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てならい堂では自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらにさらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、季節ごとにテーマを決めて、取り組んでいます。

2021年秋のテーマは「五感を使ってつくる」です。

見えないところで作られたものが溢れている今の時代、自分の五感を使ってつくったものにはどんな意味があるでしょうか。

「五感を使ってつくる」を考えるために、
  てならいに参加してみる。
  てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
  自身の生活の中で見つめ直してみる。

それぞれのやり方で、皆さんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。

てならい堂では関連したワークショップの開催や、神楽坂のてならい堂(ひみつの小店)では、育てる道具の展示や販売をしていますので、ぜひ遊びにきてください!

 「五感を使ってつくる」10月の話題。

1)“五感を使ってつくる”という選択肢

2)実際に五感を使ってつくってみる

・杉と檜の香りで遠くの森を感じながら。アロマオイルづくり体験

・布の手触りを感じて、目で染まり具合を確かめながら。板締め体験

・手で捏ねて、出しの香り味わって。うどんキット

3)“五感を使ってつくるについて考えてみる(てならい365日のススメ


1)“五感を使ってつくる”という選択肢

ただ指でポチポチとクリックするだけで何でも届けてくれる便利な時代。そうやって私たちの生活に、見えないところからたくさんのものが届くようになりました。

一体このモノは誰が、どこで、どんな素材で、そうやって、どんな想いで作ったのか。部屋を見渡してみてください。それらが分かるモノはいくつありますか?

その素性がわからないモノと距離を縮めることは難しいかもしれません。だからてならい堂では手に入れ方を変えることに取り組んでいます。その距離を縮めるために、つくり手からの受け取り方を変えることもその一つですが、今月は自分が使うものを自分の手を動かして、匂いを嗅いでみて、音を聞きながら、五感を使って作ってみましょう。

この「五感を使ってつくる」という選択肢にはどんな意味があるでしょうか。皆が皆、何でも自分で作る社会に戻ることを提案しているわけではありません。ただ、作る方法がわかれば、壊れたり少し手入れが必要な時にどうしたら良いのか自分の手がもうわかってる。なんなら自分で工夫してもっと自分の生活にぴったりな形にすることもできる。

その知識と技術があなたを囲むモノたちへの見方を変えてくれます。自分と道具、生活、社会の距離が縮まると暮らしがもっと愉しくなると思いますよ。

これからは生活の中に、五感を使ってつくるという選択肢を取り入れてみませんか。


2)実際に“五感を使って”つくってみる

・遠くの森を想い、森を感じる

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大分県 耶馬渓で林業を営む久恒山林さんから生まれたアロマブランド、「六月八日」さんは、九州の森の恵みである樹木や有機無農薬ハーブなどの天然素材を丁寧に自社蒸留した、100%天然の精油(エッセンシャルオイル)を作っています。

「六月八日」のオイルは森を育てる仕事の中で得られる有機肥料だけで育てられた大分の農産物が原料です。収穫から蒸留まで一貫して丁寧に行われ、水蒸気蒸留法のみで抽出された精油は、私たちを癒してくれる自然な香りです。

この間伐材を原料としたエッセンシャルオイルをつくるということは、小さな取り組みかもしれませんが、森を持続させていくための大切な一歩だと思います。そして、森から離れた街で住んでいる私たちにとっても、こうして森の素材を暮らしに取り入れることは、失われかけている自分と森とのつながりを取り戻せる一歩でもあるかもしれません。

今月、六月八日さんと一緒に作ってみるのは日本の森の代名詞ともいえる「杉と檜」を使った、「 オリジナルブレンド精油 (1ml) 」「 和蜂蜜蝋と椿油のハンドクリーム」「椿油のミニロールオン 」、この3種類です。杉と檜は、お弁当箱や檜風呂、住宅など、古くから暮らしの中で私たちとずっと共にある樹木です。今回はそんな杉と檜の魅力を香りを通じて再発見できると思いますよ。

天然素材である木からオイルになるまで。その流れを体験し、遠いと感じていた森と繋がれる機会、ぜひお見逃しなくどうぞ。詳細は下のリンクよりご覧ください。

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■ 【てならい】杉と檜を感じる、日本の森の香りづくりワークショップ

■ 【かいもの】六月八日のエッセンシャルオイル&芳香蒸留水


・布のて触りを感じて、目で染まり具合を確かめながら。板締め体験

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染めの技法って、結構色々ありますよね。染料をつけた刷毛を引いて布を染めていく「引染め」、布の染めない部分に型紙で糊を付け、染める部分に土手を作り、そこに染料を注いで布を染める「注染」とか、布の一部に糸などで縛って圧力をかけ、圧力のかかった部分には染料が染み込まないようにし、模様を入れる「絞り染め」とか。方法によっては雰囲気の違う色んな染物が作れるんです。

さて、板締めという方法はご存知でしょうか。染めたい布を染料にドボンとつけるだけの簡単な染め方。けれど、板を使って、染料に布をつける時にちょっと工夫をすると、いろんな柄が楽しめるので、染め終わるまでにはどんな柄になるのか想像できないし、締め方、色のつけ方によっては全く仕上がりが違ってくるので染める度にワクワクすると思いますよ。

じゃぶじゃぶと、きれいな水の音、水の冷たさ。その中で舞うてぬぐい、鮮明に見える染め柄。すべて五感と繋がる体験です。

【てならい】板締めで染めるてぬぐいワークショップ・10月


・手で捏ねて、だしの香りを味わって。うどんキット

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気温差が激しい、秋の入り口。昼はまだまだ不自然に暑くとも、急に涼しくなると「あったかいの食べたいな〜」と口に出しちゃいますね。そんな時、ご自身でうどん、つくってみませか?自分でこんなおいしいもの作れるんだ!と、驚くと思いますよ。

今回作ってみてほしいのは、香川県の誇る「さぬきうどん」です!

ちょっと窓から吹いてくる寒い空気を吸いながら、鍋にお湯を沸かして、だしを取る。ふんわりする気持ちをたっぷり楽しめます。そのあとは小麦粉を丁寧に捏ねながら「おいしくなれ〜」と愛情を込めて一言も忘れずに。できた生地を伸ばして一定な細さで切って茹でます。少ふぞろいな感じも手作り感あって良いでしょう。面が茹でれたら取れただしに専用の醤油を足して、盛り付けるで出来上がり!あとはお好みのトッピング載せるだけですね。

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「さぬきうどん英才教育キット」は、「さぬきうどん」を麺から作れます。なぜ英才教育なのか。それは他のいろんな伝統的なモノと同じく、讃岐うどんもその生産量は年々減ってるそうなんです。ちょっと驚きですよね。あんなに美味しいのに。

だからこそ、子供の時からさぬきうどんを楽しく作って学べるキットで、うどんに触れてもらおうというわけです。うどんの材料のほかに、3種類のだし原料、ワークブックとシールが付属しています。うどん作りを通して、だしや日本の食文化といったことまで、五感を使って学べる仕掛けがつまっています。

まな板に当たる包丁の音、面を茹でるときに鍋から聞こえてくる「ぶくぶく」、いりこから取れただしの深みの香り、麺のもちもち感。ぜひ全ての工程で五感を通じて吟味してみてください。キットの名前通り、こども向けではありますが、大人も十分楽しめちゃいますよ。好みのトッピングを持ち寄って、うどんパーティーも楽しいかもしれませんね。詳しくは下のリンクよりご覧ください。

【かいもの】さぬきうどん英才教育キット


3)五感を使ってつくってみる集まり(てならい365日のススメ)

いかがでしたか。アロマオイル作り体験、板締め体験、さぬきうどん作りキットをご紹介しましたが、これ以外にも五感を使ってできる体験はもっともっとあると思います。みなさんも一度、五感を使ってつくるということについて考えてみませんか?意外な発見があると思いますよ。

この3ヶ月、自分の手で、五感をたっぷり使って何かを作ってみることに考えてみたいと思います。てならい堂ではそうやって自分の生活を見つめ直してみる機会を、てならい365日と名付け、皆さんにオススメしています。会場は自宅ですし、参加者は今日はおひとりですけれども、これだってひとつのワークショップと言えると思います。

やり方はとても簡単。ノートを用意して、テーマについて書き出してみる、以上です。けれど騙されたと思って書いてみてください。書き出された文字を見ていると不思議と次々と新しい考えが思い浮かぶものです。

そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思うんです。そして、はっ!とした気づきがあったら、ぜひてならい堂に共有してください。メールでもいいですし、てならいに参加した時や、ひみつの小店に来た時に、そっとスタッフへ教えてください。

もしかすると同じワークショップに参加した人も、実は自宅でてならい365日に取り組んでいる仲間で、お互いに共感できるかもしれませんよ。

よーし、ちょっと考えてみようかな。と思ったあなた。今回は、「五感を使ってつくってみる」を考えるにあたり、まずは2つのことを考えてみてはどうでしょうか。

①探してみよう:
あなたの身の回りに、自分で作った道具って何かありますか?棚の奥にしまいっぱなしのものはありませんか。ぐるっと部屋を見渡して、探してみませんか。

②嗅覚を使って作ってみよう:
現代的な生活で最も使われないのは嗅覚だそうですよ。香りや匂いを嗅ぎながら何か作ってみませんか。一番作りやすいのは、料理ですね。匂いに集中して今日は料理してみませんか。

そして、どんなことでも結構ですので、気づいたことをノートに書き出してみてください。どんなノートでも構いません。構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。

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ノートの購入はこちら


さて、色々と「五感を使ってつくる」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

「五感を使ってつくる」のテーマの始まりである10月。これからてならい堂と一緒に3ヶ月間五感をたっぷり使ってみませんか。今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にて随時このテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからをご登録くださいね。

「こんなことも知りたいよ」みたいなご要望あれば遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください。

今月も皆さまのご参加をお待ちしています。てならいの会場で、神楽坂(ひみつの小店)で、色々とお話ししましょう!

作っているところを知らないもの
触ることなく届くもの
気もそぞろでできあがったもの
五感を使わずに手に入るものがあるから
今日は五感タップリ、作ってみる