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「注染」と書いて「ちゅうせん」と読みます。「注染」とは、その名の通り染料を「注ぎ」、糸を「染める」技法です。明治時代に大阪で生まれました。20数メートルほどの生地をジャバラ状に重ね合わせ、その上から染料を注ぐことで、1度に25枚の手ぬぐいを染めることができます。本来、糸染めは1枚づつしか染めることができません。例えば、藍染を想像してみてください、一枚の布を染料の中にジャブジャブと浸けているイメージはありませんか?注染は全ての工程が手作業の糸染めです。職人さんの目が細部まで届く範囲で量産できる、素晴らしい糸染めの技術なのです。

今回は東京のにじゆらさんの工場で、その工程を名物社長の中尾さんに実演してもらいました!工場でしかできない最初の糊塗りの部分は省いています。

その工程は、1、「かた」と呼ばれる下絵を使って、色をのせたくない場所に海藻でできた糊を塗り、また生地を重ねを繰り返します。「型」からはずされた生地は、はじめて色を付けられ状態に。2、染め台に置かれ、ケーキのデコレーションをするときに使うような容器からでる糊で色を付けたい場所のまわりを囲みます。3、そのあと、上の写真のように、原泉掛け流しのごとく染料を糸に潜らせ、染め台下からポンプで吸引されることによって、生地の隙間を潰すことなく繊維の芯まで染めます。一通り終わるとひっくり返して反対側からも同じ作業をすることで、裏表なく綺麗に染まるのです。4、その後水洗いされ、乾燥させて完成!です。

大きな流れはこの4工程。さすが中尾社長。早くて綺麗です。「なんで、土手のなかに色を注ぐのが上手いかわかるかー??」との問いかけに、「流石職人さん!」といいそうになりましたが、なんと!「たこ焼きで毎日鍛えとるから」だそう。冗談ですよ。

この土手を作ったり染料を流し込むところなんて、ちょっと難しそうだけどたのしそうです。

これは海藻でできた糊なんです。

これは海藻でできた糊なんです。

色をつける箇所の周りに土手をつくってます。

色をつける箇所の周りに土手をつくってます。


まるで湯を注ぐようなイメージ感じで。

まるで湯を注ぐようなイメージ感じで。

染料を下からギュギュっと吸引中。

染料を下からギュギュっと吸引中。


染まってますね。

染まってますね。

水洗いすると茶色い部分が白くなります。

水洗いすると茶色い部分が白くなります。


天井からゆらゆら揺れてるてぬぐいたち

天井からゆらゆら揺れてるてぬぐいたち

店内には手ぬぐいでできたアイテムが沢山

店内には手ぬぐいでできたアイテムが沢山