こんにちは。てならい堂スタッフ山下です。
11月にはいり、気づけば色づいた葉っぱも見かけるようになりましたね。

先日知人宅で干し柿づくりを体験させてもらいました。以来、ちゃんと乾いているかな?と日々チェックするのも習慣に。
完成までの過程を楽しめるのも手仕事ならではだなぁ、と醍醐味を感じるこの頃です。

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日毎、変化していくものですね。

さて、9月からスタートしたしっかり金継ぎ教室も3回目。今回はアマノ先生のクラスをご紹介していきます。

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まず前回のおさらいですが、ワレについては糊漆で接着、欠けについてはコクソで埋める作業でした。
3回目のこの日は、まず前回作業した箇所を彫刻刀やヤスリなどで整えたのち、
 ワレ:接着箇所の細かいスキマを、とのこさびで埋める
 欠け:前回埋めきれなかったところをコクソで、場合によっては とのこさびも使いながら埋めていく
工程です。

コクソは前回も登場していましたね。《とのこさび》は初登場。コクソのようにこちらも手づくりしていきますよ。一体どんなふうに作るのでしょう?

さあ、ここから作業スタートです。

まず行ったのは、コクソの材料のうちのひとつ、麻の綿を細かくしていく作業です。
ハサミでチョキチョキと小さくしていきます。

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ちなみに..こちらの綿、別の植物でも代用できるそうです。それはガマの穂。
ガマ、生命力が強く水辺に自生する植物なのですね。

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先生が実物を持ってきてくれていました!今回私は初めて見たのですが、今度水辺にいったら探してみたいなあと思いました◎

当たり前といえばそうなのですが、昔のひとは身近にあるものを工夫・活用して暮らしていたのだなぁと思いを馳せてしまいました。

綿が細かくなったら、ここで前回作業したところを整えてしまいましょう。
彫刻刀や耐水ペーパー、さらには天然の紙ヤスリであるトクサを使っての作業です。

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整ったところで、またコクソや とのこさび をつくる工程に戻ります。
まずはコクソづくりの続きから。前回も登場した糊漆を作りましょう。上新粉でできた糊と生漆を混ぜていきます。

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リズミカルに滑らかに、アマノ先生による職人さんの手捌き。

ここに、冒頭ハサミで細かくした綿を少しずつ混ぜていきます。
さらに地の粉も投入。ヘラで混ぜていくと、ジョリジョリと微かに小さな音が響いていました。
これでコクソの完成です。

コクソが出来上がったあとは、とのこさびの番です。
材料は、砥の粉と水、そして生漆です。こちらもヘラで混ぜていきましょう。

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先生が実演しつつ、丁寧に相談にのってくれます◎

コクソも とのこさびも出来上がりました。ワレと欠けそれぞれの器に塗っていきましょう。

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今日の作業はここまでです。

今回の工程では印象的だったのは、さじ加減でした。
 器をヤスリなどで整えるとき
 コクソ・さびうるしを手づくりするとき
 それらを器に塗るとき

いずれの場面でも微妙な塩梅がもとめられ、みなさん探り探り作業されている様子がうかがえました。
でもその都度アマノ先生が丁寧に相談にのられていたので、皆さん安心して手を動かすことができたのではないでしょうか◎

ちなみにこの日は植物の話題も多く登場していました。前述したコクソ作りで使う綿についてだったり、天然の紙ヤスリであるトクサの話題だったり。派生するエピソードもみなさん楽しまれていましたよ。
集中しつつこうして楽しくおしゃべりできるのも、教室ならではの醍醐味かなと思います!

最後に..アマノ先生お手製のクマさんをご紹介して締めくくりますね♪

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思わず可愛い・・と黄色い声♪

余ったコクソで少しづつ作っているところなのだそうです。フォルムといいサイズ感といい絶妙で、とっても可愛らしかったです◎ちなみに意外と重量感があるので、ちょっとした重しにするのも便利なのだとか。
アマノ先生の遊び心、素敵です!

次回は折り返し地点の4回目となります。
いよいよ漆を塗り重ねていく工程にはいっていきますよ◎

お疲れさまでした!