【てならい後記】竹細工職人からならう竹ざるワークショップ。梅干しづくりや干し野菜に大活躍!
こんにちは。てならい堂スタッフのてんです。
5月末日、竹細工のワークショップを開催しました!
すぐに満席になり「私も参加したかった〜」と今から次回開催を期待されるお声もちらほら。
(昨年は竹林整備とおにぎり籠を作るワークショップもあり。こちらも盛況でしたね〜。)
今回は長方形の竹ザルを作ります。
梅干しや野菜干しに使ってもよし、焼きたてのパンをふんわり置いても素敵!
暮らしの中でやさしく活躍してくれる、そんな道具を手づくりしました。
教えていただくのは、笑顔が素敵な「竹や ほんのり」の本多さんに教わります。
最初はご参加いただいた皆さんの自己紹介と参加いただいたきっかけをお話しいただきました。みなさん共通していたのは「作るのが好き」「作ったものを大切に使いたい」「使うものを作りたい」でした。
先生も「使う道具を作りたい。作っても使わないものを作ってもしょうがないから、生活に馴染むものを作っている」とお話しがあり皆さん同じ想いのもとスタートです。
まずはスライドを見ながらの竹のお話し。
「一軒の家に1000本の竹が必要だった」
そんな神奈川県開成町の茅葺き文化の話、昔の暮らしの竹の使い方の知恵や、使える竹の年数、竹林整備のこと。そして手仕事に込める心まで、笑顔とあたたかい時間のお話し会。皆さんも竹のお話しに興味津々。
お話しが終わるといざ、実践。ワークショップのスタートは、竹を割いて「竹ひご」を作るところから。今回は体験の一環として数本、竹ひごを作る作業をします。ザル用は先生が用意してくれてますが、自分のも数本入れて編めるように、作ります。
一見すると簡単そうに見えますが、実は厚みを均一に割くのがとても難しい。
何本か割いてみて、先生のと比べつつ触ると『先生がさいたひご』と『自分がさいたひご』その厚さの違いにびっくり。「これ分厚い〜」「全然違う」などのお声がちらほら。この厚みが仕上がりの美しさにも左右するんです。
竹ひごが揃ったら、いよいよ編みの作業へ。
先生が用意してくれたガイドラインの紙を目安に基本の縦横にひごを置いていき編んでいきます。ポイントは、網目が均一になるように、縦にも横にも気を配りながら進めること。
編んでいく時間は、心が落ち着いていく時間。集中しながらも、だんだんと心が落ち着いていくような感覚が心地よく、「集中して楽しい」と笑う声も聞こえてきました。
今回は、竹の緑部分と白の部分の2色を使用。コントラストが美しく、視覚的にも楽しい仕上がりになります。しかもこの色、時間が経つと変化するのです。緑は徐々に白っぽく、白は飴色へと変わっていく——
経年変化とともに、使い手との関係も深まっていきます。
編み上がったら、次は仕上げのステップへ。木枠にセットして、かたちを整えていきます。滑り止め用の竹ひごを端に編み込み、木枠に合わせてぴったりサイズに整えていきます。この時に最終調整も行います。
そして、木枠にビス留め。このときの「カチッ」と音がまた心地よい。
しかも今回は、なんと2枚作成!
1枚目でコツをつかんだ皆さん、2枚目はさすがの手際。「さっきよりきれいにできた!」と笑顔がはじけました。ザルの形が整ったら、余分な竹ひごを切り取り、やすりがけで手触りをなめらかに。
最後には、長く使うためのお手入れ方法まで教えていただき、しっかりと学びのある締めくくりとなりました。
自分の手で編み、仕上げた長方形の竹ザルは暮らしの中で、使いながら育てる道具。
梅干しを干したり、野菜を並べたり、焼きたてのパンを乗せたり——
暮らしのなかでどんな風に育っていくのか、今からとても楽しみです。
「竹って、こんなにしなやかなんだ」「丁寧に作ると、愛着が湧きますね」「やっぱり竹好きだな〜」そんな声が会場にあたたかく響いた一日でした。
ご参加いただいた皆さま、そして優しく教えてくださったほんのりさん、ありがとうございました。
次回の開催も、どうぞお楽しみに。