こんにちは。てならい堂スタッフの関野です。
梅雨が本格的になってきましたね。みなさま低気圧で体調など崩されていませんでしょうか。

今回もかなり雨が強く降る中での開催になりました。
6回目の金継ぎ教室は、前回決めた「金・銀・錫」の粉で仕上げの作業に入っていきます。
(これまでの教室の様子はこちらから→3回目4回目5回目)

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本日も前回仕上げた漆をヤスリや彫刻刀を使って整えていきます。整えた上に、まずは「黒呂色漆」を塗っていきます。
上に塗り重ねた漆に粉をまいていきますので、「弁柄漆」の赤色が残っていると、そのまま出来上がりに残ってしまいます。なので、 「弁柄漆」を覆いかぶせるように太めに塗っていきます。

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漆を塗った上から錫・銀粉を真綿(まわた)でまいていきます。
季節の関係で、湿度が高いこともあり、漆の乾きが早いため、今回はすぐに粉をまいていきます。
気温や湿度によっても、漆の扱いが変わってくるのが面白いですね。

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ここでのポイントは「触れているか、触れていないかくらいの加減」。
とにかく優しい力加減でのせていきます。
力を入れすぎてしまうと、漆が崩れる原因になります。恐る恐る、作業を進めていきます。
錫を乗せるだけで大分雰囲気が変わりました!「一気に仕上がった感じで嬉しいです!」とみなさんも達成感を感じられていました。

ポンポンと粉を乗せたら、漆の線に集めて均等になるように整えます。
最後に、線にそって綿で撫でるように触れていきます。
「この工程をすることで、粉が定着しやすく、つやが出ます。」とのこと。
一つ一つの工程に意味があり、完成に影響があると思うとさらに愛着が湧きます。

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時間が経つと、だんだんと錫が沈んで黒ずんだり漆の色が出てきてしまうことがあります。金は特に重さもあるので、沈みやすくしばらく観察が必要になります。
そういう場合は、さらに重ね、綺麗になるまで繰り返していきます。

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金・銀だと印象がだいぶ変わりますね!錫を選んだみなさんも、金・銀の仕上がりに興味津々でした。
銀は、白っぽくなり、クールな印象。金は、高級感のあるポイントになってかっこいいですね。
マットな艶感が器の柄や風合いをより引き出してくれます。

粉をのせた漆は、3〜4日かけて中まで乾かしていきます。
冬場は一週間かけてゆっくり固まるのを待ってあげるといいそうですよ。

次回、いよいよお持ち帰りいただきますが、実際に使用できるのは約1ヶ月後。漆の特性上、ゆっくり時間をかけて乾いていくので時間を使って馴染ませていきます。
自分自身の手で、新しい表情に生まれ変わった器。実際に使うのが楽しみですね。

最終回では、第一回からの講義内容を振り返ります。
教室が終わってからも、お家で金継ぎを実践して、大切な器を長く使っていただけたら嬉しいです。