お好きな柄を選んで、転写紙から豆皿に移して行きます。

お好きな柄を選んで、転写紙から豆皿に移して行きます。

家の形をした豆皿に、銅版転写と呼ばれる技法を使い、シールを貼る様な手軽さで自分好みの柄を付けていくワークショップです。

講師は、岐阜県瑞浪市の陶磁器メーカーmiyama.さんにわざわざ東京へ来てもらいまして、単なる豆皿への絵付けだけではなく、やきものの作り方を型や道具を使いながら、一から学べる機会としてご用意しました。

夏休みなので、お子さんの参加も、大人だけでの参加も、グループでも、お一人でもとにかくウエルカムです。

無数の柄の中からワイワイと自分好みのデザインを作り上げる楽しさも然ることながら、モノづくりの未来を感じられる様な、そんな大げさな(笑)会になったらいいなと、密かに思っています。

銅版転写と言います。純粋に楽しそうですよ。

転写紙に印刷された柄をお皿に当てて、裏面を水に濡らした刷毛でこすります。紙を剥がすと、あらびっくり。乾いていた素焼きの皿の表面に吸い付く様に柄が移っています。

転写紙に印刷された柄をお皿に当てて、裏面を水に濡らした刷毛でこすります。紙を剥がすと、あらびっくり。乾いていた素焼きの皿の表面に吸い付く様に柄が移っています。

今回のワークショップでは銅版転写という技法を使います。

銅版転写は簡単に言うと、銅に彫り込んだ版で転写紙に柄を印刷し、その転写紙から柄をやきものに写し取るというものです。

100枚以上の転写紙の中からお好きな柄を選んで、ハサミでカットし、柄をあれやこれや並べて、オリジナルデザインの豆皿を作りましょう。

こんな感じの柄を好きに選んで、好きにちょきちょき。オリジナル豆皿を作ります。実際の柄はもっともっともっと多いですよ。

こんな感じの柄を好きに選んで、好きにちょきちょき。オリジナル豆皿を作ります。実際の柄はもっともっともっと多いですよ。

よくある絵付け体験では、絵心が求められてしまい、残念な気持ちになる人も少なくないと思われますが(笑)、銅版転写であれば、数ある柄を組み合わせることでデザインしていきますので、自分のセンスにぴったりの柄が簡単に作れます。

お子さんが作った作品も、ずっと使い続けられる様なお皿になるかもしれませんね。

親子で参加した場合、お母さんが自分好みにしたくて、口を出しすぎてしまうかもしれませんので、豆皿は親子1組に2枚付きにしました。(笑)

手軽で楽しい、銅版転写による豆皿絵付けに、ぜひ挑戦してみて下さい。

ひとつの技術をきっかけに、やきものができるまでを学ぶ。

miyama.さんは型を使った鋳込みと呼ばれる製法で約40年。

miyama.さんは型を使った鋳込みと呼ばれる製法で約40年。

きれいに積み上げて、窯で焼き上げます。

きれいに積み上げて、窯で焼き上げます。

かつては贅沢品であった陶磁器の器が、庶民の手の届く存在となり、現在まで日常の器であり続ける背景には、つくり手達の様々な工夫と努力があります。

中でも特に大きな技術革新は、型を使って同じ形の器を量産できる様になったことと、それまで筆を使って絵付けしていた柄を、印刷で表現できるようになったこと、の二つでしょうか。

この印刷技術の一つが、銅版転写です。

転写の技術も、進化を続けていますが、銅版転写はまだ現役で陶磁器の製造現場で使われている技術です。

普段器を手にするときに、この柄がどう付けられているのか、などとはあまり意識しないことですが、柄ひとつ取っても、そこには職人達の試行錯誤が詰まっています。

今回の講師は岐阜の陶磁器メーカーさん。

せっかくの機会ですので、陶磁器を作る流れを実際の型や道具を使いながら、一通り教わりたいと思います。

こうした機会が、日々使っている道具を見直すきっかけになるといいなと思っています。

地元と、つかい手と、つながり続けるつくり手。

工場と言うとオートメーションの工場を想像するかもしれませんが、実際のところほとんどが手作業です。

工場と言うとオートメーションの工場を想像するかもしれませんが、実際のところほとんどが手作業です。

岐阜の美濃焼の産地は日本最大のやきものの産地です。

一口に美濃焼と言いますが、昔から分業が進んでいて、酒器が得意な地区や、すり鉢が得意な地区など個性的な13の地区に分かれます。

その中でも今回の講師であるmiyama.さんがある瑞浪地区は、古くから洋食器の生産が盛んな地区でした。

全国のやきものメーカーのほとんどは、商社のブランドに商品を生産して供給する、売ることと作ることを分担した仕事の仕方をしています。

しかし、早くからその必要性を感じていたmiyama.さんは、他社に先駆けて自社商品の企画室を作り、自社デザイナーを雇って、独自ブランドの構築をしてきました。

てならい堂は、あらゆる日本のものづくりが続いていくためには、作っている人達が生活者の声を自分で聞くことが大事だと思っていますが、自社デザイナーで自社ブランドをつくるということは、声を聞くことそのものです。

そんなmiyama.さんは、地元で工場見学会・体験会をずっと続けています。

当たり前ですが、工場には生産途中の器がいっぱい。そして当たり前ですが、それは工場へ行かないと見られないのです。

当たり前ですが、工場には生産途中の器がいっぱい。そして当たり前ですが、それは工場へ行かないと見られないのです。

かっこいいブランドを作りたいのではなくて、地道に、地元とつながりながらモノづくりを伝え続けていきたい、そんな理念が透けて見える気がします。

ただの豆皿絵付けのワークショップなのですが(笑)、けれど豆皿絵付けを教わるには、これ以上無いという講師をお招きできたと自負しております。(笑)

大人の体験、子どもの体験。

地元開催時の子どもたちの作品。この時はクレヨンも使用していますが、今回は使用しません。

地元開催時の子どもたちの作品。この時はクレヨンも使用していますが、今回は使用しません。

miyama.さんはこの豆皿絵付けのワークショプを地元の工場見学会の中で開催されています。

家族連れで来る方が圧倒的に多い中で、お子さんよりも親御さんの満足度が高いそうです。

子どもがモノづくりを体験する意味と、大人が体験する意味は違います。

違うんですけれども、それはどこかでつながっている様な気もします。

「作ることと使うことをもっと密接にしてきたい」と言うmiyama.さん。

つくり手もつかい手も、大人も子どももごっちゃになって、難しいことはさておき、銅版で柄を付けることにまずは夢中になってみませんか。

(本ワークショップはmonovaで開催する「夏休みおやこの手ならい」の一講座として開催しますが、大人の方だけでの参加も歓迎しています。)

□美濃焼に学ぶやきものができるまで!銅板転写によりオリジナル豆皿作り 

2,900円(焼成後の送料600円別。焼成後会場にて引取の場合は送料無料)

8/22(金)① 11:00~12:30 

8/23(土)① 11:00~12:30 ②14:00~15:30

真っ白い磁器は、洋食器を作り続けてきたmiyama.さんの得意技のひとつ。

真っ白い磁器は、洋食器を作り続けてきたmiyama.さんの得意技のひとつ。