こんにちは。スタッフのてんです。暑い日が続きますね。
頭がぼーっとするようなスッキリしない感じの日々。

そんななか、心地よい木と南京鉋の時間のワークショップが開催されました。
木工作家・杉田創作さんによる南京鉋を使った「木ベラづくりワークショップ」
お客様からの熱いお気持ちのもと初開催です。

店舗内に響くのはBGMの音楽と木を削る音。
静かに流れる、まるで森の中にいるような落ち着いた空間で、じっくりと木と向き合うひとときとなりました。

参加者の方々は、木工が好きな方、南京鉋を愛用している方、手に力が入りにくいけれど木工に挑戦してみたかった方など、想いも背景もさまざま。それでも共通していたのは、「南京鉋に触れてみたい」「自分の手で木を削りたい」というまっすぐな気持ち。

杉田さんは南京鉋の道具も手作り!道具から作るってすごいですよね。
今回は南京鉋を使って、お家の生活のお供になる「木ベラ」を作っていきます。
サクラの木で作った大まかな型取りをした木ベラをご用意。「四徳木ベラ」と呼ばれる杉田さんの木ベラのデザインは、「炒める・すくう・混ぜる・こそげ落とす」の四つの役割をこなせる優れものです。

ワークショップは「削り馬」と呼ばれる専用の台に座るところからスタート。杉田さんはロバにも見えるので「削りロバ」とも呼んでいるそうです。こちらの「削りロバ」も杉田さんの手作り!! 使う道具からご自身で作って揃えています。
削り馬にまたがり座ったら、足で踏み板を踏み、踏み板と繋がっている紐で木材を固定。普段はあまり使わない少し“踏ん張る”感覚を全身で体感しながら、削りの作業に入ります。



杉田さんは、刃物の当て方から、削る方向、木目の見方まで、ひとりひとり丁寧に見てくれるので安心。
削りに集中しながらみなさん、質問タイムです。また、削り具合をみて杉田さんが南京鉋を交換したりと、細やかなサポートもしてくれます。
中心から放射状に削る、逆目に気をつけて…とポイントを教わりながら削りすぎないように慎重に形を整えていきます。
シャーッ、シャーッという鉋の木を削る音が心地よく、ゆったりと集中のひとときです。


丸くころんとした形、スッとシャープな形、四角くしっかりとした印象のもの…それぞれの好みに合わせて一人ひとりが「自分の使いたい形」を想像しながら、見本を参考にしつつ削り方のコツを相談しながら削っていきます。
柄(え)の部分はそれぞれの手に合わせて太さを調整し、世界にひとつだけの道具に仕上げていきましたよ。「削る」だけの行為と見えても簡単ではありません、だからこそ見えてくる職人の技。

プロの手であらかじめある程度、整えられた木ベラの「仕上げ」を体験させてもらう、そんな貴重な時間。「これをゼロから全部やるとなると…」という参加者のつぶやきも印象的でした。
まさに「段取り八分」ですね。


落ちていく木くずのやわらかさ。ヘラの手触りを何度も確かめながら、自分の好みに合わせて厚みや形を整えていく時間は、まさに“てならい”。



途中、「柚子やりんごの木でも作れる?」という質問があったり、「やっぱり桜の木が落ち着くね〜」なんて会話も。みなさん植物も好きだったり生活にあるもので、何が作れるのか普段から考えているんだな〜と感じました。和やかな中にも、キリっと集中した空気が心地よかったですね。

最後の仕上げは、やすりがけをする方もいれば、鉋の跡を活かして仕上げる方も。「刃物で仕上げるのって難しいけど、やっぱり美しいね」と、木工の奥深さに触れる声も聞こえました。削り馬に座って、全身で削る。

木に触れて、自分の“使いたい道具”を自分で形にしていく。そんな豊かな時間を、少人数で味わえる貴重な機会でした。参加者それぞれの「暮らしに寄り添う木ベラ」の完成。

南京鉋の削り心地、技の奥深さに触れられたこと。そして、「自分の手でも作れる」という喜びに出会える時間でした。

参加者のみなさん、先生ありがとうございました。
ぜひお家でたくさん使ってくださいね。

 

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