てならい堂では自分にとって心地よく、社会にも環境にも良いことをしていると感じられる生活を、”こころよい生活”と呼んでいます。これまでもそれを知るための様々な機会を模索してきましたが、さらにさらに自分たちにとって”こころよい生活”を探すために、季節ごとにテーマを決めて、取り組んでいます。

2022年 夏のテーマは「自然の素材を取り入れる」です。

自然の素材って良いなと思うんです。お部屋にあるだけで心が和んだり、年を重ねるごとに使いやすくなったり、お手入れもなんだか楽しくできます。皆さんはどんな自然素材を取り入れてますか?

「自然の素材を取り入れる」を考えるために、
  てならいに参加してみる。
  てならい堂(ひみつの小店)に遊びに来てみる。
  自身の生活の中で見つめ直してみる。

それぞれのやり方で、皆さんも自分にとってのこころよい生活を探してみませんか。

 「自然の素材を取り入れる」9月の話題。

1)そもそも自然の素材とは何なのかを考えてみる日

2)実際に“自然の素材”を取り入れてみる

・刀鍛冶技法を受け継ぐ職人から学ぶ、包丁作り

・染料づくりから学ぶ2日間の柿講習、秋の柿渋染めワークショップ

・ヤマチクの竹のお箸

3)みんなでジャーナリング〜自然の素材を取り入れる編〜(てならい365日のススメ


1)そもそも自然の素材とは何なのかを考えてみる日

みなさん、お元気ですかー?

いつの間にか「自然の素材を取り入れる」というテーマに取り組んで3ヶ月が経ちましたね。これまで竹皮編みのコースター、本革のがま口、藍の生葉染めのストール、和紙のうちわ、麦わら帽子、いちょうの木のまな板などなど。たくさんの自然の素材のモノをご紹介してきました。みなさんにご紹介しながら、私もその道具たちを生活に取り入れてみて、自然素材のモノならではの使い心地の良さや魅力がよくわかるようになりました。

そして今日は私が3ヵ月間「自然の素材を取り入れる」ことに取り組みながら思ったことを軽く話せたらいいなと思います。

私はこの3ヶ月ほど「自然の素材」と聞いて思い浮かぶ色々なモノをできるだけ手に取ってみて、どこまで自然素材のモノで、どこまでが自然素材でないモノなのか、その「境界」について考えるようになりました。

極端に言えばプラスチックとかビニールの素材になるPVCなんかは当たり前に自然の素材ではないよね、と皆も納得すると思いますが、例えば、てならい堂で開催している鋳物体験に使う「錫」は?ご飯食べるときに使う「陶器」は?「蜜蝋ラップは」?待って、そうならば、「野菜」は?!と・・・いったいどこまでが自然の素材と言えるんだろうと頭を抱えて考えてみました笑。

結論から言いますと私は、錫も陶器も蜜蝋ラップも野菜も全部、自然の素材だと思います。木のまな板とか、竹皮編みモノのように素材そのものが道具になっているわけではないけれど、どこかしらで人の手と手が「つながっている」からです。そしてそれが私が解釈する「自然の素材」の定義です。

どれだけ生活に密接していて、その道具を作るためにどれだけ人の手が加えられているのか、どれだけ自然の知恵や時間が溶け込まれているのか。それが自然素材か、自然素材でないかを決める一番大事な要素なのではないかと私は思うのです。

時には、簡単に使ってしまう、簡単に大量に作れてしまうモノの便利さも捨てがたいと思うのですが、それを使う時の自分はやはり丁寧に使えていないなーと、実感することが多いです。いっぱいあるから使い捨ててしまったり、荒い使い方したり。

でも自然からいただいたモノを丁寧に使い、時間をかけて作られたモノだとわかったらその瞬間から自然とつくり手のモノを引き継いで使うという感覚が湧いて、感謝しながら大切に使おうという気持ちになります。

なんて、この3ヶ月は今私が語ったように、どこまでを自分は自然素材だと捉えているのか、自分にとって自然の素材を使う理由はなんなのか、そういったことについて改めて考えさせられる、自分の生活も見つめ直してみるよい機会でした。という感想をこの場を借りてみなさんにお伝えしたかったです笑。

あくまでもこれは私の考え方で、正解でもないし、そもそもこれについてみなさんはどう考えてらっしゃるのかとても気になりますね。

9月11日には、今私が皆さんにご紹介したようなそれぞれの感想を話し合う「共有会」が開催される日です。ジャーナリングしながらご自身の生活を整理整頓してみる時間、いかがですか?ご興味のある方はぜひ下のリンクより詳細をチェックしてみてくださいね!

■【てならい】みんなでジャーナリング〜自然の素材を取り入れる編〜

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この前喫茶店で見つけて、つい「てならい365日」のこと思い出して撮ってしまいましたのでここに自慢します笑


2)実際に”自然の素材”を取り入れてみる。

・刀鍛冶技法を受け継ぐ職人から学ぶ、包丁作り

てならい堂では普段の生活では直接会える機会のあまりないつくり手さんとのもとで、実際に自分の手でモノを作ってみる体験も色々開催しております。実際につくり手さんの工房へ行って、つくり手さんの日常が真横で見れて、その場で作り方まで教わることはとても格別ですよね。

この包丁作り体験もそのひとつだと思います。日常生活で欠かせない包丁を自分で作れるなんて、どういうこと?ってなりますよね笑。でもてならい堂ではそれができるんです!

包丁作りについて教えていただくのは日本刀製造の流れを汲む六代目職人、石塚祥二朗さんです。今回皆で作る包丁は「火造り」の技法を使いますが、この火造りの技術を使った裁ち鋏が作れる職人さんは全国でも数えるほどしかいないようです。石塚さんはその技術を受け継ぎ、刀や鋏に生かしています。

叩く度に響く鋼の音を聞きながら、ご自身で包丁を作ってみませんか?きっと可愛らしくて愛が湧きますよ。詳細は下のリンクよりご確認できますので、ぜひご興味のある方は読んでみてくださね。とても奥深い話がたくさん書かれています。

■【てならい】刀鍛冶技法を受け継ぐ職人から学ぶ、包丁作り

※10月開催。募集開始しました!9月9日(金)10時まではサポート会員優先期間です。

・染料づくりから学ぶ2日間の柿講習、秋の柿渋染めワークショップ

近所に柿の木があるおうちがあって、毎年今頃なら出かける時に実がなっているかどうかをチェックするのが私のルーティンになりました。まだ実が小さかったり緑だったり。食べれるようになるまではまだまだですが、この緑色の柿で「柿渋」が作れるんですよね。

てならい堂で様々な染めの体験でお世話になっている「染の里おちあい」さんとその柿渋を作ってみる体験をご用意しました。

柿渋は昔ながら漆の下塗りや衣類に使われてきましたが、紙に塗って乾燥させると硬く頑丈になり防水機能もあるので、染めの技法のひとつでもある、型染めの型紙にも使われるなど、とても使い道の多いものです。

色んな使い道があるこの柿渋の一番の魅力はやはり経年変化ではないかと思います。太陽に当てておけばおくほど色が濃くなるので、柿渋で染めてから使い込むほど、長く使い続けるほど、その色の変化が楽しめることに私はやはり魅力を感じますね。

今回のワークショップは2日間しっかり柿渋について学ぶ事ができます。

9月開催の染料作りは終了いたしました。10月開催のスカーフの柿渋染め体験は絶賛募集中です。

■【てならい】染料づくりから学ぶ2日間の柿講習、秋の柿渋染めワークショップ


・ヤマチクの竹のお箸

お箸にこだわってるポイントとかありませんか?私はですね、太すぎるのと長さが短すぎるのが苦手で、細かったり丸くない形のお箸が好みです。その好みにピッタリなお箸を探し続け、漆を塗ったお箸、割り箸、ひのきのお箸、プラスティックっぽいお箸まで色んなお箸を使ってみたのですが、このヤマチクさんのお箸、とてもおすすめですよ。

なんと素材は竹!持ちやすく、軽いし、素材の匂いなどがないので楽しく使えます。ヤマチクさんは国内の竹を使ってお箸を作っています。それぞれの好みに合わせ選べるように、色んな長さ、太さ、色などを工夫して商品を開発しているそうです。ヤマチクの皆さんが、自分たちが使いたいお箸をイメージしながらアイデアを出して作っているからこそ、使い心地のよさは抜群!

ひみつの小店に色々な長さや太さ、デザインのものが並べてありますので、ぜひ皆さんもご自身の好みにフィットする竹のお箸見つけてくださいね。

■【かいもの】ヤマチクの竹のお箸


3)みんなでジャーナリング〜自然の素材を取り入れる編〜(てならい365日のススメ)

いかがでしたか。みなさんも一度、自然の素材を取り入れるということについて考えてみませんか?意外な発見があると思いますよ。

この3ヶ月、自然素材に目を向けながら過ごしてみようと思います。てならい堂ではそうやって自分の生活を見つめ直してみる機会を、「てならい365日」と名付け、お家でのセルフジャーナリングを皆さんにオススメしています。

やり方はとても簡単。ノートを用意して、テーマについて書き出してみる、以上です。けれど騙されたと思って書いてみてください。書き出された文字を見ていると不思議と次々と新しい考えが思い浮かぶものです。

そうやって自分の考えを進めていくことが、自分にとっての「こころよい生活」を見つけることにつながると思うんです。そして、はっ!とした気づきがあったら、ぜひてならい堂に共有してください。メールでもいいですし、てならいに参加した時やひみつの小店に来た時に、そっとスタッフへ教えてください。あるいは3ヶ月ごとに開催する「みんなでジャーナリング」で一緒に自分の事を書き出してみましょう。

もしかすると同じワークショップに参加した人も、実は自宅でてならい365日に取り組んでいる仲間で、お互いに共感できるかもしれませんよ。

よーし、ちょっと考えてみようかな。と思ったあなた。今回は、「自然の素材を取り入れる」を考えるにあたり、まずはてならい堂が提案するお題をご参考にしてみてはどうでしょう。

365日では新たに日々の事ごととして「お題」をアップしていきます。それをみてやってみたいな、と思うものがあれば是非やってみてみてくださいね。365日のインスタグラムでもアップしてます。こちらもどうぞよろしくお願いします。
てならい365日インスタグラムはこちらから


やってみて、どんなことでも結構ですので、気づいたことをノートに書き出してみてください。どんなノートでも構いません。構いませんが、形から入りたいという方(笑)向けに、てならい365日専用ノートもありますよ。

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ノートの購入はこちら


さて、色々と「自然の素材を取り入れる」についてご紹介してまいりましたが、いかがでしたでしょうか。

テーマに取り組んでから3ヶ月。みなさんの「自然の素材を取り入れる」についてぜひご感想もぜひ聞かせてください。

今後、てならいの参加者募集とともに、てならい便り(メルマガ)にて随時このテーマについてご案内していきますので、まだの方はぜひこちらからをご登録くださいね。

「こんなことも知りたいよ」みたいなご要望あれば遠慮なくお問い合わせフォームやメルマガにご返信ください。

今月も皆さまのご参加をお待ちしています。てならいの会場で、ひみつの小店(神楽坂)で、色々とお話ししましょう!

まだ使ってないのは出会えてないから
手に入れてないのは急いでないから
じっくり見つめてその自然のものが
家にあるのを想像してみる
いつ出会えるかな私の道具