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自然由来の原料でできる和蝋燭(わろうそく)を手作りしてみませんか?

教えてくれるのは Yagi- 和ろうそく の青柳さん。24歳の職人さんです。

蝋燭(ろうそく)は一見とても身近ですが、和蝋燭 って掘れば掘るほど知らないことばかり。

溶けた蝋を手ですくい一層一層肉付けしていく「生掛け製法」で和蝋燭を作りながら、ディープな和蝋燭の裏側を楽しみましょう。

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みなさんは和蝋燭のことをどのくらい知っていますか。

お寺や仏壇などでは使われていますが、私たちがよく目にするもの、手元にあるものの多くはきっと西洋蝋燭ではないかと思います。

西洋蝋燭と和蝋燭の大きな違いのひとつはその原料です。
西洋蝋燭はパラフィンと呼ばれる石油系の原料が用いられますが、和蝋燭に使用される蝋の原料は、はぜ(櫨)の木(=はぜろう(櫨蝋))や大豆、米ぬか、蜂の巣など。芯の部分にはい草や和紙などが使われており、自然由来の原料からできています。
そのため、煙を吸っても喉が痛くならずまた煙・ススが出にくい、そして仏壇などの金箔を痛めにくいのが特徴です。

なるほど、和蝋燭とお寺などの装飾がある場所は機能的な面をみても相性がいいんですね。

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今回は、はぜ蝋を使い「生掛け製法」と呼ばれる手法で、蝋燭をつくってもらいます。
「手掛け製法」とも呼ばれるそうで、
キャンドルづくりのように型に流し込むのではなく、芯を回転させながら液状の蝋を手ですくい一層一層肉付けしていきます。

溶けた蝋の温度は大体40〜60度。青柳さんによると蝋の中に手を入れる感触は「形が変わる温泉のよう」とのこと!はぜ蝋の香りも相まって、本当にリラックスできちゃいそうですね。
また、和蝋燭づくりは温度管理が要。蝋・手・室内の3つの温度が蝋燭の仕上がりに影響してくるそう!
温度の変化で蝋の様子がどう変わるかにもぜひ注目してみてください。

蝋燭は円柱形が一般的ですが、職人によって作られる形は様々。整った形にする方もいれば独創的な形に仕上げる方もいるのだそうです。みなさんも今回は”うまく作る”にこだわらず、蝋燭づくりを楽しんだ先にできる各々の形をぜひ楽しんでくださいね。

当日は約2時間で2本の和蝋燭を制作していただきます。長さは約90mm、50〜60分ほど燃焼し続けられる長さです。

ちなみに、職人さんが同時間内に作る量は30倍以上の60〜100本。
職人には常に、短時間でどれだけ多くの数を質を落とさずに作るかが求められています。需要が減ってしまった今でももちろんそれは同じ。私たちは和蝋燭づくりをゆったり楽しみながら、そんな職人の技量の高さを肌で感じましょう。

今回は、ワークショップが終わったら青柳さんが作った和蝋燭を一本ずつみなさんにプレゼントします。
自分で作った蝋燭と職人さんの蝋燭、どんな風に灯るのか楽しみにしていてください。

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和ろうそくYagi- の青柳さんは、東京で唯一の和蝋燭職人として2021年に活動を始め、現在は京都と東京の2つの都を拠点に活動しています。

…そうなんです。少し前まで東京に和蝋燭職人はいなかったんです。

キャンドルは今の私たちの生活に身近で作家さんも多いけど、現在和蝋燭職人は全国に20名いるかいないか。電球の普及や、和蝋燭と比べて安価な西洋蝋燭の主流化により需要が低下したことが主な要因とされています。
また、和蝋燭職人が減ることにより、その前にいるはぜろうの生産量・生産者も減少、するとはぜろう自体の価格が上がってしまい和蝋燭の価格にも影響を及ぼすという問題にも直面しています。

和蝋燭業界が難しい状況に置かれている中、20代という若さで職人となった青柳さん。
普段は異業種の方とコラボしたイベントの開催や照明演出も手掛けており、同年代を巻き込みながら和蝋燭の灯りを「取り戻す」活動を行なっています。

音楽×蝋燭イベントの様子。奄美島唄の唄者と和蝋燭。

音楽×蝋燭イベントの様子。奄美島唄の唄者と和蝋燭。

そんな青柳さん、和蝋燭の知識は深く、時には意表を突かれる裏話もしてくれます。
例えば、「明治維新と和蝋燭」、「夜の街と和蝋燭」。
気になりますよね!青柳さんは日々面白いネタ・興味をそそられる話を貯めているので、他にもまだまだあるかも?

現代の私たちがこんな裏話を聞けるのも、技術とともにその歴史を語り継ぐ職人がいるからこそ。
自分たちのルーツであり、そう遠くないひいおじいちゃんくらいの世代の方々が何をしていたか語り継いでいきたい、と青柳さんは話します。

モノそのものへの向き合い方や原理に目を向けがちですが、歴史や背景を知ることでわたしたちはそのモノの”本当の姿”を見ることができるのかもしれません。

ワークショップ当日は、実際に蝋を触りながら先人の歴史と技術をみなさんにも継承してもらえたら嬉しいです。

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てならい堂スタッフの自宅にも、和ろうそく Yagi- の和蝋燭があります。
芯の先まで丁寧に仕上げられ、飽きのこない素朴な風合いが美しい蝋燭です。

火を灯すと、オレンジ色の長い炎がぱちぱちと音を立てながら風もないのにひとりでに揺れ始めます。その炎や、炎によって生み出される影を見ていると、本当に不思議なのですが、心のざらつきが取れて、心地いい。

和蝋燭を使用する時、感じて欲しいことはあるか青柳さんに聞くと答えは、「なし!」ですって!
「意味を持って訴えかけてくるものが多い中で、火はただそこにあるもので。向き合ってもいいし、向き合わなくてもいいと思っていて。無意味だから、意味をつけてもいいし、そのままでもいい。その包容力が火が持つ魅力だと思います。」

向き合わなくても、無意味なままでもいい。意味づけや理由づけをしたがる現代で忘れかけている感覚かもしれません。

感じたいように、使いたいように、無意味に、手作りの和蝋燭を灯してみませんか。

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