こんにちは、てならい堂スタッフのかもです。
気持ちいい天気の日が続く今日この頃、みなさまいかがお過ごしでしょうか。

てならい堂では5月の末に、染の里おちあいさんにて、型染めの体験を行いました。この日も、気持ちいい天気の中での体験となりました!

ios-%e3%81%ae%e7%94%bb%e5%83%8f-5

過去にも何度か開催しているこちらの型染め体験。色ごとに5枚の型紙を使って、トートバッグを染めていきます。

模様がずれないように毎回しっかり型紙を印に合わせていくこと、薄い色から順に重ねていくことなど、綺麗に仕上げるポイントを説明していただきながら作業を進めていきます。

染料をどのくらい刷毛に含ませるかも大事なポイント。多すぎると濃く染まりすぎてしまったり、型からはみ出て滲んでしまうので、染める前に新聞紙などにすりながらちょうどいい濃さになるよう微調整します。

img_1057

同じ濃淡を保つのはけっこう難しいところ。同じ色でも濃さによって全然違う雰囲気になるので、箇所ごとに濃さを変えてみたり、グラデーションにして楽しむこともできます。職人さんは、1色ごとに同じ濃淡やグラデーションを保ったまま、何回も型をずらしながら反物を染めていくそうで、参加者の方と一緒に「はー!」と職人技に感嘆しました。

img_1076

大きい円の青紫色と、細かい柄の花びらなどに使われている青紫色はどちらも同じ染料を濃さをわけて染めたもの。1色の中でも濃淡のちがう表現ができます。

img_1066

1色仕上げる間も、こまめに型を持ち上げて、仕上がりや濃淡を確認しつつ進めます。

色の組み合わせもみなさん毎回迷われるところですが、今回の参加者の方々はけっこうサクサクと進めてらっしゃいました!
型紙も複雑な柄の組み合わせなので、どこがどう組み合わさるのか確認しながら色を決めていきます。

「この型紙すごく細かいですね…!」と、参加者の方。
型染めに使われる型紙は、現代では機械化している場合もありますが、今でも専門の職人さんが1枚1枚手作業で作っているところもあるんだそう。
おちあいさんにある昔から使われていた型も見せていただきましたが、これがほんとうにとっても細かくて正に神業…!

ios-%e3%81%ae%e7%94%bb%e5%83%8f

こちらは体験でつかっている型紙ですが、ドットや葉の表現などかなり細かいです…!

「でも、やっぱり機械で作られたものと人の手で作られたものは、違いがなんとなく違いがわかりますね。それに、人の手で作られたものの方が、やっぱり温かみというか、いい雰囲気を感じます。」と参加者の方。
確かに、機械で作られたものは良くも悪くも規則正しすぎて、そこに無意識に不自然さを感じているのかもしれません。

「でも、手作業が絶対にいい。というわけでもないですよ。」と、講師をしてくれた職人のシブヤさん。
手作業での制作はどうしたってたくさんの人には届けられないし、お値段もみんなが手をのばせる価格、というわけでもありません。
作るときも手に入れるときも、場面や目的に合わせて、機械と手作業をバランス良く使い分けていくことが大事なのかも、と思えたおはなしでした。

さて、5色染め終わったら、最後は蒸し器に15〜20分ほど入れて蒸して、染料を乾かしつつ定着させて完成です!待つ間は工房内を案内していただきました。

img_1080

赤と山吹色以外の色は同じ4色ですが、雰囲気は全然ちがいます!

完成したバッグを改めて並べてみると…「あれ、もしかしてこの色以外は同じ色を使ってますか…?」「…ほんとですね…!」
今回は偶然にも、おふたりとも1色以外は同じ色を使っていました!
「夏なので、なんとなく爽やかな色を使いたくなりました。」とのことで、同じ配色に。
でも、同じ色を使っていても、使った型や濃淡の違いでそれぞれ違った爽やかさを持つ雰囲気に。こんなところも、型染めの面白さの1つです。

これからの夏、お出かけのおともにぜひ使っていってくださいね。
参加者の皆さん、講師のシブヤさん、ありがとうございました!

今回は型はすでに用意されているものを使いましたが、今月6月末開催の型染めでは型を作るところから体験できます。柄はこちらよりはシンプルなものになりますが、型染めの一連の工程を体験していただけます!ぜひこちらからチェックしてみてくださいね。
自分で「型を彫って染める」スカーフ。