫っていく技法。これで着物の背縫いなどをするそうです。かっこいい・・・!

男仕立て・関西仕立てと呼ばれる、足指で布を引っぱって縫っていく技法も見せていただきました。これで着物の背縫いなどをするそうです。かっこいい・・・!

みなさん、はじめに比べると、ずいぶん手つきもスムーズになり、縫い目も安定してきました。
それでもやっぱり、気になる縫い目。「ふぞろいでも、自分の縫い目だと、私こんなにがんばってる!って、かわいく思えてきませんか。」と林さん。たしかに、自分のがんばりが縫い目として見えると嬉しいかも。どうしても、はじめからうまくやりたい・・・!と、思ってしまいがちですが、できるようになる過程を楽しむって素敵な考え方だな、と思いました。

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最後に端の始末の仕方を教わって、ひとまず完成です。洋裁では裾などの始末はロックミシンなどで布端を留めるだけですが、和裁は「裏も美しく」。三つ折りに折りこんで見えるか見えないかくらいの縫い目で留めていきます。こちらも少しコツがいりますが、マスターすると浴衣や着物はもちろん、スカートなどの裾上げも綺麗に仕上げられます。

ここからおうちでさらに縫い目をふやしていくと、上達&ふきんも丈夫になります。

ここからおうちでさらに練習すると、縫い目も増えてふきんも丈夫になります。

ふきんの面が埋まるくらいまで縫うころには運針の技術がかなり身についているはず。一度身につけてしまえば、何年後でも手が覚えていて、一生ものの技術になるんだそう。すごい・・・!

手縫いで作られた和小物もいくつかみせていただき、身の回りのものを自分で手縫いで作れるっていいなあ、と思いました。林さんレベルだと、お直しなどもミシンを出すより手縫いしてしまった方が楽なんだとか。上達度がかなり上がると浴衣も手縫いで作れてしまうそうで、「自分で縫った浴衣で花火大会とかすごくかっこいい!」と盛り上がりました。

「おうちでもがんばってみます!」「すごく久しぶりに手を動かして、非日常みたいでした!」との感想もいただき、教室は終了。
少しでも手を動かしてなにか作ってみるって楽しいですよね。練習すればするほど上達していく運針。毎日のスキマ時間にちょっとずつうまくなっていくのもいいかも、と思いました。

参加者のみなさん、林さん、ありがとうございました!

次回は8月11日(火)開催予定です。気になった方はこちらからぜひチェックしてみてくださいね。