【てならい後記】深める金継ぎと初めての蒔絵教室(欠け編・割れ編)22年春。第2回
こんにちは。てならい堂スタッフのの大石です。
今日は五月雨。お洗濯物が乾かなくて大変ですね~なんてお話しながら、「深める金継ぎと初めての蒔絵教室」の2回目を開催しました。
2回目の今日は、欠け編割れ編ともに「錆漆づくり」の工程です!
この錆漆というのは、前回つくったこくそ漆よりも目の細かいペーストです。表面をより滑らかに仕上げるためにも塗り重ねるのですが、こくそ漆と黒漆のクッション材としての役割もあります。
なんでも、コクソ漆は乾燥による収縮が大きため、その上に黒漆を塗ってしまうと縮んだときに空間ができてしまうことがあり、割れやヒビに繋がるそうなのです。なぜ錆漆が必要なのか、事前に理由を教えていただくと作業に進みやすいですね◎
【欠け編】こくそ漆を研いで錆漆を塗る。
まずは前回塗ったこくそ漆を研いでいきます。これから漆を塗り重ねる工程が続きますが、”漆を塗る作業の前には必ず研ぐ”ということをお忘れなく!
錆び漆は、砥の粉+四辺地+水+生漆でつくります。
砥の粉や四辺地など粉末のものはそのまま漆に混ぜず、必ず水を加えてペースト状にしてから混ぜます。
錆漆が出来たら、筆で塗っていきます。どのくらい塗ったらいいかが難しいところですが、量に迷ったら盛ってください!とのことです。
欠け編はここまで。
【割れ編】ほぞを切って錆漆を塗る。
割れも同様に錆漆を塗るのですが、少し下準備をしておきます。
ヒビや割れの場合、釉薬の上に蒔絵をすることになりますが、釉薬はガラス質のため、その上に蒔絵をするとどうしてもはがれやすくなってしまうそうです。。
そのため、ヒビや割れの表面を漆の食いつきの良い陶器・磁器まで削り出す(ほぞを切るという)作業をあらかじめ行います。
歯医者さんが使うようなルーターを使って削っていきます。滑って別のところを削ってしまわないようにお気をつけて。
ほぞを切ったら、欠けと同様に錆漆を塗っていきます。錆漆はどんどん乾いて塗りにくくなるので、その場合はヘラなどを使ってくださいね。
割れ編もここで終了です。
器の作業と並行してブローチに下地の色を塗る作業も行いました。
行庵さんに仕上がりのサンプル写真を見せていただいたのですが、イメージを膨らませるとワクワクしますね!
そういえば、漆にも色んな色をつけることができるってみなさんご存じですか?
行庵さんが漆に混ぜる顔料を見せてくださったのですが、想像以上に色んな色がありました!
唯一出せない色は純白だそうです。(白漆というものがありますが、こちらもベージュののような色味になります。)
行庵さんは知識がとっても豊富で、工程ひとつひとつの理由や道具のお話などしてくださいます。貴重なお話を聞きながら作業ができるってとても贅沢な時間だなあと思いました。
平日の教室は少人数なので、たくさん質問したい方にはおススメですよ◎