こんにちは、てならい堂のスタッフのまつもです。

第3回目のおさらいをしていきます!

前回までは接着だったりベースの素地作りをを行ってきました。

今回からは、面を整える工程に入っていきます。

仕上げの金属粉を綺麗に蒔くための大切な面を作る工程です。

【割れ欠け編】
前回は錆漆を付けました。今回は1回目の塗り。

まずは、前回の錆漆をスポンジやすりで余分に錆漆がついているところを研いでいきます。

凹凸を指で確認します。

凹凸を指で確認しています。指で凹凸を感じられるようになると綺麗な面が作れるようになりますよ♪

その後、根朱替わり筆を使って塗っていきます。
今回使う漆は厚みをつけて塗ることができる漆を使います。img_2044

今回は根朱替わり筆を使っていますが、本来は根朱筆というものが蒔絵筆として使われていました。現在ではなかなか手に入らなくなっています。そして、この筆に変わる筆が根朱替わり筆というものになります。

根朱筆:琵琶湖周辺に生息する野生のカヤネズミのわき毛を使っている。

根朱替わり筆:白猫の毛が使われえている。

筆には毛先の水毛と呼ばれる部分が最も重要で、一度切ってしまうと水毛はなくなってしまいます。筆先は大切に扱いましょうね。

蒔絵筆や、刷毛もですが漆全般の道具を作る人が少なくなっている状況です、道具を作る人がいなくなってしまうと漆の技術もなくなっていってしまう恐れもあります。日本の漆の技術がなくならないようにしたいですね…

今回は漆の塗り厚が厚いので乾燥剤を入れて1週間漆風呂の中に入れて置き、その後様子を見て乾いていなかったら湿しを入れて乾かします。

【蒔絵継ぎ編】
前回は2回目のコクソ漆をつけたので、今回は研ぎで形を整える事と錆漆の工程を行っていきます。

2回目のコクソ漆が乾いたところです。

2回目のコクソ漆が乾いたところです。

まずは、
荒いペーパーやすりで空研ぎで形を整える。230~320番くらい
接合部分がまだ弱いので手で支えながら作業を行います。

研ぐ部分が広いのでちょっと大変な作業です。

研ぐ部分が広いのでちょっと大変な作業です。

コクソ漆の場合はまだ漆の含有量が少ないため水につけると脆くなってしまいます。

今回は空研ぎを行いましょう!

ここで空研ぎと水研ぎはどう使い分けたらいいのか…という生徒さんも多いかと思います。

◎水研ぎと空研ぎの使い分け

空研ぎ:コクソ漆などの素地(ベース)の面を整えるときに行う。比較的に荒い番手のペーパーやすりを使うことが多い。

水研ぎ:細かい番手のペーパーやすりを使う時に水研ぎを行う。研いだ時に出る粉が目詰まりして研ぎにくいため水をつけて研ぐ。また、水研ぎは空研ぎよりも精度の高い仕事ができます。

↑教室中にもサラッと触れていたかと思いますが、こちらでもまとめましたので参考にしてください。

研ぎ終わったところです。

研ぎ終わったところです。

研ぎ終わったら凹んでいるところがわかると思います。

そこに錆漆を埋めていき漆を塗れる状態にします。

次は、錆漆を作っていきます。

こちらは、砥の粉です。

こちらは、砥の粉です。

錆漆は砥の粉と輪島地の粉(4辺地)を使います。

輪島地の粉を入れることで少し乾きが良くなるそうです。

漆を足して混ぜ合わせています。

漆を足して混ぜ合わせています。

刷毛で錆漆をつけていきます。

刷毛で錆漆をつけていきます。

表面が黒くなってきています。乾いてきている証拠です。

表面が黒くなってきています。乾いてきている証拠です。

錆漆は厚く塗りすぎないように、できれば2回、3回に分けてつけると失敗を防げるそうです。

今回はここまでです。

下地の工程がひと段落すると、塗りに入るので、仕上げをどうするか考えていきましょう♪

次回もよろしくお願いします!