こんにちは。 店主の中村です。

3/10日曜日。能登応援のチャリティワークショップを開催しました。

改めまして、震災の被害を受けた皆様にお見舞い申し上げます。

拭き漆の準備一式。今回はご近所の能登つくり手支援マーケット開催の話を聞いて、てならい堂でもできることをと、日付合わせての開催となりました。

拭き漆するお皿は、てならい堂ではおなじみwoodpckerさんから、能登のために使ってと、無償でご提供いただきました。

教えてくれる松本真奈先生も、私の取り分も寄付してください!とのことで、皆さんの温かい気持ちが集まって開催にいたったワークショップです。

参加者の皆さんも、「やってみたかった拭き漆がしかもチャリティということで、すぐに申し込みました!」と言ってくれる方、多数。

拭き漆の器を、買ったところへいつもお直しに出していたので、これで自分でできるようになればと参加してくれた人もいましたよ。うんうん、それがこのワークショップの狙いですから。

こちらは先生が準備してくれた塗り見本。0回から4回塗りまで。

拭き漆は4,5回漆を塗っては拭き取ってという工程を繰り返して完成します。今回はその1回目をみんなでやってみて、2回目以降は道具を一式自宅に持ち帰ってもらい、ご自分で完成させてもらいます。

まずは生地調整。木のお皿を紙やすりで削って表面の傷をとると共に、漆が食いつきやすい様に、表面を均一に粗く仕上げていきます。

つるつるにすれば良いということでもないので、240番と400番の2種類を順番にかけて仕上げています。

これ、無限に磨き続けられちゃうので、これくらいという目安を体で覚えてもらう必要があります。

ひたすらに紙やすりをかけていきます。

実際に漆を塗る時間よりもはるかに、木地調整の時間の方が長いです。下準備が大事だというのは、どんな仕事にも共通しますね。

木地調整が終わったなら、生漆を塗り込んでいきます。とはいえ塗ったらすぐに、ウエスでせっかく塗った漆を拭き取っていきます。ここが拭き漆のミソ。余分な漆分を拭き取ることで、元の木地の木目が見えてきます。

漆を吸い込んで、みるみる色が変わっていきます。

この元の木の表情が見えるところが、塗り物との違い、魅力ですね。この先、塗り重ねて、どんな色になっていくのか。今回は1度塗りまでしか一緒にやってませんので、ご参加の皆さん!ぜひ、その後塗り重ねてこんな色になったよーっていうのを教えてもらえたら嬉しいです。

家でできるようになるというのが今回の狙いですから、道具の掃除の仕方もきっちり学んでもらいました。

てならい堂ではこれからも、普通に暮らしてると馴染みが薄い漆の魅力に触れる機会を増やしていこうと思います。

ご参加いただいた皆さん、主旨に賛同いただいてご協力いただいた皆さん、ありがとうございました。そして、能登の漆が、モノづくりが続いていきます様、これからも小さな応援を続けていこうと思います。

一度塗って、拭き取った状態。これでも十分完成じゃない?という声もありました。もちろん使うこともできますし、塗り重ねることでどう変わるかも楽しみです。