【てならい後記】手仕事に没頭する半日。竹皮編みワークショップ、入門編。2024
こんにちは。てならい堂スタッフのてんです。
シュ サー シュ サーと竹皮を裂く音がストア内に響き、心地よい集中時間
真剣な眼差しのもと、皆様の手元には立派な竹皮
昨年も人気だった竹皮編みは、今回も満員御礼でした!
教えて頂いたのは、昨年もお世話になった前島美江さんと
お弟子さんの髙屋敷直子さんのおふたり。
前島さんはもともと建築造園の世界でお仕事をされていたそう。
お仕事の中で手仕事に興味を惹かれていたある日、ブルーノ・タウトのお弟子さんと言われる方の
寄稿に惹かれたのがきっかけで、群馬県のブルーノ・タウトの竹皮編みと出会ったそうです。
技術を学ぶのに、当時の職人さんの所など関係者のもとに通い詰めて
今は伝統的な竹皮編みの技術を受け継ぎ、群馬県高崎で「でんえもんときわ」というアトリエを主催し普及活動も行っています。
途絶えかけた技術を継ごうという熱量と研究して保持する情熱が本当にすごいです。
さて、日本の工芸品である竹皮編みは、意外にも海外の建築家との共同作業にて生まれました。
昭和8年に来日し、京都の桂離宮など日本の美を再発見したドイツの建築家「ブルーノ・タウト」
昭和9年に群馬県高崎において工芸品のデザイン指導を行っていたタウトは、南部表(なんぶおもて)と言う質の高い雪駄(せった)を作る職人の技術を高く評価し、タウトは職人とともにさまざまな竹皮編みを生みだしました。
そして生まれたのが「西上州竹皮編」(にしじょうしゅうたけかわあみ)
細かく割いた竹皮を編み込んで仕立てた工芸品です。
そして、本日のワークショップでは
ブルーノ・タウトの竹皮編みのコースターを教わり作成します。
最初は前島さんの自己紹介と手の運動。
身体と心がほぐれたら、早速前島さんが説明しながら実演してくれます。
使用する竹皮は2種類。
芯材として使う赤城の茶色の竹皮。
もうひとつは、巻材として使う福岡県八女市で生産されているカシロダケ(皮白竹)。
カシロダケは白っぽい色味で、油分が多く柔らかくて編みやすく、竹皮編みに最適なのだそうです。
竹林の保全活動も行っている前島さんは
海の日を過ぎた1週間でカシロダケの竹皮を拾うそう。
恩恵をいただくことも、当たり前じゃない資源を守っていくことも大切な活動ですよね。
竹のお話しを聞きつつ、みなさん前島さんの手元にカメラを向けつつ集中タイム
![竹皮のミミをを切って針を入れて手で裂いていきます。](https://www.tenaraido.jp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3364-1024x768.jpg)
竹皮のミミを切って針を入れて手で裂いていきます。
細かく割いた芯材の竹皮を数本まとめたら、ひとつの束にします。
![](https://www.tenaraido.jp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3372-1024x768.jpg)
補修針でもいいのですが、前島さんは畳針。今ではなかなか良質な畳針も手に入らないそう。
その束をやや太めに割いた巻材でくるくると巻き、巻材を針の穴に通し
キュッと編み込みを止める。また芯材にくるくると巻いて止めるを繰り返し
渦巻き型のコースターを作っていきます。
スルスルっと編み込んでいく前島さん
見ている分には、なんとなくできそうとも思ってしまうのですが
実際に竹皮を目の前に手にすると、「あれ?こう?こうだったかな?」と難しさに直面
「先生〜」とお助けの掛け声と質問に最初は大忙しでしたが
前島さんと髙屋敷さんにしっかり見ていただきながら、皆さん進めていきました。
そして前島さんからの名言
「竹皮は素直な気持ちで見て割いてあげてね。手の細胞で見るんですよ」
深い。深すぎる。
もはや考えすぎはいけません。
感覚を研ぎ澄ませながらの時間です。
質問も落ち着いて
皆さんの熱い眼差しは竹皮と手元に
竹皮をシュッ、サー シュッ、サーと裂く音と
針に通して編み込むシュルっとした音が響き 瞑想のような時が流れ
気付けばあっという間に正午過ぎ
腹ごしらえも大事な手仕事の作業のため
一旦、お昼休憩です。
午後は、黙々と手を動かしつつも
生徒さん同士趣味や竹皮のお話しされたり
前島さんのお話しなど和やかな雰囲気での作業時間でした。
編みも進み、どんどん形になってきましたね。
![色合いや模様具合がそれぞれ個性的で可愛らしいです](https://www.tenaraido.jp/wp-content/uploads/2024/03/IMG_3397-1024x768.jpg)
色合いや模様具合がそれぞれ個性的で可愛らしいです
男性は力があるせいか、きっちりめにキツキツに作れたり
女性は力加減によって、ふんわりめな作風になり見ていてとても面白いです。
今回教わったのは
ブルーノ・タウトに出会った中原妙子さんの竹皮編みの編み方。
編み方もさまざまあるようで、見ているだけでいろんな編み方を学びたくなっちゃいます。
もくもくと編み進め、丸く出来上がったコースターは最後の仕上げの止め作業。
丸みをつけて円の形を整えて、前島さんに編み込みの止め方を教えてもらって完成です!
午前からの長丁場でしたが、皆さんの集中力もすごく
生徒さん同士で、完成品をお互いに見て和気藹々と締めくくりました。
皆さんの作品を見て、私も編み編みしたい!!と
竹皮を購入し家で編んでます。
また「次回の開催はいつですか」と、竹皮編みに魅了された方もチラホラ
とっても嬉しい限りです。
開催予定が決まりましたら、ホームページに募集掲載されますので
是非、チェックしてくださいね!!
前島先生、髙屋敷先生、今回も教えてくださりありがとうございました。
ご参加頂いた皆様もありがとうございました。