こんにちは。

てならい堂スタッフの大石です。

最近は、昼間もとても冷えますね。みなさま風邪など引いてないでしょうか。

冬の寒さは体調を崩す要因になりますが、実は金継ぎにも冬の寒さは大敵なんです。

今回はその寒さによりハプニングが起きてしまいました!

 

4回目となる金継ぎ教室、予定では前回埋めた「刻苧」と「錆」を整えて、塗りの作業を行うことになっていました。

しかし、この1週間とても冷えたためか、「錆」が乾いていなかったんです。。

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見た目からもしっとりしていて乾いていないことがわかります。

「漆は温度と湿度に敏感で、わがままなお嬢様のようなものです。」と以前先生がおっしゃっていた言葉が、ふと甦ってきました。

特に錆は乾きにくいため、一番気を付けなければいけない工程だそうです。(なので、ご自宅で始める場合は、梅雨~夏にかけて始めると環境が整いやすく良いそうですよ。)

漆は一度乾かないで時間が経ってしまうと環境を整えてももう乾かないことが多いため、今回は錆を取り除いて、もう一度やり直すこととしました。下地をきちんと作った方が仕上がりが綺麗になりますので、ここは丁寧にやっていきましょう。

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錆をベンジンで拭き取ります。

幸い乾いている器もありましたので、そちらは塗りの作業も行いました。

いきなり器に塗るのは難しいので、まずは図案を貼ったアクリル板で練習してから。

かすれない程度に薄く、決して厚塗りにならないようにすることがポイントです。厚塗りしてしまうと表面だけ乾いて中が乾いてない状態になってしまいますので、薄く丁寧に塗っていきましょう。

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今回のハプニングで、漆を扱う大変さを改めて痛感しました。冬の寒さ、侮ってはいけませんね。。

次回こそは乾くようにと、漆風呂をあたたかい場所に移動させていただきました。

みなさんも冬に金継ぎを行う際は、環境づくりにご注意くださいませ。