【木を削るという贅沢な時間】
 南京鉋ワークショップ 

日々の暮らしの中で、木を「削る」体験をしたことはありますか?手にした木の塊が、少しずつ道具のかたちになっていく。
そんな、静かで贅沢な時間を過ごしてみませんか。

使い込み育てていくと左のように

このワークショップでは、『南京鉋(なんきんがんな)』という小さな木工道具を使って、自分だけの木ベラを削って作る体験ができます。木に触れ、香りを感じ、削るひとときをじっくりと味わいましょう。

南京鉋(なんきんがんな)は、調理用ピーラーのように安全で扱いやすく、力のない方でもスッと木が削れる、魔法のような小さな木工道具です。老若男女問わず、誰でも木工の楽しさを味わうことができます。

今、SNSや動画を通じてものづくりの情報が簡単に手に入る時代になりました。そのおかげで、余暇の時間にスプーンや調理道具を手づくりする方も増えています。そんな時に心強い味方になるのが木工道具たちです。

土台の木ベラはある程度の形まで杉田さんが作成してくれます。

このワークショップでは、南京鉋という鉋で木工作品を作っている、杉田創作さんに教わりながら木ベラを作りましょう!
素材には、杉田創作さんがご用意してくれる木材の土台を使用。削り出すのは「木ベラ」。
暮らしに役立つ道具を、自分の手で削りあげていきます。

『削って、削って。ひたすら木と向き合う』

こちらの道具も手作りってすごいですよね。

作業は「削り馬(けずりうま)」という手作りの道具に座って行います。足で紐がつながった木の足掛けに足を乗せて下に引っ張ることで、木材がしっかりと固定され、両手で思う存分削ることができます。

杉田さんの木ベラは鍋やフライパンで使う際に、ヘラの先の下側(鉄板 にあたる部分)が重くなるようにデザインされています重力に沿う感覚。

スーッと刃が通る感触は、なんとも言えない心地よさ。女性スタッフの私も、ほとんど力を入れずに木が削れていくことに感動しました。ただひたすらに木と向き合う時間は、日常のあわただしさを忘れさせてくれます。最後の仕上げは、杉田創作さんが手を入れて、オイル仕上げもしてくれます。手に馴染むように、道具として美しく整えて完成です。

今回教えていただく杉田創作さんをご紹介します!

「きっかけは一本のスプーンでした」

杉田創作さんは、もともと家具職人を目指して木工の道に入りましたが、大きな家具づくりは自分には合っていないと感じていました。そんな時、先輩が持っていた南京鉋に出会います。
「ひと削りした瞬間の衝撃たるや‥あの感覚は忘れることはないでしょう。」そう話してくれました。
その衝撃、気になりますよね。

就職活動も手道具を使える工房を探したそうです。そんな中で南京鉋を使った一本の匙と出会います。
その刃物痕──「稜線(りょうせん)に見惚れ、「この道具をもっと多くの人に知ってほしい」と強く思ったとお話ししてくれました。

木ベラを削る杉田さん

「今こそ知ってほしい、道具を支える人たちのこと」

南京鉋をはじめとする木工道具には、鍛冶屋さんの手仕事が欠かせません。
しかし現在、その存在が危ぶまれています。需要の低迷による産業の衰退、後継者不足が主な原因です。 木を削る体験を通して現状を知っていただけら嬉しいと、道具も作り手も大事に考えている杉田さん。

「ワークショップで感じてほしいこと」

「このワークショップでは、実際に南京鉋を使って木を削る体験をしていただきます。木をけずる感覚を体感してほしいです。そこには木々の質感や匂いだったり、生きてきた痕跡を感じ取れるはずです。少しだけ日常を忘れて自分の世界に没入してくれたら嬉しいです。」とメッセージをいただきました。

木の香り、手ざわり、年輪、そして生きてきた痕跡──
杉田さんの想いは、てならい堂としても大切につなげたい想いです。
ほんの少しだけ日常を離れて、自分だけの静かな世界に没頭してみませんか?
木と語り合うような、静かなひとときをご一緒できることを楽しみにしています。

〜杉田創作さんのPOPUP展示販売も同時開催〜

木のぬくもりに満ちた、美しい道具たちとの出会いもお楽しみに。