こんにちは。スタッフのひのです。

春、目覚めの時期になってきましたね。気温も少しずつ上がり、虫や鳥たちも活動を始めて賑やかになってきた気がします。また、出会いと別れの季節でもありますよね。この時期は、なんだかまちの空気もドキドキ、そわそわしてる感じがします。笑

さて、てならい堂では、自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、3ヶ月ごとにテーマを決めて、取り組むことにしています。

2023年 3月のテーマは「発酵する生活を手に入れる」です。

「発酵」と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか??味噌、醤油、糠漬け、チーズ、パン・・・などの発酵食品を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。では、「発酵する生活」って・・?

今回のテーマでは、発酵食品から発想を得て、ちょっといつもとちがった視点で「発酵」について考えてみれたらいいなと思います。みなさんのこころよい生活に、少しでも近づけますように。 

  「発酵する生活を手に入れる」を考えるために、
    てならいに参加してみる。
    てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
    自身の生活の中で見つめ直してみる。

それぞれのやり方で、みなさんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。

 「発酵する生活を手に入れる」3月の話題。

1)焦らず、じっくり気長に。続いていく発酵。

2)実際に“発酵する生活”を取り入れてみる

 ・毎月、繕う事にじっくり向き合う。さらに楽しむダーニング教室

 ・つづら藤かずらで作るかご作りワークショップ~採取から編み立てまで~

 ・自分でつくるヒトテマキット

 ・新潟の天然味噌屋さん。出張味噌仕込みワークショップ

3)てならい365日のススメ

1)焦らず、じっくり気長に。続いていく発酵。

冬のテーマ「発酵する生活を手に入れる」。いよいよ今月でこのテーマも一旦終了です。この3ヶ月間、いかがだったでしょうか。これまで1月・2月と、お味噌や醤油などの身近な発酵食品はもちろんのこと、お手入れしながら使い馴染み育てていくような木の道具などを「発酵する道具」、そして、そういった食べ物や道具で身の回りが溢れてくること自体を「発酵する生活」と捉え、さまざまな切り口で発酵について考えてきました。みなさんは改めて、発酵にどんなイメージをもちましたか?またどんなものを発酵に見立てましたか?

私自身、この3ヶ月間発酵を考える中で、「じっくり待つ」「手間をかける」「信じる」といった言葉が思い浮かんできました。どうしても時間に追われたり心の余裕がなかったりすると、これって結構難しいんじゃないかなと思います。でも、だからこそ、”余白”というものが日々の生活にあることを心がけていきたいものです。まあそれが一番難しいんですけど・・・笑

「じっくり待つ」といえば、借りている畑でのことを思い浮かべます。タネを撒く時、いつもドキドキしちゃいます。今年新調したタネの場合は芽が出る確率も高いのでそこまでですが、特に以前使ったタネを撒く時は、芽が出るかなとそわそわします。

水をあげたり肥料をあげたりしないで育てているので、タネを撒いてからできることは基本なく、ただ待つしかありません。なので、出なかったら追加でタネを買って撒こうかなとか、今年はちょっと諦めようかなとか、その狭間でいつもそわそわしています。だからか余計に、「今年は無理かなー」と諦めかけてた時に芽が出ると、かなり嬉しいです。本当はもっとどっしりと構えたいところなんですけどね。笑 きっと地表にみえてないだけで、土の中では着実に変化していて、土から顔を出す準備をしているのかもしれません。

同じように、子育てしてる中でも「じっくり待つ」場面は多々あります。たとえば、月齢的には「ぶーぶー」「わんわん」とそろそろおしゃべりしても良さそうだなー思っていても、まだはっきりと意中の言葉をしゃべりません。ですがある時、ごはんだよーというと自分から椅子のところに行ったり、ねんねするよーというと布団をもってきてくれたりして、こちらの言葉はきちんとわかっている様子がみられました。発話はしていないけれど、ちゃんと言葉の意味はわかっている。つまり、あらわれていないだけで、子どもの中には確実に体験が積み重なり、言葉がたまっているのではないかと。

他にも、ごはんを終えて片付けようとした時のこと。なかなかお皿やスプーンを離してくれなかったのですが、その場で無理に取るのをぐっとこらえ、おしまいだから返してね、と自主的にやるのを待ってみました。そうすると案外スッと返してくれました。これらは一例ですが、日々の場面でたくさんこんなようなことが起こります。

ついつい焦ったり心配したり先回りしちゃいそうになるけど、ぐっとこらえて見守る。それが親である私の役割。もちろん、ついつい口に出たり先回りしちゃう時もあるので、まだまだ私も鍛錬が必要ですね。

いずれの話にも共通していえるのは、目には見えないけれど着実に変化していっている、その過程に焦らずじっくり向き合う、ということだと思います。これって、まさに”発酵”の過程だなと思いました。

子育てに限らず自分含めた人の成長ということに関して、冒頭にあげた言葉「じっくり待つ」「手間をかける」「信じる」というのは結構通じることだなと思います。人に教える立場で成長を見守る時、自分自身でなにか努力してことを為そうとする時、これまでの人生を振り返ってみて、そういった場面を思い浮かべることができる人も多いのではないでしょうか。忍耐力もいるので、全て完璧にできる人の方が少ないかもしれませんけど、これらはとっても大切なことのような気がします。

この3ヶ月間のテーマ”発酵する生活を手に入れる”に取り組んだ最後の月に思ったのが、「発酵にゴールはあるのだろうか?」ということ。たとえばお味噌などは、種味噌といって昨年作った味噌をスターターとして一緒に仕込んだりします。他にも天然酵母のパンも酵母液を継ぎ足したりすると聞いたことがあります。そうやってつないで続けていけるというのも、発酵の性質なのではないか。醸しておわりではなく、続いていくものなのではないか。

「発酵にゴールはあるのだろうか?」みなさんだったら、この問いにどう答えますか?・・・という問いを残し、このテーマは終わります。笑 

さて、この3ヶ月間を通し、あなたにとっての「発酵する生活」の輪郭がちょっとでも見えてきたでしょうか。もしそうなら幸いですし、ぜひこの先も、じっくり時間をかけて、あなたなりの発酵する生活を醸してみてくださいね。それこそ“発酵“ですから、焦らず、じっくり、気長に、です。

2)実際に“発酵する生活”を取り入れてみる

・毎月、繕う事にじっくり向き合う。さらに楽しむダーニング教室

「じっくり」向き合うのにぴったりなワークショップのご案内。「ダーニング」とは、欧州に伝わる暮らしの技術で、あえて目立つように装飾しながら繕い生まれ変わらせるアップサイクル的な考え方の手仕事です。ただ単純に洋服をお直しする、という事ではなく、針と糸を使って手仕事を楽しく、そして出来上がったものにより一層愛着が湧く、毎日をワクワクして過ごすための技術です。

そんなダーニングを学べる今回のワークショップは、全6回コースの教室形式でおこないます。毎月新しいテクニックを身につけていけるので繕いが楽しくなること間違いなし!初めてダーニングをするという方もダーニングを体験した事ある方も楽しめる内容になっているので、気になる方はぜひ。

【てならい】毎月、繕う事にじっくり向き合う。さらに楽しむダーニング教室

・つづら藤かずらで作るかご作りワークショップ~採取から編み立てまで~

「手間をかける」ということで、こちらは、素材のつづら藤かずらを採取するところから編立てまでを一日で体験し、オリジナルのかごを作ってしまおうというワークショップです。実際に福岡県香春町(かわらまち)にある「かずら工房あかつき」に赴き、籠づくりを教わりますよ。山からつるをとってくるところから経験できるというのはなかなか貴重、かつストイックです。笑

工房のある香春町は、かつて宿場町として栄え今なお情緒溢れる街並みを残しています。そんな街並みから感じること、あるいは材料を分けてもらう山の風景から感じること、わざわざその場に行くからこそ「いただけるもの」がたくさんあると思います。ぜひ春の旅行がてら行ってみませんか?

【てならい】つづら藤かずらで作るかご作りワークショップ~採取から編み立てまで~

・自分でつくるヒトテマキット

同じ「手間をかける」でも、おうちで楽しめることもあります。こちらのヒトテマキットは、村の95%が森林で成り立つ岡山県西粟倉村にある「西粟倉・森の学校」さんがつくっているものです。木のカトラリーを自分でつくれるキットで、名前の通り「一手間かける」その時間も楽しんでもらえたらいいな、という想いが込められています。

一気に仕上げるのもいいですが、一息つきたい時や合間の時間で、お茶でも飲みながらちょっとずつ進めていくというのもおすすめですよ。ヒノキの間伐材からつくられていて、滑らかなヒノキの肌触りやいい香りを楽しめます。使っていく中で口の部分を削ったり自分でメンテナンスをできるのも、自分でつくった道具ならではの楽しみですね。

【かいもの】自分でつくるヒトテマキット

・新潟の天然味噌屋さん。出張味噌仕込みワークショップ

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最後のご紹介は、やっぱりお味噌。笑 てならい堂がオープン以来毎年開催してきた手前味噌仕込みのワークショップ、コロナ禍でしばらく開催できていませんでしたが、今年はようやく4年ぶりにリアルで開催です!

教えてくれるのは、新潟の新飯田地区で80年続く丁寧に味噌づくりを続ける『糀屋団四郎』の4代目藤井さん。当日は味噌仕込みに加えて、団四郎味噌さんの味噌や甘酒の試食と、貴重な20年味噌のお土産も付いてきますよ!美味しい発酵食品の美味しさをぜひ、つくっている本人の解説のもとで味わってみてくださいね。

【てならい】新潟の天然味噌屋さん。出張味噌仕込みワークショップ

3)てならい365日のススメ

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てならい堂では、今月であれば「発酵する生活を手に入れる」といったように、こういったテーマをもとに自分の生活を見つめ直してみる機会を「てならい365日」と名付け、お家でのセルフジャーナリングをみなさんにオススメしています。

やり方はとっても簡単。ノートを用意して、今回のテーマについて書き出してみる、以上です。どんなことでも結構ですし、関連することを実践してみたり、てならいに参加してみたり、やってみたいなと思うものがあればやってみて、それについて書いてみるのでも大丈夫です。騙されたと思って書いてみると、書き出された文字を見て、不思議とどんどん新しい考えが思い浮かぶもの。書き出すノートはどんなものでも構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。(ノートの購入はこちら

ノート

そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思います。そして、もし気づきがあれば、ぜひ心のうちにとどめておいてください。また、よろしかったら、てならいに参加した時やひみつの小店に来た時に、そっとてならい堂のスタッフへ伝えてみてください。なにかさらに新たな発見があるかもしれませんよ。 

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 「てならい365日」では、3ヶ月ごとに同じテーマに取り組み、毎月それについてお知らせしていきます。今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にてこのテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからご登録くださいね。

ということで、まずは冬のテーマとして、今月は発酵するものやことに目を向けながら過ごしてみませんか?「発酵する生活を手に入れる」を考えるにあたり何から始めようかなと思った方は、まずは本ページを参考にしてみてくださいね。これまでのページ(1月のページ2月のページ。)もよろしければご覧ください!来月からはまたテーマが切り替わりますのでお楽しみに。

みなさんの発酵する生活についても、ぜひご感想お聞かせてください。また、「こんなことも知りたいよ」などご要望もありましたら遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください!

今月もスタッフ一同、みなさまのご参加をお待ちしています!てならいの会場で、ひみつの小店(神楽坂)で、色々とお話ししましょう!


発酵する生活
手間をかけてお世話をして
じっくり待って
いろんな力を借りて
最後は私が発酵する