てならい堂では自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらにさらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、季節ごとにテーマを決めて、取り組んでいます。

2022年 春のテーマは「つくり手とつながる」です。

つくり手とつながるとどんなことができるでしょうか。身近なところで、モノを作ったり、直したりしているつくり手さんがいますか?普段よく使ってる道具をつくった人を知っていますか。

「つくり手とつながる」を考えるために、
  てならいに参加してみる。
  てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
  自身の生活の中で見つめ直してみる。

それぞれのやり方で、皆さんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。

 「つくり手とつながる」4月の話題。

1)この道具は誰が作ったんだろう

2)実際に“つくり手とつなが”ってみる

・染の里おちあい・季節の草木で染めてみる、桜染め体験

・ヤマチク・竹のお箸

・正次郎鋏刃物工芸・包丁作り体験

3) “つくり手とつながる”について考えてみる(てならい365日のススメ


1)この道具は誰が作ったんだろう

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こんにちは。てならい堂スタッフのリムです。

2022年春のテーマは「つくり手とつながる」ですね。「つながる」について考える前に、つくり手について考えてみようと思ったら、2年前、岐阜にあるwoodpeckerさんの工房に伺ったことが思い浮かびました。

ネットでもお店でもよく「木のまな板はいい」と聞いてきましたが、いきなり買うには値段も結構するし、買ったとしても使ったこともないのにお手入れをちゃんとできるか、不安になって買うのを迷ってるところでした。その時にてならい堂がお世話になっているwoodpeckerの福井さんにお会いできました。

その当時、岐阜にあるwoodpeckerさんの工房で直接まな板を作る体験があり、スタッフでありながら申し込んで、岐阜に行きました。いつもメールではやりとりしてきたけれど、対面するのは初めてだったけれど、ひみつの小店で手にとって触ってみたそのまな板を作る人に間違いない!と確信できるくらい、穏やかで温かい方でした。

時間をかけて気に入ったイチョウの木の板を選んで、切て、削って、やすりがけて、完成させた、私のまな板!帰りはお土産とまな板で両手も重く、こころも喜びでいっぱいでした。作りながら福井さんにお手入れ方法についても教えていただき、2年が経った未だにも愛用しています。汚れたり、少し傷がついても福井さんに相談できると思えば、使う時にも「いつもつくり手さんが見守ってくれている」という気がして、もっともっと愛着が湧くのです。

自分が使っているモノを誰が作っているのか、その相手を知る事は大事だと思います。それは、できればそのモノをずっと使い続けるために相談をしたいから。「つくり手とつながる」について考えてみるこれからの3ヶ月、そのような存在を探しに出かけてみませんか?

みなさんが仲良くしたいと思うつくり手さんと繋がれるよう、てならい堂では様々な体験や道具をご用意しましたので、ぜひご覧ください。


2)実際に“つくり手とつながって”みる

・染の里おちあい・季節の草木で染めてみる、桜染め体験

昔から自然と季節と、寄りそって生きてきたわたしたちは、季節の花や草木が持つ色を使って、自分の身につけるモノを華やかに彩ろうと努力を重ねてきました。そして様々な花が咲く季節、春。たくさんの花の中でも、聞くだけでワクワクする「桜」で桜染め体験をご用意しました。

今回教えてくれるのは新宿区落合で100年に渡り着物の反物を染めてきた工房「染の里おちあい」さんです。

綺麗なピンクの桜の花びらを集めて染めるのかと思ったら、実は花の咲く前のつぼみの付いた小枝を煮出して、その中に眠る色を抽出して、原液を作り出すと、職人さんに教えていただきました。時間をかけてやっとでき上がった原液も、染める素材や、温度や湿度によっても仕上がりの色は変わるという、まさに生き物と対峙する作業を職人さんにゆっくり習える体験です。

春を先取る桜染めのストール、みんなで染めてみませんか。ご興味のある方はぜひ下のリンクより詳細をご確認くださいね。

■ 【てならい】季節の草木で染める、ストールの桜染め体験。4月


・ヤマチク・竹のお箸

てならい堂でもずっと、「箸ってどれがいいのかな」と思って迷ってたんですが、熊本の「ヤマチク」さんに出会い「箸って竹冠でしょ。日本の箸はもともと竹だったんです」という話を聞いて、そうだね竹がいいねってなりました。

ヤマチクさんは国内の竹を使ってお箸を作っているけれど、実際に竹をとる仕事はとても大変だそうです。竹取りの職人さんが「俺らみたいな儲からなくて損ばっかりしてる人がいないと、経済は回らない」というのを聞いて衝撃を受けたヤマチクさんは、ちゃんと彼らが食っていけるように、ブランディングして、ちょっとずつ高く買い取れるようにしていきたいといいます。

持ちやすいように、日常使うのが楽しくなるように、いろんな長さ、太さ、色などを工夫して、社内でアイディア出して商品開発してできたさまざまな竹のお箸。働いてるのは熊本の南関町というところのパートさんたち。製造工程に入ってるパートさん達が、自分たちが使いたい箸をアイディアを出していました。

つくり手が続けることは、つかい手の私たちが良いモノを手に入れ続ける条件。それが続いていくことを願って、てならい堂ではこのお箸をみなさんにご紹介します。

■ 【かいもの】ヤマチク・竹のお箸


・正次郎鋏刃物工芸・包丁作り体験

毎日使っている包丁の切れ味が気になってきていたり、たくさんの種類の中でどんな包丁が良いか悩んでいたりすること、ありませんか?

この度、成田市にある「正次郎鋏刃物工芸」の日本刀製造の流れを汲む六代目職人、石塚祥二朗さんに「火造り」の技法による包丁の作り方や使い続けるためのお手入れ方法を1日かけて教えていただきました。

いつも形を大事にしている私は、自分で作った包丁を使って料理をしていることを想像するだけで楽しくなります笑。愛着の湧く包丁がまな板に当たって響く音や野菜がしゅっ!と切れる瞬間の気持ちやその野菜の端面を見ることはお料理時間をより五感で感じさせると思います。今回の体験は終了しましたが、ご興味のある方はまた次回ぜひご参加してくださいね!

3月に開催しました包丁作りの後記で、下のリンクより体験の様子をご覧いただけます。

【てならい後記】刀鍛冶技法を受け継ぐ職人から学ぶ、包丁作り


3)“つくり手とつながる”について考えてみる集まり(てならい365日のススメ)

いかがでしたか。みなさんも一度、つくり手とつながるということについて考えてみませんか?意外な発見があると思いますよ。

この3ヶ月、暮らしにある道具やモノを見つめてみて、つくり手さんと仲良くなりたいと思います。てならい堂ではそうやって自分の生活を見つめ直してみる機会を、「てならい365日」と名付け、皆さんにオススメしています。会場は自宅ですし、参加者は今日はおひとりですけれども、これだってひとつのワークショップと言えると思います。

やり方はとても簡単。ノートを用意して、テーマについて書き出してみる、以上です。けれど騙されたと思って書いてみてください。書き出された文字を見ていると不思議と次々と新しい考えが思い浮かぶものです。

そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思うんです。そして、はっ!とした気づきがあったら、ぜひてならい堂に共有してください。メールでもいいですし、てならいに参加した時やひみつの小店に来た時に、そっとスタッフへ教えてください。あるいは3ヶ月ごとに開催する「みんなのアイデア共有会」で一緒に話し合いませんか。

もしかすると同じワークショップに参加した人も、実は自宅でてならい365日に取り組んでいる仲間で、お互いに共感できるかもしれませんよ。

よーし、ちょっと考えてみようかな。と思ったあなた。今回は、「時間をかけて暮らす」を考えるにあたり、まずはてならい堂が提案するお題をご参考にしてみてはどうでしょう。

365日では新たに日々の事ごととして「お題」をアップしていきます。それをみてやってみたいな、と思うものがあれば是非やってみてみてくださいね。365日のインスタグラムでもアップしてます。こちらもどうぞよろしくお願いします。
てならい365日インスタグラムはこちらから


やってみて、どんなことでも結構ですので、気づいたことをノートに書き出してみてください。どんなノートでも構いません。構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。

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ノートの購入はこちら


さて、色々と「つくり手とつながる」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

「つくり手とつながる」のテーマの始まりである4月。何かスタートするにもいい時期でもあると思います。これからてならい堂と一緒に3ヶ月間時間をかけて暮らすについて考えてみてはいかがでしょう。

今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にて随時このテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからをご登録くださいね。

「こんなことも知りたいよ」みたいなご要望あれば遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください。

今月も皆さまのご参加をお待ちしています。てならいの会場で、ひみつの小店(神楽坂)で、色々とお話ししましょう!

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