すっかり秋らしい気候、本当に過ごしやすくなりましたね。
この時期が続けばいいのにと毎年思ってしまいます。こんにちは、スタッフのさくです。
 
さて10月初旬「染の里おちあい  双葉荘」にて、柿講習の後半が開催されました。
染料作りから1ヶ月程経ち、前半の講習から参加の方が多く、
皆さん染料を大事に持参してくれました。
 

赤茶色の斑点、固形物の分離、色味も随分と差があるようで面白い。

まずはその染料の発酵状態を講師の小川さんに見ていただきました。
同じ条件で作っていても、たった1ヶ月でこんなに違うんですねと各々が驚き、また不安も解消された場面でしたね。小川さん自身も柿渋がどの様に変化するのか勉強されているので、すんなり返答がきます。
 
また、渋柿を自分で収穫して、新たに染料を作った方もいました!すぐに実践できる手軽さがいいですね。実は私も、実家の渋柿で染料を作ってみたんですが、分量を誤ったのか、どうやらタンニンの少ない染料が出来上がったようです…残念、でもしぶとく来年迄待ってみます。
 

ほんのり赤く色づいた渋柿。この状態ではタンニン少なくなってきていて、もう柿渋作りには適していないそうです…是非、干し柿にしたいですね。

時期を逃さず、素材が揃えば、本当に簡単に出来る柿渋。このワークショップを機に随分と身近になった気がします。
 
前回のおさらいも兼ねて、改めて柿渋の歴史や効果、効能を学び、加えて今回は<媒染>について詳しく学んでいきます。
媒染にも何種類かあり、その素材の殆どは金属で染料を定着させます。
柿渋染では<染め止め>も果たし<発色の変化>にも影響します。
 

藍染め、桜、コーラ、珈琲等、媒染を加えたりと様々な染め物たち。

その話の流れで、背景にずらりと並んだ小川さんの研究成果を
一つ一つ何で染めたか教えてくださいます。染めた物が意外な色を魅せてくれて、草木染めの世界の広さ・自由さを感じさせます。
 
では柿渋の知識をしっかり詰め込んだところで、外へ出て柿渋染めを体験していきましょう。
 
先月作った染料は今後も発酵させ続けて、来年に是非使ってください!との事で今日の染料は2019年モノです。先月作った染料の香りは、まだまだ柿らしい若干フルーティ。
桶にドボドボと染料が注がれると、一帯が酸っぱい香りに!これが2019年モノの柿渋!シビれる!
 

2019年に仕込んだ柿渋染料。ドロッとして色味も全然違います。

 

屋外でもこの状態で、しっかり香りの存在感があります。

染める物はキャンバス地のサコッシュで、
ポケット、中身にも大事に漬け込む様に染料を馴染ませます。
 

時にギュツギュツと愛情を込めて揉み込みます。

10分程経過したら、各々空気に触れさせる為サコッシュをフラフラ、ぐるぐる動かします。
 
 
柿渋の効果に話に戻りますが、柿渋は空気に触れると水溶性が耐水性に変化します。
この工程が強度のある柿渋生地を作りあげるんですね。
今日は天気が曇りでしたが、太陽があれば色の変化にも影響するとの事!
 

媒染液にも浸して、色の変化を試す方もいました。

もう一度染めを繰り返し、気づけば香りにも慣れてきたところ、本日はここまで。
あとはご自宅で天日干しをして、育ててもらいます。
 
柿渋染めのサコッシュ、使っているうちに時間の経過と、色の変化も楽しめる。来年また柿渋染料を仕込む時期には、どんな色に変化しているかワクワクしますね。
 
ご参加ありがとうございました!