こんにちは、スタッフのくらたです。

先日、【ツヅクキモノの和裁教室 〜着物をほどいてどうするワークショップ~】が開催されました。

教えてくれたのは、てならい堂の和裁教室でもおなじみ、仕立て屋ユニット「ツヅクキモノ」の瑠美先生、良子先生です!

普段、平日夜に開催している和裁教室では、お二人ともそろうタイミングがなかなかないのですが、この日は二人いっしょに会えたとってもレアな日!とにかくいつも明るくて、同じ空間にいるだけで自然と笑顔になれちゃう先生たちです♪

この日の瑠美先生(左)は、なんと先生の浴衣をワンピースにリメイクしたもの!お二人ともとってもおしゃれ。。!

この日の瑠美先生(左)は、なんと先生の浴衣をワンピースにリメイクしたもの!お二人ともとってもおしゃれ。。!

ところで着物ってほどいたらどうなるの?どんなことができるの? ?そして、そもそも自分だけでほどくことってできないのかな。。?和裁の知識がないわたしは、はてながいっぱいだったのですが。。

着物は本来、全てを手縫いしていて、しかも縫い直すことを前提として「ほどきやすいように」縫っているんだそう。(逆に洋裁は「ほどけないようにしっかり」縫っているんですって。)

着物を解くと袖、身頃、衽、えりと枚数はバラバラになるのですが、これらの布を縫い繋げると、また1枚の反物の時の布の状態に戻すことができるんです。

こうして解かれた着物は、新たに染め直したり、小物の生地になったり、子供用に着物を作り直したり、クッションや布団にしたり。。様々にリメイクされていきます。
さらにどんどんつかっていくことでくたくたになると、昔は赤ちゃんのオムツにしたり、裂織りにしたそうですよ。

ほどいたあとも、どんどん新しいものに生まれ変わらせることができるんですね。

無駄が全然ない。。!

そして、そんな着物をほどくこと。なんとなくの自己流で、できなくはない・・けれど、大切で貴重な生地を傷めてしまう可能性が大いにありますし、そんな乱暴なこと、できないですよね!

先生にしっかり教えてもらいましょう◎

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この日参加してくれたのは、てならい堂の着物教室にも通ってくれていた、先生たちとも仲良しな生徒さんと、良子先生の小学生の娘さん!

まずは、着物教室にも通ってくれていた方。素敵な袷のお着物を持ってきてくれました◎

先生にがっつり教えてもらいますが、細かい糸を探すのがまた難儀。。!

先生にがっつり教えてもらいますが、細かい糸を探すのがまた難儀。。!

解くことを考慮して縫われて入るものの、解く順番や糸の取り方がわからないと生地を傷めてしまったり、誤って切ってしまうことも。。
糸はピーッと長くとることで、細かい糸が生地に残ることを防ぐなど解くポイントが実はたくさんなんです。

決して生地のほうを切ってしまわないように、気を付けます。。

決して生地のほうを切ってしまわないように、気を付けます。。

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そして、良子先生の娘さん。彼女がこの日ほどく浴衣は、なんと良子先生が高校1年のときに家庭科でつくったものだそう!
それを娘さんが、幼稚園の年中さんから毎年直して着てきた、ほんとうに素敵なもの。

いつまでも受け継がれている、なんて素敵な存在でしょうか。。

デザインもかわいらしくて素敵ですが、何よりそのエピソードにグッときます。。!

ちょっとずつ、

お母さんと一緒にこんなワークショップに参加できるの、いいな~~

そして、この日これをほどいたら、来年の夏休みの自由研究に、これでワンピースを作る!という壮大な自由研究計画がスタートしていました!

ところで、袷と浴衣でちょっぴり外しかたが違うようですが、基本的には縫った順番と逆の順番で解いていき、留め糸が要所要所になるので外していきます。

生地を傷めないように糸切りハサミで先生と確認しながら進めるお二人。
糸をとる際なかなか綺麗にとれず苦戦しつつ、、途中の留めで取れないことも。手で探り探り進めます。

糸をとる際の握り方や布の動かしかたも教えていただき、何度かしていくうちにお二人とも、「ここに留めがある!」「こうね」と生地を手繰り動かし、糸を切りスルスルっと糸を取れるように!

糸がスーッと取れると気持ちがいいんです!

糸がスーッと取れると気持ちがいいんです!

解く作業をしていると大事な部分や、頑丈にしていないと破れやすい部分は返し縫いをされているところもあるため、解くのが大変ですが綺麗になった時は爽快感です。

少しづつ解かれ、布に戻ってきました。
一見縫い目が見えないのですが、ライトに当ててみると小さくぽつりと見える縫い目。

布の折り目に沿って、縫い目の穴が小さく見える。。のですが写真では見えないくらい!!

布の折り目に沿って、縫い目の穴が小さく見える。。のですが写真では見えないくらい!!

しっかり縫われているのに穴だらけにならない不思議。

生地を傷めないようにしながら糸を解くからこそ、縫い目の穴が広がらず破れず綺麗な布に戻せるんですね。
繊細だけれども、優しさが滲み出る手仕事ですね。

解いていくと、遠い昔の縫い手さんの想いや性格も垣間見えてきました。

「この方は縫い目がざっくりめで、おおざっぱな方だな。。!」とか「この人、だんだん途中から縫うの疲れてきてる(笑)」など、遠い昔のタイムカプセルに触れているようで、なんとも楽しい。。

ほどいた後の糸も、結構な量が取れました!

こkには

ここには映っていないのですが、着物をほどくと〇十年分のほこりや、髪の毛!などが混じっていることもあるそう。まさにタイムカプセル笑

最後、やはり袷は複雑で時間内にはほどくことができなかったのですが、コツをつかんだので続きはご自宅で!でもここまでできましたよ!

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浴衣の方は、無事全て解けて、それをまた浴衣の形に置いてみました◎本当に、無駄なところが全くなくて、気持ちがいい!

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お疲れ様でした!

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★おまけ

この日、瑠美先生が作ってきてくれたのは、お人形が着れるようなサイズの<着物の模型>。

とってもかわいいだけではなく、これをほどくと1枚の布になる!それを組み合わせるとまた着物ができる。。ということがシンプルに分かりやすく目でみれて、面白いんです!

↑こちら着物の状態ですが。。(それにしてもとっても愛らしい)

↑こちら着物の状態ですが。。(それにしてもとっても愛らしい)

ほどくとこんな風に、長い四角が組み合わさっているのがわかる!

↑ほどくとこんな風に、長い四角が組み合わさっているのがわかる!

ほどいたものを並べると、本当にそのまままた着物の形になります。

↑ほどいたものを並べると、本当にそのまま、また着物の形になります。

縫う・ほどくの逆再生で、本当に無駄な部分がないのがわかります。。感動!(神楽坂ストアにあるので、ぜひ見に来てくださいね。)

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この日解いた着物で何を作ろう、次の姿にワクワクします♪

参加してくれたお二人、瑠美先生、良子先生ありがとうございました!

★てならい堂では、このほどいたものを使って、素敵な小物たちをつくれるコースがありますよ。毎月好きなものをつくって、一緒に和裁にはまりましょう。。!

気になった方はこちらからぜひチェックしてみてください。