こんにちは、てならい堂スタッフのかもです。

最近は暖かい日が増えてきて、春の気配がだんだん近づいてきましたね。先日は、そんな春を待つのにぴったりな「桜染め」の体験を開催しました。

開催地は、染め体験ですっかりお馴染み、新宿落合にある「染の里 おちあい」さん。100年の歴史を誇る、着物の反物の染め工房です。

おちあいさんの企画の一環で、裏手に流れる土手の壁面には和模様が。駅の方にも市松模様などがあるそうですよ。

おちあいさんの企画の一環で、裏手に流れる土手の壁面には和模様が。駅の方にも市松模様などがあるそうですよ。

さて、「桜染め」と聞くと、なんとなくピンクづいている花びらを使うイメージの方が多いのではないでしょうか。私もそうでした。蕾とか絞って使うのかな、と。
でも、実際は桜染めに使うのは枝の部分。こちらを煮出した原液を使って、今回はシルクのストールを染めていきます。

桜は「高遠桜」という長野県恵那市由来のもの。少し小ぶりな花びらで、色味は少し濃いめな印象です。

花付きのものがおちあいさんのギャラリーに飾られていました。こちらは室内で人口的に早めに咲かせたものとのこと。お越しの際はぜひご覧くださいね。

花付きのものがおちあいさんのギャラリーに飾られていました。こちらは室内で早めに咲いたものとのこと。お越しの際はぜひご覧くださいね。

原液はあらかじめ煮出しておいてもらっているので、体験ではそちらを使って染液を作るところから。

お湯に原液を量って入れ、さらにクエン酸を加えます。染液ができたら、一度水にひたしたストールをドボンとつけて染めていきます。温度を気にしつつ、トングでかき混ぜながらひたすこと10分。
だんだんとストールが染料を吸って、サーモンピンク色になっていきます。反対に染液はフチの方が透明に。目でも染液が染みていく過程がわかっておもしろいです。

2ace7397-28e0-4691-b8c4-4752e45e23bd

「ふしぎ〜〜」「思ったよりはっきりピンク色!」とみなさん。
枝からこんなにピンクの成分が出てくるのは、確かにふしぎ。それに、桜の花びらって淡〜いピンク、という印象なので思ったより濃いめの色なのも意外です。
「枝の中に、花びらのピンクの成分が準備されているんですかね。」という鋭い見解もありました。

染めの原料の見た目と実際の染めあがりの色が違うのは、桜染めを含む草木染めのおもしろいところのひとつです。夏には藍染めの体験も開催しましたが、そちらも藍の葉や染液はけっこうザ・緑という色なのですが、染めて乾かすとあのとても鮮やかな藍(青)色になります。

工程上、ひとつのお鍋を2~3人で共有して一緒に染めていくので、一緒のお鍋の人たちと感想をお話ししたりしながら和やかな雰囲気で作業されていました。また、染めは初めて!という方も多かったので、熱心にメモを取ったり、職人さんへ質問していた姿も印象的でした。
感想や仕上がりを共有したり、気になったことをその場で直接職人さんへ聞けるのも、体験ならではの楽しみだなあ、と思います。

80ce02fd-2295-4e70-b8c4-3d1b847914d5

さて、染液が染み込んだら次は媒染していきます。媒染は、染料を繊維に定着させる作業です。ストールをミョウバンを入れた媒染液にうつして、15分浸します。

このあと、もう少し濃くしたければもう1回染料に先ほどと同じく10分ひたします。すべて浸してもOKですし、片側だけや、先の方だけ、など部分的にひたしてグラデーションっぽい仕上がりにできたりもします。

「よく見たらわかるかなー、くらいまでしか(濃さの違いが)出ないかもしれません。」とのことだったのですが、実際染めてみると案外しっかり染まりました!
人工の染料とは違い、草木染めは自然が相手。実際に染めてみるまで“仕上がりはお楽しみ“な部分も大きいのです。今回は濃いめに染まりましたが、次回も同じとは限らない、というところが草木染めの醍醐味です。ちなみに、染める素材によっても、同じ染料を使っていても色味が違ったりもします。

最後に水洗いをして、乾かしたら完成です!

img_0658

今回は2回目を部分的にひたす方が多かったので、いろんなバリエーションが誕生。「きれいに(グラデーションが)入りましたね!」「そっちの染め方も素敵ですね!」と、感想が飛び交いました。

ストールが乾くのを待つあいだは、染め工房を案内していただきました。工房内には、長い年月を超えてきた貴重な道具などもあったりするので、体験の際にはこちらの工房案内もぜひお楽しみください。

最後に、体験のはじめにおちあいさんから提案いただいた素敵なお話を。
草木染めは他の染めに比べて、堅牢度が低め=色褪せるのが早く、どうしても3〜4年ほどで当初よりも色が薄くなってしまうそうです。でも、その際はまた上から染め直せばOK!
同じ桜染めでももちろんいいですが、藍染めを重ねてみたりしても。色褪せが気になるところだけ染め直してみてもおもしろい表情になるかもしれません。
そうやって、ちょっと手入れしつつずっと使い続けていくのも素敵ですよね。

桜染めは3月と4月にも開催予定です。春にしかできない体験でもありますので、気になった方はぜひ体験してみてくださいね。
お申込み・詳細はこちらからどうぞ→春を先取りする、ストールの桜染め体験。