能登西海岸にあるユニークな宿、TOGISO。

てならい堂ではこのTOGISOから送ってもらった、“レスキュー輪島塗”の販売会を実施しますが、このレスキュー漆器が生まれたきっかけは、オーナーである佐藤さんが街並みをレスキューしようとしたことから。

個人の力で、美しい古民家の街並みを残そうという、世にもユニークな取り組み。

一体、なぜそんなことを?という疑問に答えるお話し会を、気になる写真たっぷりの、スライドショー形式で開催しますよ。

何よりも復興の状況が気になる、能登とのつながりをつくるスライドショー。復興の現状なんかも聞いて、今年の夏は能登を訪れてみませんか。

能登にあるユニークな宿TOGISOのお話を聞く会

能登西海岸、志賀町の海沿いの赤崎地区という土地は統一された外観の古民家が立ち並ぶ、美しい街並みが残る海沿いの町。

この赤崎に古民家を改装した宿、TOGISOはあります。

TOGISOのオーナーは実は山形出身、東京在住の佐藤さん。

佐藤さんは能登には縁もゆかりもありませんが、ネットで見つけた古民家に一目惚れ。このまま買い手がつかなければ解体されてしまうという危機感に突き動かされ、なんと借金をして即購入。

自費で、時に自分で手を入れてオープンしたのがこのTOGISOという宿。以来、能登を訪れる人々へこの土地ならではの体験を提供する宿として運営されてきました。

TOGISOがユニークなのは、この過疎化が行くところまで行き着いたこの土地で、行政主体でもなく、商業主義でもなく、”一個人”が主体となって、この美しい街並みを残すために、町づくりに取り組んでいること。

それは筋が通っているようで、訳が分かんなくて、自由で豪快で、それでいてなんか優しい、そんなプロジェクトのようにてならい堂は思いました。

佐藤さんがこの町で何をしようとしているのか、なぜこの赤崎地区なのか、何が目的なのか。

そこにある能登の人の暮らしと優しさ、そして復興の現状、そんな話を豪快な佐藤さんから、ざっくばらんに聞くスライドショー形式のお話し会です。

街並みレスキューから生まれるレスキュー輪島塗の販売会

そんなTOGISOも、能登半島地震の被害を受けました。不幸中の幸い、休業中で宿泊客はいなかったとのこと。

報道などでもある通り、能登復興はなかなか進まず。結構な時間が経って、半壊状態の蔵の公費解体が始まりました。

解体にあたっては、中のものを出す必要があり、しかしそれは蔵ですから、100年近くしまってあったものは、行き場もなく、そのほとんどはあえなく廃棄の運命にあったようです。

そんな廃棄の山に、輪島塗の山を見つけた佐藤さん。職人の手が入って長く使い続けられる漆器を廃棄してしまうことに耐えられず、この漆器の山を持ち主から引き取り、その引き継ぎ手を探すことにします。

しかし、これから復興が始まる輪島塗の職人が新しい器をつくる邪魔をしてはいけない、かつ、できれば今すぐに仕事を提供できるようなものとして、漆器をランプシェードにして販売することに行きつきました。

この取り組みはクラウドファンディングで多くの共感を呼び、ほぼ日の糸井さんの目にも止まって、支援の輪は大きく広がりました。

てならい堂も手を上げさせてもらい、ランプシェードはもちろんですが、漆の仕事を教室やワークショップで楽しむお客さんも多いので、大量にあるというレスキューされた漆の器そのものも、店で紹介させてもらっています。

6/6〜6/8の3日間は、このレスキュー輪島塗を能登からまた状態のいいものを送ってもらって、販売会を開催します。

販売の収益はTOGISOの活動に使われ、能登復興の一助となります。ぜひこの機会に、100年前の輪島塗を、お気軽に手に取ってみてください。

(レスキュー輪島塗の販売会のご案内はこちらから。)

能登を訪れる意味

能登の復興は残念ながら、まだまだ先のようです。だけど最近はメディアでの露出も減ってきて、能登の人と話すと、一度現在の能登の姿を見て欲しいと、皆が言います。

行くことそのものががその土地のためになると言ってくれるならば、微力であっても、一度今の能登へ伺いたいと思いました。

けれど縁のない土地、行くにもちょっと躊躇いもある。遠いのもある。

だから能登のことがちょっと気になってましたという人は、ぜひ、ここで”能登の入り口”とつながってください。

そして今年の夏は能登を訪れてみませんか。

佐藤さんが撮り溜めた、気になる写真の数々。こちらは当日のスライドショーをお楽しみに!