【てならい後記】漆で繕う、仕上げる。使い続ける漆器のメンテナンス教室
こんにちは。 てならい堂スタッフのてんです。
金継ぎ、漆道場、蒔絵道場など、さまざまな漆の教室が開催されているてならい堂。
その中で、11月から3回コースの『漆器メンテナンス』がスタートしました。

金継ぎ教室では陶器のお直しが中心ですが、今回のテーマは“漆器”。
陶器とはまた違うメンテナンスの視点や注意点を学んでいきます。
今回参加してくれた皆さんは、ほとんどが金継ぎ経験者さん。「金継ぎは初めてです」という方や、「久しぶりにやりたくて…」という方も混ざりつつ、まずは先生から“漆とは” “透漆とは何か。
透漆に鉄分が含まれて黒漆になる”など、どのように漆になっていくのか?基礎のお話を聞くところからスタート。

みなさん真剣
漆について改めて知ってから、さっそくメンテナンス工程に入ります。
お持ちいただいた漆器もさまざま。「家から持ってきました」という器もあれば、当店の“レスキュー漆器”を迎えてメンテナンスに挑戦する方。拭き漆仕上げをしたくて、お箸やスプーンをご持参の方も。
傷の状態もそれぞれですが、漆器のお直しは“削りすぎない”“傷のまわりを傷つけない”がポイントです。
初回は、欠けやヒビの接着工程から。
漆器に、テレピンで薄めた麦漆を丁寧に含ませていきます。「どのくらい薄めるの?」「このくらい?」
そんな“塩梅”が難しいところも、教室だからこそ先生に直接見てもらえて安心です。


お重可愛い
何度か塗って染み込ませて乾かし、今度は錆漆を。
欠けが大きい器には、麻の繊維を混ぜた刻苧漆で強度をプラス。
錆漆・刻苧漆の練り具合や塗り方を先生にしっかり確認していただき、初回は終了です。


完成までの間は、当店でじっくり乾燥させていきます。
3回コースなので、仕上げの色も次回と最終回で使います。楽しみのひとつですね。
黒呂色や弁柄などの定番色にするか、色漆で好きな色にするか。どんな仕上がりになるのか、私たちも今からワクワクしています。
初めての“漆器メンテナンス”クラスでしたが、皆さんの集中した表情や、漆器との静かな向き合い方がとても素敵で、アテンドしながら胸があたたかくなりました。
先生、ご参加くださった皆さま、本当にありがとうございました。
次回のレポートもどうぞお楽しみに!







